修学旅行で訪れた人も多いと思われる「薬師寺」は、近鉄西の京駅のすぐ近くにあります。「唐招提寺」からも歩いて10分ほど。電車に乗る前に、ミモロも訪れることに…。
16時近くに到着したミモロ。「まだ入れる~」とお友達と中へ。
修学旅行生の団体が何組が見学しています。修学旅行生たちは、まずはお寺の歴史や心に刻んでおきたい言葉などのお話しを僧侶から伺っていました。
ミモロもちょっと後ろで、説法を伺うことに…。テーマは、どうも「諦める」ということ。
途中からちょこっと聞いただけなので詳細まではわかりませんが、「諦める」とは、単純にギブアップではなく、まず物事を明らかにすること。そして自分の進むべき道を明確にし、覚悟を決めることというようなお話しです。
「こういうお話しって、歳を重ねた人の方が、心に沁みるんだよね~」とミモロ。確かに、中学か、高校の頃、薬師寺を訪れて、同じように説法を聞いた気がしますが、その内容は、全く覚えていません。
東京の中学・高校の修学旅行先は、断然京都・奈良が多く、私も、確か奈良では「薬師寺」「唐招提寺」「法隆寺」「興福寺」「東大寺」に行ったはず…。そして京都では、「清水寺」「竜安寺」「高山寺」と「比叡山 延暦寺」に行ったような気がするのですが、明確に覚えていません。再び、今になって訪れて、「なんか来たことがあるような気がする~」と。
今、「大人の修学旅行」として、再び、かつて訪れたことがあると思われる寺社仏閣へ行く旅が、流行っています。さまざまな人生経験を経た後、訪れる寺社仏閣は、若い頃は、見えなかったり、感じられなかったことが、心に迫ってくるもの。
ぜひ、大人になって、かつて訪れた場所をもう一度…
さて、全く記憶に残っていない「薬師寺」を、改めて見学してみることに…。
そもそも「薬師寺」は、もともと飛鳥の地に、680年、天武天皇の建立発願に始まり、698年、持統天皇により、本尊阿弥陀仏の開眼が行われ、文武天皇に至り、完成へ。その後、平城遷都で、現在の地に移転します。
壮大な伽藍を誇る薬師寺ですが、何度も焼失したり、地震で倒壊したりと、大変な目に会ってきました。その都度、再建されたものの、享禄元年(1528)に大和に勢力をもつ武将の戦いに巻き込まれ、東塔をのぞく、諸堂が兵火で焼失してしまいます。その後、なかなか再建は果たせず、さらに昭和19年(1944)12月8日、地震により仮金堂、仮講堂、東大門などが倒壊、東塔は、傾斜と、お寺のホームページの年表に…。
「え~そんな大きな地震が奈良にあったの?」とミモロ。市販の年表には記載はありませんが、マグネチュード8クラスの大地震が、紀伊半島、南、熊野灘沖やく20キロを震源に起こり「東南海地震」と呼ばれます。昭和20年の終戦までに、4年連続で起きた4大地震のひとつだそう。それら地震での死者は、1000名を超えたそう。ちなみに4大地震は、鳥取地震、三河地震、昭和南海地震と、この東南地震です。「え~近畿や名古屋付近ばかりじゃないの~」と驚くミモロ。
話戻って、今日見られる伽藍の復興が進んだのは、昭和42年に高田好胤管主によって、白鳳伽藍の復興が発願されてから…。金堂、西塔、中門、回廊、そして平成15年に大講堂が復興し、現在の姿に…。
「建物は、ほとんどが新しいんだ~」
朱塗りの色も美しい建物は、建造された歴史は浅いものの、白鳳時代もこのように鮮やかな姿だったのでは…。
「高い建物が珍しい時代…こんなりっぱな建物に、当時の人たち、きっと感激したよね~」とミモロ。
再建することで、遷宮のように技術が継承されていくのです。
建物は、歴史が浅いものですが、金堂の薬師三尊像およびその台座は焼失を免れ、白鳳時代の姿を今に伝える国宝です。
特に台座は、ギリシャの葡萄唐草文様などが施され、シルクロードを渡り、西の文化が日本にまで至っていたことを物語るもの。
また、鎌倉時代に再建された東院堂に祀られている聖観世音菩薩像も、白鳳時代の作と言われる国宝。優美なお姿には、気品が漂い、見る人を魅了します。
「わ~勇ましいお顔してる~」とミモロがマネているのは、享禄元年に焼失し、以来400年以上再建されなかった中門に、平成3年に復興された二天王像。
広々した境内は、京都の回遊式庭園などが美しいお寺とは、異なる、壮麗な趣を湛えます。
伽藍の北側には、「玄奘三蔵院伽藍」が広がります。
ここは、仏師、大川逞一作の玄奘三蔵の像が祀らているお堂。
「三蔵法師さまって、孫悟空に登場するお坊様?」はい、そのモデルと言われますが、三蔵法師というのは、名前ではなく、仏教の経蔵、律蔵、論蔵の三蔵に精通した僧侶のこと。「西遊記」の三蔵法師も、そういうお坊さんのひとりということなのだそう。
「なんか奈良のお寺もゆっくり訪れるといいねぇ~」と、ミモロ。
京都から、近鉄やJRで1時間あれば行ける奈良。
「また、来ようね~」と、すっかり奈良のお寺が気に入ったミモロです。
*「薬師寺」の詳しい情報はホームページで
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