熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

加藤周一

2010-04-20 13:26:02 | Weblog
加藤周一さん執筆の「20世紀の自画像」を読みました。

戦後思想家として、多くの評論活動、執筆を精力的に行ってきた加藤周一さんの戦争に対する考え方等が書かれています。

加藤周一さんのファンの一人である私は、これまでにかなりの著作を読んできました。
この本は、加藤周一さんの考え方が良く描かれており、新書版なので、手軽に読めると思います。

この本で、加藤さんは、戦争責任は3つの層に分けて考えなければならないと思っているそうです。
一つは、戦争を計画して、決定して命令を下す指導者です。
二つ目は、一般の大衆、ことに戦争前、国に何が起こっているのかマスメデイアの他に情報源がない人達です。
三つ目は、指導者ではないが、情報を獲得しようと思えばそのために手段を持っている人達、いわゆる知識人と呼ばれる人達です。

今までの戦争責任は、指導者と一般大衆の二つの層に分類して議論しているものが多いのですが、これに知識人を加えたのが特徴です。
知識人の責任については、これを重く見る見解で、私も同様です。
ジャーナリストもこの範疇に入るのは当然ですね。
現在のジャーナリスト(そう呼べない人が多いのですが)には、責任の重さを噛みしめて欲しいものです。

この本では、自由の代償についても書かれています。
加藤周一さんは、いわゆる自由業の属する職業ですが、その代償として、①金銭的な不利益、例えば年金が少ない等、②影響力が少ない(加藤さんは影響力があると思いますが)、つまり、組織に属していないと大きな影響力を行使できないということです。

それでも自由業を選んだのは、自由の魅力に勝るものはないということらしいです。

私も定年退職後は、企業に再雇用することはせずに、企業コンサル、セミナー講師、論文執筆等の自由業を選択しました。
自由の魅力に勝るものはないと考えたからです。
ただし、この自由業を全うするためには、現役時代からの十分な準備は必要です。
自由業は金銭的な保証はありませんから、働かなくとも生活できるだけの準備、蓄えは必要です。

この準備だけできていれば自由業を全うすることができると思います。
自由業が良いのか、企業人として生きるのが良いのか、それぞれ一長一短がありますので、現役時代から良く考えて準備しておくことが重要ですね。



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