しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

高清水自然公園 と 駒止湿原 ・・・「福島県南会津郡南会津町」 < 6月 >

2011-06-29 |  雀の足あと ・・ 夏

                                   ↑ 2011/06/23 撮影…高清水自然公園のヒメサユリ

高清水自然公園の姫早百合群生地 (たかしみずしぜんこうえんのひめさゆりぐんせいち) 

高清水自然公園は、
福島県南会津町(旧南郷村)にある
貴重なひめさゆりの群生地です。
楢(なら)林を進んで行くと、
7ヘクタールのすり鉢状の草原が広がり
約100万本のひめさゆりが自生しています.
毎年6月中旬から7月初旬にかけて開花するそうです。
ヒメサユリは別名オトメユリとも呼ばれ、
ウイルスに弱く、
種から育って1輪の花を付けまでに
早くて4年はかかり、
多くの花を付けるには7~8年かかるそうです。

今年は開花が遅いとのことですが、
新緑の風にそよぐ
淡色や濃いピンク色の優しい花を見ることができました。
木道を整備したり、
群生地の保護対策も進められていました。

            2011/06/23 撮影
…高清水自然公園
…木道
…ヒメサユリの蕾
…ヒメサユリの蕾
…ヒメサユリ



…赤松林、マツゼミの声

…アザミ
…ヤマボウシ
…タニウツギ
…ヤマドリゼンマイ



駒止湿原 (こまどしつげん) 

2011/06/23 撮影

駒止湿原は、
昭和村と南会津町にまたがる標高1100mに位置し、
ブナ林に囲まれた10数個の湿原からなりたっています。
その代表的なものは、大谷地(おおやち)約14ha・白樺谷地(しらかばやち)約5ha・
水無谷地(みずなしやち)約8haなどで、
国の天然記念物に指定されています。
指定保護区域面積は148haあり、
この3つの谷地を結ぶ木道と道路の長さは約2kmです。
低層から高層へと3種類の湿原があり、
湿原特有の貴重な植物の宝庫として
幅広い種類の植物(471種類)を見ることができます。
また貴重なモリアオガエル、クロサンショウウオの生息地域にもなっています。
4月下旬から5月上旬の雪解けとともに
水芭蕉が咲き始め、
ワタスゲ・リュウキンカ・ニッコウキスゲ・タテヤマリンドウ・
ショウジョウバカマ・コオニユリ・エゾリンドウなど、
次々と咲きます。
また、現在喪失してしまった56haのブナ林の復元が行われています。
全ルート、片道130分~180分で、
大谷地湿原は1時間弱で一周することができます。

山頂近くの駐車場(南会津町)からすぐに駒止湿原への入り口があり、
少し歩くと大谷地が広がります。

             2011/06/23 撮影
…南会津町駐車場から入り口へ




大谷地 (おおやち)
木道(一方通行)を進むにつれ、
コバイケイソウ・ワタスゲ・ウラジロヨウラクを初めとして
色々な花が咲いていました。
                 2011/06/23 撮影
…大谷地
…ツマトリソウ
…レンゲツツジ

…ウラジロヨウラク
…コバイケイソウ
…ミズバショウ


…ワタスゲ

…ズミ
…ニッコウキスゲ

…コバイケイソウ

…タテヤマリンドウ




白樺谷地 (しらかばやち)
進むと
ヒオウギアヤメ・タテヤマリンドウ・シャクナゲなどを見ることができ、
ホトトギスが鳴いていました。
            2011/06/23 撮影
…白樺谷地




…シャクナゲ
…ヒオウギアヤメの蕾
…ヒオウギアヤメ




迂回道路、南会津町駐車場へ

            2011/06/23 撮影

…笹の花
…ヨモギ
…フキ

…ブナ植樹地
…タニウツギ




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ヤブレガサ ( 破れ傘 )

2011-06-27 |  6月 の花たち

                                  ↑ 2011/06/26 撮影

2011/06/30 撮影

[ キク科ヤブレガサ属の多年草 ]

