ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京仏壇の老舗「小堀」。山科の仏具工房見学へ。全国の寺院の仏壇・仏具の製作や修復も

2014-05-14 | ものづくり

東本願寺の向かい側にある「京仏壇 小堀」。江戸時代の創業の老舗です。お店で、さまざまな仏壇や仏具を見たミモロは、小堀進社長とお客様相談室の松田さんといっしょに、山科にある工房へと向かいました。

「わー広い工房…」工房というより、まるで工場のような規模…。この工房は、希望すれば、だれでも見学することができます。まずは、広い会議室のようなお部屋で、小堀さんから、会社の歴史をはじめ、活動、そして仏壇の作業工程などをお話しいただきました。この工房で作る仏壇は、全国の寺院から依頼されたものなどで、新たに作るものから、修復まで手掛けています。

仏壇は、日本の伝統工芸技術の集約したもの。そのため、完成までには、木地、屋根、木彫刻、漆塗、蝋色、純金箔押、錺金具、蒔絵、彩色、総合組立という、さまざまな工程を経なければなりません。ここでは、それらすべてを一貫して行っているのだそう。

まずは、木地の部屋へ。
 仏具には、檜、松、杉、欅などの木材が使われます。原木を仕入れ、乾燥させ、作るものにふさわしい良質の木材を選びます。

次は木材の加工です。
  
依頼された仏具へと、木材を加工し、組み立ててゆきます。

    
木材に必要な長さのしるしをつけて、狂いが出ないように、測ります。屋根のカーブや細かい部分などに使うカンナも、いろいろな大きさがそろっています。「わーこれ、ミモロサイズのカンナだー」。ミモロが使うのにぴったりなほど、小さなものも。

ミモロは、いろいろなものが、珍しくなりません。「ここにもなんかある…」

木の香りが漂う工房…
「木くず…」「バッハだよ」うーバッハというより、モーツアルトって感じ…。ミモロ、遊んじゃダメ…

「これも仏具につけるの?」りっぱな木彫刻です。お寺におかれた仏具は、遠くから眺めるため、あまり大きさがわかりませんが、なかなかの大きさです。これに、彩色や金箔などが施されます。

「あの~失礼しまーす」ミモロは、次々に作業をなさっている職人さんのところを見学します。

  それぞれの部分を、熟練の職人さんが、丹念な作業を…。

「わーダイナミック…」仏具の屋根など、大きな部分をひっくり返して、細部まで、塗装してゆきます。

「ここは漆の部屋、ほこりが入らないようにしながら、乾燥させます」と説明が…。「これが刷毛…」
 人間の髪の毛でできています。ミモロの毛では短すぎ…。

次に見学したのは、金箔を施すところ…。
 薄い金箔を、サッサっと次々に…。

仏具には、金箔など、輝く装飾がたくさん…。
  
仏様がいらっしゃるところは、まばゆい世界なのです。

「京仏具 小堀」が手掛けるのは、東本願寺、西本願寺をはじめ、全国の真宗派の寺院から依頼された仏具です。
 

「仏壇屋さんっていうから、家庭用の仏壇をイメージしてたのに、全然、規模が違う…すご~い!まるで本物の寺院の建築をみているよう…」とミモロ。寺院建築のスタイルを反映させた仏具ですが、建築との大きな違いは、雨風に曝されないこと。本堂の中に、大切に安置されるものなので、屋根も雨漏りの気づかいはいりません。あしからず…


各宗派の総本山が集まる京都…仏具の業界でも、京都は別格。他府県の寺院でも、京都で作られたもの…といえば、質の高さとともに、そのありがたさもいっそう。

「何十年も、何百年も、人々とともにある仏具ですから、最上の素材と技術でお作りしなくては…」と小堀社長。

京都にある寺院の仏壇・仏具は、その時代の匠たちが、精魂込めて作り上げ、時代を超えて、今も、多くの人のよりどころになっているもの。平成の匠たちの技による仏具も、これから長い時代を経てゆきます。

「ミモロちゃん、金箔押体験しませんか?」と小堀社長。「えー金箔…やりたいでーす」と、目を輝かせるミモロでした。

*「京仏具 小堀」の工房見学などに関する情報は、工房見学のホームページからどうぞ…





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