熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

損害賠償請求権の除斥期間

2008-01-31 22:55:04 | Weblog
注目すべき判決が出されたことが報道されていました。

1978年に東京都足立区立小の女性教諭を殺害して自宅の床下に埋め、殺人罪の時効成立後の2004年に自首した元警備員の男に対し、遺族が損害賠償を求めていた訴訟の控訴審判決が31日、東京高裁でありました。

青柳馨裁判長は「事件発覚まで被害者の殺害を知ることができなかった遺族の請求に、民法上の時効を適用するのは著しく正義・公平の理念に反する」と述べ、殺害行為に対する賠償責任を認めなかった1審・東京地裁判決を変更し、約4255万円の支払いを命じました。

民法は不法行為から20年で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」を定めています(民法167条2項)。訴訟では、殺害から発覚まで26年が過ぎた事件に「除斥期間」を適用すべきかどうかが争点となりました。

判決文を入手していないので、明確な判決理由は分かりませんが、報道によると、「判決は、殺害された石川さん本人の賠償請求権を遺族が相続したとの考え方にたち、「相続財産に関しては、相続人が確定した時から6か月を経過するまで時効は成立しない」とする民法の相続規定に着目。「死亡の事実が不明で遺族が相続の事実を知ることができなかった場合も、この規定を適用できる」とした。」そうです。

相続規定を適用するとは、裁判官も考えましたね。
画期的な判決です。
被告は上告するでしょうから、最高裁の判決が注目されます。
いずれにしても、この判決が契機になって、時効・除斥期間の当否の議論が活発になると思われます。

判決文が入手できたら、詳細に検討してみたいと思います。



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意匠の類否判断

2008-01-30 21:39:54 | Weblog
大学院の指導教授が主催する研究会に参加してきました。
この研究会は、毎月1回、国内外の知的財産権法の第一人者が講演を行う、レベルの高い研究会です。

今年度のテーマは、知的財産権法の基本概念について研究発表・討論を行います。
第一回目は、意匠法の基本概念である「意匠の類否判断に係る人的基準」について、研究発表・議論が行われました。

意匠法改正で24条2項が新設され、「意匠の類否」判断の主体が「需要者」であることが明記されました。
ここで、問題となるのは、「需要者」の概念です。
需要者が取引者を含むことは、議論のないところだと思いますが、この「需要者」が「一般需要者」なのか「専門的需要者」なのかが、「公然知られた意匠」との関係で問題となります。

今回の発表は、上記の問題点について、欧米の意匠法・裁判例等を参考にして、報告者の見解が述べられました。
なかなか興味深い議論でした。

特許を専門とする私にとって、意匠は少々取り付き難い分野ですが、弁理士としては、避けて通れません。
これから猛勉強します。

次回の研究会は、商標法の基本概念である「商品」の概念について発表があります。
専門外ですが、是非とも参加しなければ!!



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国際特許流通セミナー

2008-01-29 21:35:20 | Weblog
国際特許流通セミナー1月28日午後の2つのセッション「欧米における法曹界の最新動向」と「米国における最新の特許判例と実務への影響」に参加してきました。

「欧米における法曹界の最新動向」は、欧州の弁護士2名と米国弁護士1名が欧州・米国の特許法改正等の状況を説明して、その後パネルデイスカッションに入りました。
正直言って、パネルデイスカッションは、フロアーからの質問にパネラーが答えるという構成で、重要なポイントが聞けなかったのは残念です。
モデレーターが、欧米法曹界の最新動向の重要ポイントについて、パネラーの意見を聞くという構成にした方が良かったのではと思います。
それでも、欧米の特許法改正の概要が聞けたのは、大きな収穫です。

「米国における最新の特許判例と実務への影響」は、米国弁護士1名と日本人弁護士1名、日本企業の知財部門責任者の3名が、主に「eBay事件」後の米国における判例・特許法改正の動きを紹介していました。
これも最新状況を知るという意味では、かなり役に立ちました。

