ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

大原、三千院の御懺法講(おせんぼうこう)。心の穢れを祓い浄める、声明と雅楽の調べ

2014-05-30 | 祭事・神事・風習

5月30日、30度を超す夏日…「きっと大原なら、少し涼しいかも…」と、ミモロが向かったのは大原にある「三千院」です。
この日、「三千院」には、修学旅行生の姿は、全くなく、境内は、いつもとは違う雰囲気に…。次々と訪れるのは、お坊さん。
門に掲げられた看板には、「御懺法講」と書かれています。

「なんだろう?」とミモロ。

「御懺法講」とは、『自ら作った諸悪の行いを懺悔して、お互いの心の中にある「むさぼり・怒り・愚痴・慢心」等のさわりを取り除き「和敬静寂」の心を持って、自分の心をさらに浄め清らかにすることができるという、天台宗にとって最も大切な法要儀式です』と、入り口でいただいた説明書に。

なんでも、この法要儀式は、後白河天皇が、宮中においてはじめられたといわれる、なんと850年の歴史をもつ法要です。途中途絶えたこともあったそうですが、現在は、三千院が復活させ、毎年、行われるようになったそう。もともとは、宮中で行われていた法要で、声明懺法と呼ばれるもの…。声明は、仏教音楽と言われ、大原は、その発祥の地でもあります。


ミモロは、一般参拝者の入り口から境内へ。法要は、宸殿で行われます。境内に入ると、そこは緑の世界。
杉と苔の緑が、上と下からミモロを包み込みます。

宸殿の前に進むと…すでに法要は始まっているよう…。声明があたりに響いています。ミモロは、厳かな気分に浸りながら、その声明が聞こえるそばへ…。この御懺法講は、一般的な声明とちょっと異なり、雅楽とのコラボで行われます。「さすが宮中で始めただけある…なんか、すごく雅な感じ…」とミモロ。

僧侶たちの独特な節回しで、歌うように唱えられる声明。それを伴奏するように、笙(しょう)や笛などが奏でられ趣もいっそう。「平安時代にもどったみたい…後白河天皇もお聞きになったんだよね~」と感慨もひとしお。

招待者のための法要ですが、一般参拝者も、境内から法要の様子を拝見できます。


この法要は、なんと3時間も続くそう…。しばらく宸殿の近くで、祈りながら、じっとしていたミモロですが、「そろそろ心も清らかなになった感じ…」と、そこから離れて、境内の中を歩くことに…。
三千院は、比叡山のふもとに位置し、天に聳える杉木立が、寺を包んでいます。その木々は、強い夏の陽射しを遮り、木の下にいるミモロの上には、やさしい木漏れ日が…。
 「浄められる感じ…」
宸殿で続く声明は、スピーカーで、境内一帯に小さな音量で流れています。その声明を聞きながら、自然を眺めると、本当に、心や体が浄められてい行くよう…。「なんか別世界だね~」と、しばし、佇むミモロです。


境内の中を進み、山のあじさい苑へ。

まだ小さな蕾の紫陽花。「町の紫陽花が終わったころが、ここの見ごろですよ…」と、境内のお休みどころの方から教えてもらいました。6月中旬ごろが、例年の花の盛りだそう。山全体を、白や紫の紫陽花が彩るのも、もうすぐ…。

御懺法講で、心が浄められたミモロは、「金色不動堂」へ。
 
ここは、気軽に写経ができる場所。「16文字なら、無料で写経できるだ~」と、御堂の前の看板を見て、さっそく写経をすることに。
薄いグレーの文字の上を、心を鎮め、一文字一文字筆ペンでなぞります。ミモロも真剣に写経を…。上手にできたかな?書いたものは、志とともに、納めます。「だって無料って言っても、やはりありがとうって感謝の気持ちを表さないと…」と、300円を三方に…。

写経を終えたミモロは、お休みどころで、大原名物の紫蘇をつかったお茶をいただきながら、ちょっと休憩。
 大原は、しば漬けの発祥の地と言われます。以前、訪れた寂光院のところで、お話ししたことがあります。(ミモロ 寂光院で検索してみて…)

さっぱりとしたお味の紫蘇茶が、いっそうミモロを癒してくれました。

紫陽花山を下り、再び、宸殿のそばへ。
年に1度の「御座懺法講」は、ずっと続いていて、声明がミモロの耳に届きます。

ご本尊、阿弥陀如来さまに、往生極楽院で、お詣りしたミモロ。
木漏れ日が、ミモロの体を緑色に…。

静寂の中に、声明がずっと聞こえる、清浄な時を過ごしたミモロでした。



*「三千院」の詳しい情報は、ホームページからどうぞ…。



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京都、白川に飛び交う蛍。気持ちいい朝のお散歩。野村美術館裏の花菖蒲の開花もまもなく・・・。

