ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

金継ぎ 漆工芸の「漆芸舎 平安堂」。傷ついた器に新たな景色と命を。

2016-09-22 | ものづくり

大徳寺にお散歩に来たミモロ。その東側の門、駐車場の向かい側に町家が連なっています。その1軒に足を止めたミモロ。「ここなんのお店だろ?」と興味を惹かれます。
 金継ぎ、漆器修復と書かれた看板。
お店の中に入ってみることに…「ごめんくださ~い」

店内には、数珠、お線香などが並んでいます。「お数珠のお店かな?」とウロウロ店内をめぐります。
「いらっしゃいませ~」と声をかけてくださったのは、このお店の清川さん。

「あの~ここ、なんのお店ですか?」と、ミモロ。

「ここは金継ぎや漆器などの修復をしているんですよ。金継ぎ、わかりますか?」と。
「はい、割れた器などを金でくっつけて、また使えるようにする技術でしょ」とミモロ。
「そう、よく知ってますね」と清川さん。「はい、少しだけ~ミモロのお家にも、割れたり、欠けたりした器あるの。でも大好きな器だったから、使えなくなっても、なかなか捨てられなくて…」
ミモロは、長い間、押入れの奥にしまいっぱなしにしている器を思い出しました。

「そういう器って、結構ありますよね~。長年愛用したり、家に昔から伝わるものだったり、また大切な方にいただいたものだったり…。でも使えなくなっちゃったもの…。そういう陶器や磁器、漆器なども、使えるように修復できるんですよ」「え~バラバラになった器でも、元通りになるの?」
「元通りではなく、新たな景色や趣をもったものになるのが、金継ぎという技術なんです」と。

 「例えばこんな感じ…」と、金継ぎという技で割れた器が修復されたものを見せてくださいました。

清川廣樹さんは、漆芸の専門家。40年にわたり、漆芸に関わって、文化財の修復をはじめ、さまざま寺院の仏像、仏壇などの修復を手掛けていらっしゃる方。

「金継ぎは、日本の伝統的な修復の技で、こわれた部分を漆で接着させ、金や銀などの粉を施して、新たな景色を与えるものです」と。

「修復というものは、それを作り上げた先人の知恵や技術を学ぶチャンスなんです」
清川さんのもとには、全国からさまざまな修復や金継ぎの依頼が…。
「届いたものを見て、これをどうやって修復していこうか、それを考えるのも本当に楽しい…」とおっしゃいます。

「へぇ~金継ぎって、壊れた陶器なんかを、漆で接着させるんだ~。ボンドじゃだめなの?」とミモロ。
金継ぎの接着剤は、天然の漆を用います。

「陶器や磁器は、土、水、火、風、木という自然の恵みが合わさってできたもの。だから修復にも自然素材の接着剤でないと、馴染まないし、長い間もたないんです。ボンドなど化学物質の接着剤を使うと、接着した部分が変化し、いずれはまた割れてしまったりするんですよ」
「え~そうなんだ~」とミモロはビックリ。
一度ボンドなどで接着したものに、伝統的な金継ぎを施そうとする場合、接着面を削らないとダメなのだとか。

「金継ぎは、元通りにすることではないんです。そこには、新たな景色が生まれるんです」
「へぇ~あらたな味わいが生まれるんですね~。かえって前より素敵かも…」とミモロ。

その器の趣にあった金継ぎをなさるのが、清川さんの特徴です。

ここでの修復は、漆器も…。お椀や重箱などの依頼も…。
「これもすごくキレイになるんだ~」

「ミモロちゃん、ほかにもいろいろな修復してきたんですよ~」と、清川さんが手掛けたもののファイルを見せていただきました。
「わ~いろいろある~」

「ここでは、金継ぎと漆器の修復や製作などをする教室もやっていますから、ミモロちゃんもやってみたら…。お家にある割れた陶器などを、自分の手で金継ぎできますよ」と。


「金継ぎには、ものを大切にする心があるんです。それは次世代に心と技を伝えてゆくことでのあるんです」と清川さん。

全国から依頼される金継ぎ。まずは、依頼主から送られた品を見て、どのようにするかを決め、それにかかる時間や費用を見積もり、了承されれば、作業にかかります。

もし、また使いたいと思う品があったら、ぜひご相談してみては…。

さらに、仏壇などの製作も手掛けていらっしゃいます。

漆芸舎 平安堂」京都市北区紫野門前町14 大徳寺東門前 075-334-5012 月・火・木・日 10:00~18:00


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