ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

1月11日まで「洛北阪急スクウエア」で開催される「京の職人マルシェ」。楽しい伝統工芸の体験も

2021-01-09 | 体験

1月8日、ミモロは、下鴨のおうちに近いショッピングモール「洛北阪急スクウエア」に出かけました。
 
ここは、よくミモロが日常品のお買い物に来る馴染みの場所。以前は、「カナート」と呼ばれていました。リニューアルして売り場面積も拡大、北大路通と川端通の交差点の東側に位置します。その地下1階のイベントスペースで、「京の職人マルシェ」という職人さんたちが実演や体験プログラムで、訪れる人にものづくりの魅力を伝えるイベントが11日まで行われています。

「こんにちは~あ、やってる~」とそこに出店している「京もの認定工芸士会 響」の方に会いに来たのです。
西陣織、京仏具、京焼、漆器、金彩などさまざまな伝統工芸の分野で活躍する職人さんたちのグループで、すでにミモロとは、とても親しい間柄。

この日は、お二人の職人さんがいらっしゃいました。
1級畳技能士で、西陣で「太田畳店」を営む太田成樹さんと竹工芸1級技能士の「竹工房 喜節」の細川秀章さんです。
 

「はい、ミモロちゃんこんにちは~」と太田さん。

和室の多い京都では、畳屋さんの数は、東京とは比べ物にならないほど多いのです。一般住宅だけでなく、神社仏閣、また旅館や料亭など、和室の多さ、また2畳の茶室から30畳を超える大広間など、その種類も多種多様。それぞれに合った畳を用意するのが、職人さんの技。

今回は、11日まで「京の職人マルシェ」に出店し、体験プログラムとしては、ミニ畳づくりが行えます(参加費1650円)


ブースに用意されたのは、小さな畳表。そこに大人気の「鬼滅の刃」をイメージした模様の縁を付ける体験です。


ミニ畳は、干支の人形やお雛様などを置くのにぴったり。ミモロが昼寝するのにも、ちょうどいいサイズです。


一時、マンションなどは和室が消え、畳みの需要も落ち込んだ時期もありますが、最近は、洋間の一角に畳スペースなどを設置するケースが増えているそう。
「畳替えは、新年を迎えるために年末に行い、その時期は、畳屋さんが忙しいというイメージが定着して…今年も11月は、すごく忙しく、かえって12月は暇だったんですよ」と意外なお話。「つまり12月に畳替えお願いしてもいいってことね~」とミモロ。「はい…」

畳表の種類も最近は紙など種類も増えていますが、太田さんは、藺草(いぐさ)の産地である熊本八代に赴き、現地で刈り取りを手伝ったり、畳表づくりなども体験し、良質な畳づくりに励んでいらっしゃいます。

ミモロも畳の感触が大好き。しばらく畳の話で盛り上がった楽しい時間を過ごしました。
太田さんは、11日まで出店しているので、畳みに関するご相談もお気軽に…。

さて、お隣のブースは、「竹工房 喜節」。「ミモロちゃん、久しぶり~」と細川さん。

ブースで、熱心に手を動かしています。
「なにしてるんですか?」とミモロ。「竹を編む材料を作ってるんですよ」
手元には、太い竹と削るための刃物が…

そして籠を編むための薄く細い竹材が見えます。

竹を編む作業の中で、一番時間がかかるのは、編む材料を用意すること。使うのは、京都で育った真竹で「京銘竹」と呼ばれる良質のもの。

「もともと竹を編むことは、すでに弥生時代にはあったと言われます。農業と共に生活用具として竹は欠かせない素材で、人々の暮らしにあったのです。編む技法も、昔から伝わるものが多く、その技法でそれぞれの時代にあった品が生み出されてきたのだと思われます」と細川さん。

「ということは、竹工芸って、農家で始まったの?」とミモロ。「そう、昔は専門の職人さんではなく、農家の農閑期に作ってたんです。稲刈りが終わる秋は、竹の刈り取りに適した季節で、竹の内部に養分が少なくなり、切っても虫などが入らないんです。田んぼが使えない冬に、刈り取った竹を削って、生活に必要な道具を作っていたんですよ」と。「へ~そうなんだ~」と目を輝かすミモロ。

「竹って、茶道には欠かせないお道具の素材でしょ…。ホント、いろんな場面に出てくるよね~」とミモロ。
「はい、そうですね~。茶道に竹の花入れなどが普及したのは、千利休が桂川で鮎を捕っていた漁師の魚籠に目をつけて、それをもらい受け、花入れにしたことからと言われます。その花入れは、今も保存されているんですよ」と。「え~そうなの~」とさらに目を多く見開くミモロです。

インターネットに調べると、それは、神戸市にある東洋古美術コレクションで知られる「香雪美術館」に所蔵される「利休 籠花入 銘桂川」(桃山時代)です。
素朴な姿ながら、味わい深いもので、利休が目を付けた趣深い竹製の魚籠。
「漁師さんも、まさか茶室に飾られるとは思ってなかったよね~。しかも美術館に保存され、後世まで残るなんて~」と思うミモロ。

さらに、美術館の解説によると、この魚籠は、江戸の吉良屋敷での茶事に関わり、その姿が人の頭に似ているためか、なんと赤穂浪士の討ち入り後、泉岳寺に向かう時、討ち取った吉良上野介の首の代りに、ヤリの先に風呂敷に包まれてさし上げられたという逸話もあるそうです。
「え~そうだったの~。確かに、本物の首だったら、ヤリの先にあげるの重いよね~なんだ~あれ、竹籠だったんだ~」と。忠臣蔵の最後の場面を見る目が変わりそうな話です。
ちなみに本物の首は、別ルートで、運ばれたのだとか。
「なるほど、討ち入りの日の昼間は、吉良屋敷で茶事が行われていたはず…そこにこの魚籠があって、討ち入りの時、これちょうどいいや~って、もち出したのかな?よく、戻って来たよね~魚籠…」と、ミモロの想像は膨らむばかり。

いろいろな人の手を経ても、大切にされた竹の魚籠です。まぁ、ともあれ、利休が漁師さんに魚籠を譲り受けたことから、茶室には、竹の籠が花入れとして使われるようになったというお話でした。

さて、話をもとに戻しましょう。
「ここでは、小さな竹の籠を編む体験ができますよ」と。

「あの~ミモロでもできる?」と興味津々。「はい、私は、今日だけの出店ですから、ぜひ…」と言われ、ミモロはやる気に…。
さっそく参加費1650円を納めて、ブースの前のテーブルに座ります。

「では、さっそく始めましょう」と細川さん。ミモロは、じっと細川さんの手元を見つめます。


明日は、竹籠編みをお伝えします。お楽しみに…。
なお、「京の職人マルシェ」は、17:30までの開催です。


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