5月は、毎週末、京都市内各所の神社の夏祭りが行われます。「もう行ききれない…」とミモロ。神社の数が多いだけに、お祭りの数も相当なもの。神輿の担ぎ手や剣鉾の差し手の方々は、引っ張りだこ。しかも、同じ日に重なることも多く、とてもまわりきれません。
先週、ミモロは、御所の北側にある「御霊神社」に出かけました。
ここは、昨年、夜、訪れた神社です。神輿が出るのは、月曜日。でも、日曜日にも、境内には、多くの屋台が軒を連ね、子供たちは大喜び。
「いろんな屋台が出てる~」ミモロも、本殿に向かう途中、あちこちの屋台をチラリと横目で見ています。
「あとで、遊ぶんだ~」と狙いをつけているようです。
本殿の前には、立派な神輿が3基、明日の巡行のために並んでいます。
「御霊神社」のご祭神は、早良親王(さわらしんのう)をはじめ13柱祀られています。その起源は、桓武天皇が平安遷都の折りに、早良親王らの怨霊を鎮める為に創祀したと伝えられます。
ご祭神の早良親王は、桓武天皇の母も同じ弟です。父である光仁天皇により、兄が天皇に即位した時に、次の天皇となる皇太子になります。ところが、桓武天皇は、息子を次の天皇にしたいと望むようになり、親王は、延暦4年(785)に起きた藤原種継暗殺事件に加担した罪を着せられ、淡路島へ流罪に…。無実を訴える早良親王は、抗議のため断食をし、ついに餓死してしまいます。
長岡京を造営していた桓武天皇ですが、あいつで不幸が起こり、長岡京を諦め、平安遷都を行うことに。しかし、それでも、疫病の流行、洪水などが災いが止まず、「これは早良親王の祟りである」と人々は震えあがります。
それを鎮めるために、延暦13年(794)に桓武天皇は、平安京の守り神として、早良親王をお祀りしたのが、この神社。そして、延暦19年(800)に、さらに早良親王に、崇道天皇(すどうてんのう)と天皇の称号を与えます。ただし、すでに他界している方であるため、皇位継承した天皇には、入っていません。
平安遷都も794年。その年に早々にこの神社を創建したということは、よほど延暦3年(784)の長岡京遷都でいろんな不幸が起きたことが想像されます。
ちなみに、桓武天皇は、弟を廃し、息子を次の平城天皇に…。その在位は、病弱のためわずか3年。その後は、上皇となった平城天皇は、かつての都、平城京に移り住みます。「平城京が大好きだったから、このお名前になったの?」とミモロ。そうとも言われています…。
平城天皇の在位の時の皇太子は、弟にあたる、後の嵯峨天皇。次に、嵯峨天皇の皇太子には、平城天皇の息子、つまり嵯峨天皇には甥に当たる高岳親王が立てられますが、親王は、父、平城天皇が復位を画策した「薬子の変」で皇太子を廃され、その後出家し、弘法大師の弟子に。そして、唐に渡り、修行の旅を…。その後、唐で消息を絶ち、マレー半島の南端で亡くなったと伝えられているそう。
なんともドラマチックな人生を歩まれた親王です。
嵯峨天皇は、本当は、すぐに自分の息子を皇太子にしたいところだったかもしれませんが、ちょっと遠慮して、弟の淳和天皇に譲ります。ここで、また自分の息子を皇太子にしては、その命が危ないと思ったか、兄の嵯峨天皇の息子を皇太子に。それが後の54代となる仁明天皇です。
「この時代の皇太子って、のんびりしてられないね~。いつ、廃され、どうなるか、安心できないもの…」本当に、平安時代の即位は、なかなか複雑な人間関係が、支配していたようです。
年表などを見ていたら、あまりの複雑さに思わず、引き込まれてしまいました。
京都が平安京として落ち着くまでには、かなり時間がかかったのです。
50代桓武天皇が平安遷都してから、82代後鳥羽天皇の鎌倉時代を迎えるまでの400年に、つまり33人の天皇が在位されたことに、それが多いか少ないかはよくわかりませんが、ともかく複雑なのは間違いないようです。
御霊神社のお祭りに来てるミモロ…。
「どうぞ、お祭りをしますから、心穏やかにお過ごしください…」と、ミモロは、本殿に参拝を…
「さぁ、屋台見に行こう~」
ミモロが、気になって居たのは、「大衆遊技場」と書かれた幕がかかる射的場です。
1回500円で5発の玉をもらえ、棚に並ぶ、お菓子や人形などを当てて、棚から落としたらもらえます。
どうみても、500円は高い…だってお菓子は100円くらいのものばかりですから…。
「1度やってみたい~」というミモロ。1回だけよ…
500円渡して、コルクの玉を5つもらいます。
鉄砲のばねの部分を引いて、先端に玉を込めます。
「う~バネが強くて引けない…」「しっかり下まで引いてください…」と屋台のおばさんに言われ、全体重を込めて…。
「鉄砲も重いよ~」
ミモロ、なに狙うの?棚の上の品々を見回して、「キティーちゃんの貯金箱にする…」と、なかなか大物狙いですが、それだけに落とすのは困難を極めます。
「キティーちゃんは、リボンを狙うと落ちやすいですよ~。倒れただけじゃダメ~棚から落とさないと…」とおばさん。
いよいよ鉄砲で狙いを定めて…発射ー!
ポンと玉は、キティーちゃんの上をそれて…。「失敗…次は落とすよ~」と意気込みだけは十分ですが、5つの玉は、全部あらぬ方向へ。
「はい、ハズレね~。なにあげようかなぁ~」とおばさんは、袋の中をごそごそと…。
「はい、これあげる~」とミモロに渡されたのは、小さな鈴が1個。
「ネコに鈴…おばさん、ミモロがネコだってわかってたのかなぁ~。いつもクマに間違えられるのに…」とミモロ。
チリンチリン…小さな鈴をもらったミモロ。
家に帰るまで、ずっとチリンチリンと歩くたびに鳴る鈴です。
「お好み焼きにすればよかった…」とミモロは、ポツリ…。同じ500円なら、そっちの方がお腹がいっぱいになったはず…。
いつもは、静寂に包まれた境内…祭りのときのにぎわいに、早良親王も、きっと楽しまれていらっしゃることでしょう。
*「御霊神社」の詳しい情報は、ホームページで
さて、本日24日は、寺町の「下御霊神社」のお祭りです。そちらにもぜひ…
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