欧米の特許法改正状況・最新の裁判例についての情報入手は、実務者にとって必須事項です。
今後も、機会を見つけて積極的に参加していきます。



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台場

2008-01-28 23:39:01 | Weblog
「国際特許流通セミナー2008」に参加してきました。
会場は台場のホテル日航東京です。

午後からの参加なので、新橋のカツ丼チェーン店で昼食を取りました。
このお店に入ってみてビックリ、店員が全員中国人の若い女性です。
サービス業にも中国人の進出が目立ちます。

第二次産業は、人件費の安い中国・ベトナムへ進出し、国内の働き口が減少しています。
先日、テレビ番組で、「日本産業の進む道は、第三次産業である。これにより、就職需要も増大する」と発言している、政治家、経済評論家がいました。
確かに、第三次産業は発展するかもしれませんが、サービス業の経営者も人件費の安い中国人を雇用するでしょうから、日本人の就職口が増大するとも思えません。
この点について、有効な解決策を提示している政治家・経済人が見当たらないのは残念です。
このままでは、企業が太って、従業員がやせ細る、ということになり、格差が更に広がることになるのではと、心配しています。

話題がセミナーから逸れてしまったので、元に戻します。

セミナー会場の「ホテル日航東京です」。




ホテルの近くの展望台から見た、お台場の海岸です。




お台場と言えば、これでしょう。「自由の女神です」。




さて、セミナーの内容について記載しようと思っていたら、時間がなくなりました。
明日、セミナーについてお話します。



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大阪国際女子マラソン

2008-01-27 17:26:52 | Weblog
北京五輪代表選考会を兼ねた大阪国際女子マラソンの中継を見ていました。

天性の明るさを持つ福士加代子選手に期待してレースを見ていましたが、残念ながら19位でのゴールとなりました。
福士選手は、序盤から独走しましたが、30キロ付近から失速し、終盤はほとんど走れなくなり、何度も倒れながらも何とかゴールにたどり着いた状態でした。
やはりマラソンは30キロ過ぎからが本当の勝負になるのでしょうか。

五輪代表には、昨夏の大阪世界選手権銅メダルの土佐礼子さんが内定し、昨年11月の東京国際女子を大会新で制したアテネ五輪金メダルの野口みずきさんも代表入りが確実になっており、実質「残り1枠」となっています。

最終選考会となる3月9日の名古屋国際女子マラソンには、シドニー五輪金メダルの高橋尚子さんが出場します。
これで高橋尚子さんに決まるのか、それとも新人が台頭するのか、興味深いところです。

日本の女子マラソンは、層が厚いですね。
男子も負けずに頑張りましょう。



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宅老所

2008-01-26 20:38:24 | Weblog
NHK生活ほっとモーニングで、「にぎやかな“大家族”~宅老所「井戸端げんき」の人々~」を放送していました。

「託児所」は聞いたことがありますが、「宅老所」は初めて聞く名前です。
「宅老所」とは、民家などを利用してお年寄りのデイサービスなどを行う福祉施設で、小規模ゆえに、制度の枠にとらわれない臨機応変なサービスを可能にしています。

宅老所「井戸端げんき」を運営しているNPO法人は、経費の75%が人件費で、施設費用の割合が低いことが特徴です。
これは、古い民家を借りて使用しているので、施設費用が少なくてすみ、その分、人件費に回して、介護スタッフの数を多くしています。
この施設を利用しているお年よりの感想は、「民家なので落ち着いて利用できる」「介護スタッフの人数が多く、親切なので、安心して利用できる」と大変好評でした。

介護スタッフの一人の方は、うつ病に悩まされていましたが、この施設のスタッフになって、お年寄りの介護をして、そのお年寄りから頼りにされるので、自分の存在価値を見出したそうです。
「与えることは与えられることです」自分がお年寄りを介護をしているのに、お年寄りから自信を与えられている、と言うことですね。

このような施設が、小学校と同じように、各地域に一つ以上あれば良いのですが。
小学校と宅老所が地域の核になり、同じ地域の病院・商店・家庭がネットワークを形成して、地域で助け合って生きる社会、素晴らしいですね。

宅老所が地道に地域に浸透していくことを願っています。
私も何かお手伝いできることを探します。



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司法試験願書

2008-01-25 20:52:47 | Weblog
司法試験願書を受け取りに法務省に行ってきました。
法務省へ行くのは初めてでしたが、弁護士会館、東京地裁の近くにあるのですね。
弁護士会館、東京地裁へは、何度か行ったことがありますが、法務省の存在は全く気がつきませんでした。それだけ縁がなかったのですね。