本州~九州にかけて、
山地の木陰などに自生します。
草丈は、50~120cm。
若葉の見頃は3~5月、
根出葉は長い柄があって茎を抱き、
大形円形で掌状に深く7~9裂し、
各裂片に荒い鋸歯(きょし)があります。
花期は、7~8月。
花は白色の筒状花のみの頭花を円錐花序に多数つけます。
名は、若葉がつぼめた傘を開くように出てきて、
成長するにつれ破れた傘を広げたような姿に見えることから
付いたそうです。

毎年春に出てくる若葉の姿には、
何とも言えない独特の風情があります。


2020/04/04 撮影

2020/06/12 撮影

 〃

2020/06/18 撮影

2020/06/26 撮影

2020/07/11 撮影


<  2011 年  >
2011/04/02 撮影
〃…若葉

2011/04/04 撮影


2011/04/24 撮影

〃…花芽

2011/04/30 撮影


2011/05/06 撮影

2011/05/08 撮影

2011/05/12 撮影

2011/05/14 撮影

2011/05/16 撮影

2011/06/01 撮影

2011/06/04 撮影

2011/06/15 撮影

2011/06/19 撮影

2011/06/26 撮影

2011/06/30 撮影

2011/07/01 撮影

2011/07/04 撮影


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カワラナデシコ ( 河原撫子 )

2011-06-20 |  6月 の花たち

                                           ↑ 2010/06/06 撮影

2011/06/15 撮影

2014/05/25 撮影
2014/05/25 撮影

[ ナデシコ科ナデシコ属の多年草 ] 

日本では、
本州~九州にかけて、
日当たりのよい山野や河原などに自生します。
草丈は、30~80cm。
茎は直立して上部で枝分かれします。
葉は緑白色の線状披針形で対生です。
花期は、6~9月。
花は淡紅紫色の5花弁でまれに白色もあり、
花弁の縁は細かく深く切れ込んでいます。
苞は三対、がくの長さは3~4cm。
古くから鑑賞用に栽培され、
秋の七草の一つとして親しまれています。
清少納言は枕草子「第七十段 草の名は」の出だしに
「草の花はなでしこ、唐のはさらなり、やまともめでたし。」
(草の花はなでしこがいい、からなでしこは言うまでもない、
日本のなでしこも、すばらしい。)と記しています。
名は、花が可愛いので撫でてかわいがるから転じた
と言われています。
別名  : ナデシコ(撫子)、ヤマトナデシコ(大和撫子)

 

< 2011 年 >
2011/03/23 撮影
2011/05/16 撮影
2011/05/28 撮影
2011/06/10 撮影
2011/06/15 撮影

2011/07/21 撮影・・・また咲きだす
2011/07/23 撮影
2011/07/25 撮影


< 2006 年 >
2006/07/23 撮影

< 2010 年 >
2010/06/06 撮影
2010/10/14 撮影・・・きれいな色なので...

< 2014 年 >
2014/05/25 撮影


2014/05/26 撮影



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枇杷 ( びわ ) <季> 仲夏

2011-06-20 |  夏の草木・その他 の 俳句

◉ 枇杷の実 (びわのみ)・枇杷の種 (びわのたね)・枇杷たわわ (びわたわわ)・青枇杷 (あおびわ)

枇杷黄なり空はあやめの花曇り ・・・・・ 素堂 [知足斎日々記] 
マリア観音面輪愁ひて枇杷青し ・・・・・ 水原秋櫻子 [残鐘]

やはらかな紙につつまれ枇杷のあり ・・・・・  篠原梵 [皿]

梅雨時に、
産毛で覆われた果実が黄橙色に熟すと、
庭に燈が点ったように明るくなります。
皮は薄く、果肉は多汁で甘く、
3個から5個の大粒の種子は
黒褐色で光沢があります。
果樹として植えられ、冬に芳香のある花が咲き、
翌年の夏に実が熟します。
* 枇杷の花 (初冬)

  [ バラ科ビワ属の常緑高木、中国・日本原産 ]

