蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

やっほー、姥捨て山

2009-06-10 | お出かけ
山林関連の所要で、森林組合を経由し、地元の山番2名とともに
兵庫県の真ん中あたり、生野銀山近くの山に出向いた。
軍手、長靴、脚絆、雨ガッパ、キャディーさんか農家の人のような日よけ帽、と
本格的いでたち。
林業や農業従事者にしては、あまりにもへっぴり腰。
取ってつけたような、にわか仕事人姿。
沢はぬかるみ、長靴の下の感覚は、ジュルっ、にゅるっ・・うわっ

途中まで、急斜面、道なき道を、4足歩行になりながら、獣道を這いずり回るようにして登っていった。
ずるっ、ぐちゃっ、ぬかるんで滑るし、枯れ葉の下から木の枝が突き出ていたり、
キケンがいっぱい。
ころあいの木の枝を見つけ、杖代わりにして、
濡れた枯葉の上をグサッグサッと突き刺しながら進んだ。
母は御年81歳にもなるのに、身の軽いこと。
さささーーと、先へ、先へと、上っていく。
彼女は、猿トビ佐助の子孫か??? 
怖がりの私は、一番最後から、のろのろ。
「山は、キライだ」「山なんか、ダイッキライ」「危なすぎ。第一、降りるのが大変やん・・・」
しゃべる相手もいないのに、ブツブツと一人でぼやきながら、登っていく。
おーーいい、待ってぇ~



途中、少し平らなところで、母と義姉が止まっていた。
先発隊は、さっさと歩いて行ってしまい、姿が見えない。
我々は、置いてきぼり??
降りる際のエネルギーも確保しておかないといけないのに、もうバテバテ。

足を滑らせて、沢まで転がり落ちたらどうしよう。
自分のことだけでも精一杯なのに、母が、谷底に落っこちたら
どうやって引き上げればいいの?
姥捨て山って、こういうところだったりして・・・

そう不安に思っていたところ、母が
「こんなとこに、姥を捨てるんやろうなあ。」と言う。
あまりにも、的確な、しかも、自分が姥の年齢であることを全く自覚していない母。
捨てられるのは、母か、私か?

やっほーー
どこーー
返事してーーー
ーーーーー

一生懸命叫び、時を待った。

どれぐらい時間が経っただろう。
ザクッ、ザクッという足音。
姉、山番たち、それぞれが降りてきた。
「上に行ってもキリがないので、このへんでもう降りましょう」
と山番。
やれやれ。



帰りは、美人の湯、黒川温泉で、まったり。
牡丹鍋や、鹿肉フライなどに舌鼓。
  

露天風呂もあり、知る人ぞ知る、秘境の湯。
奥深い山間で、清々しい森林浴もできた。
雨に降られるかと心配したが、どうにかもった一日だった。
きっと何日もあとに遅れてやってくるであろう筋肉痛を予想しつつ、
高速道路の入り口に入った。