常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

徒然草

2019年01月24日 | 日記

大寒に入って雨が降ると

いう日があり、今日は雪になった。

雪が降る日。何故か心楽しい気がする。

小さな雪の粒は天から落ちて来る

季節の便り。

 

雪の日には、本を読むという楽しみが

ある。選ぶ本も思い切って古典。

兼好法師の『徒然草』を手にする。

 

つれづれなるままに、日ぐらし、

硯にむかひて心にうつゆく

よしなし事を、そこはかとなく

書きつくれば、

あやしうこそものぐるほしけれ。

 

小林秀雄は「ものぐるほしけれ」

という心境について、

書くことで眼がさえかえって、

いよいよ物が見え過ぎ、物が分かり

過ぎる辛さであるとした。

 

兼好法師はその見え過ぎる眼で

己の死を見つめている。

[我等が生死の到来、ただ今

にもあらん。」

このことを忘れて日を暮らすことは

愚かなことである、と書く。

 

西洋にもメメントモリという

ことわざがある。

古典は深いところで生命の本質を

教えてくれる。雪の日の一日を

掌中の古典のページを繰る

ことで過ごすのも楽しみのひとつだ。

 

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