とある会社(かいしゃ)での会話(かいわ)である。上司(じょうし)が困(こま)り果(は)てた感じで若(わか)い部下(ぶか)に、
「私はね、君(きみ)に〈猫(ねこ)の首(くび)に鈴(すず)を…〉って頼(たの)んだだけなんだよ。あの社長(しゃちょう)の動向(どうこう)が分かれば、こっちも動きやすいからね。それなのに君は、なぜ? どうして〈窮鼠(きゅうそ)が猫を噛(か)んじゃう〉ってことになるんだよ」
「仕方(しかた)ないじゃないですか。僕(ぼく)だって頑張(がんば)ったんです。猫に鈴なんかつけられませんよ。僕にどうしろと言うんですか?」
「だからさぁ、もう少しあるだろ? こう、やんわりと話を進(すす)めていってだね…。〈猫にまたたび〉的(てき)なことをちらつかせても良(よ)かったんじゃないのかね? 何で君は、いきなり最終手段(さいしゅうしゅだん)を使うようなことをしたんだ」
「だって、どんな優遇(ゆうぐう)をしたって、あの社長には〈猫に小判(こばん)〉ですよ。無駄(むだ)な出費(しゅっぴ)になるだけです。それに、あの社長は〈猫に鰹節(かつおぶし)〉なんですよ。油断(ゆだん)できないんですから」
「そんなことは分かってるよ。しかし、困(こま)ったなぁ。あの社長に目をつけられたら、この先(さき)、仕事(しごと)がやりにくくなるかもしれないぞ」
「こうなったら、〈猫の手を〉借(か)りちゃいましょうよ。こっちは弱味(よわみ)を握(にぎ)ってるんですから」
「まさか、あの会社を買収(ばいしゅう)でもするつもりか? しかし…、それもありかもしれんなぁ」
「そうですよ。あの会社を呑(の)み込んで、僕たちが猫になるんです」
<つぶやき>この会話についていけたら、すごいかもしれません。私には訳分(わけわ)かんない。
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