2014-05-30 | 京都

つい最近から、三条通のそばを流れる白川に蛍が飛び始めました。
「もう夏なんだね~」と、ミモロ。夕暮れ時の白川は、両岸の柳が、風にそよぎ、それは気持ちよく、お散歩にぴったり。
さて、お日様が沈み、夜の闇があたりを包む頃、三条通の橋の付近には、ポツポツと光が現れます。蛍です。
「このあたりにたくさん飛んでるんだって…」と、近所の人から蛍情報を聞いたミモロは、夜になって、再び同じ場所に行くことに…。
「わー飛んでる…」写真に撮影するのは、無理でしたが、小さな光が次々にミモロの前に現れては、消えて…なんとも風情ある景色です。
「わーあそこにも…」ミモロのそばには、やはり蛍を見に来た人たちが、じっとその光を見守っています。
「あ、捕まえた…」橋に飛んできた蛍を、そばの人が捕まえて、ミモロに見せてくれました。写真の光は、蛍です。
「小さいんだね~」玉虫色の体は、約2センチほど。お尻の部分から光が…。そして、やがて手の中から、再び川の方向に飛んでゆきました。短い命…その光は、今という瞬間を精いっぱいに生きる姿…。

6月中旬まで、白川では、蛍を見ることができます。「おうちのすぐ近くで、蛍が毎年見られるなんて、なんて素敵なんだろ…」清らかな水にしか姿を見せないという蛍が、街中で見られる京都って、やっぱり素敵です。

京都では、白川以外にも、もちろんいろいろな場所で蛍が見られます。哲学の道、糺の森なども有名…。

さて、次の朝、ミモロは、近所のお散歩に…。
神宮道から南禅寺方向に歩いていると、「あ、こんなところに花菖蒲が咲いてる…」
大きなマンションのすぐ脇の小さな流れのそばで、見事な花をつけていたよう…。
「もっと早く来ればよかった…」すでに花は盛りを過ぎています。こんな街中の一角に、花菖蒲が咲くって、東京ではありえない…。
「そうだ~もしかして、野村美術館の裏の花菖蒲、咲いてるかも…」と、ミモロは、南禅寺へと向かいました。

途中、信号待ちした「京都国際交流会館」では、ツツジが満開。きっと蹴上の浄水場もきれいかもしれません。

南禅寺の参道を進み、山門へ。
 
まさに緑したたる景色…ミモロは、大きく深呼吸。「気持ちいいねぇ~」
境内の木々の緑は、以前より色濃くなって、葉も大きく育ち、辺りに緑の空気が漂うよう…。
朝の光は、フレッシュ。穢れを払うような清らかな光です。

「あ、ミモロちゃんおはよう・・・」顔なじみの方が、お散歩していました。「これかわいいでしょ…」「え、なに?」
雀のオブジェが並んでいました。「気が付かなかった…」。このオブジェは、境内の車止の柵の上に…。
「かわいい…」
こういうオブジェって、すごく洒落ています。もっといろんなところにあるといいのにね…。

南禅寺の境内を北に抜けて、ミモロが、いつも春、しだれ桜を見に来る通りへ進みます。この辺りは、お屋敷街。一軒の区画も大きく、りっぱなお屋敷が並んでいます。昔、関西のお金持ちの人たちが、こぞって別荘を建てたところ。庭には、琵琶湖からインクラインを通って水がめぐり、なんとも贅沢…
 

その一角にあるのが、野村美術館。美術館の裏手にあたる西側は、趣ある前庭があります。いつもは、立ち入り禁止なのですが、花菖蒲のころになると、その柵が開き、少し中に入れます。今は、柵が閉じていて、ミモロは、脇から中を…。
「あれ?まだ咲いてない…」
はるか向こうに、1輪の花を見つけました。花の周りは、蕾がいっぱい…。「来週くらいには、花が開くかも…また、来なくちゃ…」
ここの花菖蒲の姿は、周囲の建物との調和から、なかなか趣があります。規模は小さいのですが、ミモロの好きな景色です。


さぁ、岡崎神社方向に歩いて、戻りましょ…。「お腹空いた~」とミモロ。そこで白川通と丸太町通の交差点にあるコーヒーショップで朝ごはんを。「こっち方向にお散歩すると、ここで朝ごはん食べるの楽しみ~」と、焼きたてのクロックムッシュをうれしそうに頂きます。

さぁ、行くわよ~。「は~い」、次の立ち寄りスポットは、岡崎神社です。

「わーツツジがきれい…」今が盛りのツツジです。
ここは、狛犬ならぬ狛ウサギが有名。
  
「久しぶり~」と、ウサギに抱きつきご挨拶。
本殿には、2匹の福招きウサギが鎮座しています。
 「招き猫みたいに、手をあげてるんだ~」この神社のウサギのおみくじもカワイイですよ。

朝の散歩の締めくくりは、平安神宮。境内は、もうすぐ始まる恒例の「薪能」の準備中。
本殿そばの右近の橘には、小さな白い花…そして小ぶりな実がみのりはじめていました。
  


「もう夏だね~」連日、30度を超す暑さ…。いよいよ京都の夏が始まりました。

*ミモロのお散歩コースは、人間なら約1時間。ミモロの場合、途中の寄り道や自然観察などで、それより時間がかかります。


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