父の忌や日照雨に濡るる枇杷青し ・・・・・ みなみ

ビワ (枇杷)
日本南部に自生(野生種)していたものは
果実が小さく食用価値が低いので、
現在果樹として栽培されているものは、
天保のころ長崎に渡来した唐枇杷の実生種「茂木枇杷」に始まり、
はとんど偶然に実生から得られた栽培品種、
と言われます。
明治12年に、茂木枇杷の実生から「田中枇杷」が発見され、
大果で優良な品種が、長崎県・千葉県(房総)・鹿児島県などの
温暖な地方で栽培されるようになりました。
樹高は、5~10m。
幹は灰褐色で、若枝は淡褐色の綿毛を密生します。
葉は、短い葉柄を持ち、大型の長楕円形または倒披針形状長楕円形で長さ15~20㎝、
鈍頭、基部は狭いくさび形、質は厚く硬く、縁に低い波状の鋸歯があって、互生します。
表面は光沢があり、初め有毛、あとに無毛となります。
裏面は淡褐色の綿毛が密生します。
花期は、11~翌年3月。
枝先に、円錐花序を付け、白色または帯黄白色の5弁の小花を多数咲かせ、
よい香りを放ちます。
雄しべは約20本、雌しべは子房下位で2~5心室に分かれます。
萼は5裂し、淡褐色の綿毛につつまれています。

果期は、 5~6月。
果実は、黄橙色の円倒卵形で、表面に短い綿毛があります。
葉はアミグダリンやクエン酸などを多く含み、
乾燥した葉をビワ茶とする他、
生薬の枇杷葉(びわよう)として
咳止め・暑気あたり・胃腸病などに用います。
果実も咳・嘔吐・喉の渇きなどに
効果があると言われています。
果肉は生食されるほか、
缶詰やゼリーなどの菓子・ジャム・果実酒などにも
加工されます。
材は堅く、木刀・杖・装飾用などに利用されます。
名は、果実(または葉)の形が楽器のビワに似ていることから
付いたそうです。漢名枇杷の音読みです。
* 枇杷の花 (冬)
  
  


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泰山木の花 ( たいさんぼくのはな ) <季> 初夏

2011-06-19 |  夏の草木・その他 の 俳句

◉ 大山木の花 (たいざんぼくのはな)・大盞木の花 (たいさんぼくのはな)

壺に咲いて奉書の白さ泰山木 ・・・・・ 渡辺水巴 [水巴句集]
なが雨や泰山木は花堕ちず ・・・・・ 杉田久女 [杉田久女句集]
ロダンの首泰山木は花得たり ・・・・・ 角川源義 [ロダンの首]

初夏に、盃状の白い大きな清楚な花を、
濃緑色の光沢のある大きな葉の上に上向きに開き、
高貴な芳香をただよわせます。
高木で高い位置に咲く花は、
葉にさえぎられて、下からは気付きにくいの
ですが、
東洋的な趣のある花です。

  [ モクレン科モクレン属の常緑高木、北アメリカ南東部原産 ]

あをあをと泰山木の香の降りぬ  ・・・・・ みなみ

タイザンボク (泰山木)
日本には明治初年に渡来し、
公園や庭などに観賞用として植えられています。
樹高は、10~20m。
葉は大きく長楕円形で革質、
表面は光沢があり
裏面には褐色の毛が密生しています。
花期は、5~6月。
芳香のある白色の大輪花を枝先に付けます。
花は、直径15~20cmで花被片は普通9枚、
そのうち内側の3枚位はやや小さめです。
果期は、9~10月。
楕円形の集合果は熟すと裂けて赤い種子を出します。
変種に
葉のやや狭いホソバタイサンボク、
落葉性で全体に小型のヒメタイサンボク
ほか多くの園芸品種があります。
別名;ハクレンボク(白蓮木)


2011/06/15 撮影・新宿御苑





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ユキノシタ ( 雪の下 )

2011-06-10 |  5月 の花たち

                                       ↑  2010/05/19 撮影

2011/06/20 撮影

[ ユキノシタ科ユキノシタ属の常緑多年草 ]

日本では、
もともと本州~九州の渓流沿いの岩場など
湿地に自生していたものですが、
いまは古い家の石垣や庭などによく見かけます。
草丈は、20~50cm。
葉は円く腎臓形で毛が密生しています。
花期は、5~6月。
伸びた花茎の上に小花を穂状に付けます。
花弁は5枚で、
上の3枚は扇状に並び
短く先がとがっていて、
淡紅色(または白色)の地に
紅黄の斑があります。
下の2枚は長く白色で、
垂れ下がっています。
人家の周辺でふつうに見られるのは、
やけど・虫さされ・中耳炎などに効く
民間薬として栽培されたからと言われます。
葉を天ぷらや塩漬けなどにします。
漢字で鴨足草 ( ゆきのした )・虎耳草( ゆき のした )
と表わすことがありますが、
花の姿によるものとも言われます。
名は、冬に雪の下で枯れずに緑色を保っているから
付いたとのことです。

庭のあちこちに以前から植わっていました。
午前中に日の差すところのものは
花をよく付けますが、
日陰のほうのものは
あまり花を付けない様です。



2011/03/05 撮影…今年の葉
2011/05/06 撮影
2011/06/10 撮影


< 2010 年 >
2010/05/19 撮影


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杜鵑花 ( さつき ) <季> 仲夏

2011-06-08 |  夏の草木・その他 の 俳句

◉ 皐月躑躅 (さつきつつじ)

庭石を抱てさつきの盛りかな ・・・・・ 嘯山 [葎亭句集]
満開のさつき水面に照るごとし ・・・・・ 杉田久女 [杉田久女句集]
さつき咲くしゅんしゅんしゅんと湯が沸いて ・・・・・ 大井雅人

江戸時代から栽培されてきた日本原産の花木で、
1000種以上の園芸品種があるそうです。
庭木としては、樹姿に優れ単植・群植によく、
丈夫で刈り込みに強く扱いやすいので、
公園などにも広く利用されています。
また花色や形が変化に富み、
盆栽に仕立てられた見事な皐月には
大勢の愛好家がいます。
杜鵑 (ほととぎす) の鳴く頃に咲くので
杜鵑花(さつき)と書くそうです。

  [ ツツジ科ツツジ属の常緑低木 ]

上野不忍池畔「さつきフェスティバル」では
銘花・銘木などが多数展示され、
とても賑わっていました。

父の忌や色とりどりのさつき咲き ・・・・・・ みなみ

サツキツツジ ( 皐月躑躅 )

サツキツツジは日本固有の花木です。
本州福島県以西~九州にかけて、
山地の渓流に沿った岩上などに自生します。
樹高は、15~100cm。
葉は、枝の先に集まって付き、
線状披針型で両端が尖り、質は厚く固く、小さくて全縁、
褐色の伏毛があり、互生します。
花期は、5~6月。
枝先に紅紫色の花を付け、
花の下部には早落性の広い鱗片があります。
花冠は大きく、広い漏斗形で5裂し、
上面に濃い紅紫色の斑点があります。
雄しべは5本、雌しべ1本、葯は暗紫色です。
果実は、さく果で毛があります。
江戸時代から栽培されて品種が多く、
園芸品種には、花色が深紅~白・咲き分け・絞りなどがあり、
八重咲き種もあります。
刈り込みに強いので盆栽や生け垣に使われます。
庭木や生け垣・道路の植え込みなどには、
通常、原種に近い「高砂」「大盃」等の品種が多く用いられます。
名は、旧暦の5月(皐月)の頃、
一斉に咲き揃うところから付いたそうです。

近縁種のマルバサツキ(丸葉皐月)は、
九州南部の島々の岩地に自生します。
樹高は、50~100cm。
葉は広楕円形または倒卵形でサツキより幅広く丸みがあり、
両面に伏毛があります。
花期は、5~6月。
枝先に、径4~5cm、広い漏斗形で5裂、
普通紅紫色の花を1~2個付けます。
雄しべは6~10本でサツキより多く、
葯はサツキより薄い色をしています。
また白色・淡紅色・咲き分けなどの
多くの園芸品種があります。



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