受験願書は、法務省1回の小部屋で受け取りましたが、この願書を渡すために3名の人がいました(特許庁の弁理士試験受験願書は、当初、小部屋で担当者が1名いたような記憶がありますが、最近は、小部屋の外の机の上に願書が置かれており、希望者は自由に持っていくように変更されていました)。

これ以外にも、弁理士試験受験手続きと異なる点がいくつかあります。

先ず、弁理試験の受験手数料は、12000円で特許印紙で納入しますが、司法試験の受験手数料は、11000円で収入印紙で納入します(特許印紙は、特許庁で購入できます。収入印紙も法務省で購入できるのかと担当者に尋ねたところ、郵便局で購入して下さいとのことでした)。

司法試験の第2次試験受験の際に、1次試験免除証明書(大学卒業証明書等)の提出が必要ですが、弁理士試験にはこのような証明書の提出は不要です(以前は、司法試験と同じに1次試験免除証明書の提出が要求されていたように記憶しています)。

弁理士試験願書の記入は、万年筆かボールペンですが、司法試験願書の記入は、何故か鉛筆です。

以上が、私が気づいた司法試験と弁理士試験の受験手続の相違です。
次は、短答試験公開模試を受けてみて、両試験公開模試の相違をご報告します。



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講演会

2008-01-24 22:19:11 | Weblog
あるセミナーの講師として、「ノウハウと特許出願」について講演をしてきました。
セミナー受講者は、企業の知財部門の方々で、40名弱集まりました。
色々な企業の方が参加されており、このテーマについての関心の高さが伺えます。

特許出願が出願公開されることにより、模倣のリスクが高まります。
特に中国・韓国の企業から模倣されるケースが多く、被害を被っている企業も多いことと思われます。
しかし、創出した発明をノウハウとして保護するのか、特許出願をするのかを選択する明確な基準を保有している企業は少ないと思われます。

今回の講演では、私案としてある基準を提示しましたが、質問が結構多かったので、講演の評判は良いのではと、自己満足しています。

「ノウハウと特許出願」については、論文として纏めて、3月に刊行される月刊誌に掲載される予定です。

さて、この次は、何のテーマで論文作成・講演を行いますか。
早速、論文作成に取り掛かることにします。
論文掲載が決まりましたら、ブログで報告します。



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最終講義

2008-01-23 19:39:06 | Weblog
知的財産権法に関する研究の第一人者として知られている、東京大学の中山信弘教授が、2008年3月末で東京大学を退職されます。
退職に先立ち、中山先生の最終講義が1月22日に行われました。
知財をめぐる環境の変化、知財法制や人材育成などに関する今後の課題などを説いておられました。
中山先生は、4月以降、西村あさひ法律事務所顧問として引き続き知財関連の業務に携わっていく予定だそうです。

中山先生との出会いは、弁理士受験生時代です。
当時、特許法の基本書として使用されていた、吉藤先生の「特許法概説」を読み込んでいたのですが、何となく馴染めないでいると、会社の先輩弁理士が中山先生の「工業所有権法 上」を紹介してくれました。
「少し難しいが論理的に書かれた本なので、理解が深まると思うよ」という先輩弁理士の言葉を信じて読み込みました。

この本は、私に合っていたのか、特許法の理解が急速に深まると同時に、特許法への興味も高まり、中山先生の他の著作も読み漁りました。
この本がきっかけになって、大学院修士課程での研究、弁理士試験合格、司法試験への挑戦と、法律についての学習意欲が高まりました。

中山先生は、私を法律の世界は誘ってくれた方で、大変感謝しています。
今後のご活躍をお祈りしています。


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名目取締役・表見取締役の責任

2008-01-22 18:42:00 | Weblog
司法試験基礎講座の講義内容を身近な事例に置き換えて考えてみるという勉強方法を実行していますが、いろいろな疑問点が涌いてきて、結構楽しめます。

会社法の講義で、取締役の責任について説明がありました。
会社法は、役員等がその職務を行うについて悪意または重過失があったときは、その役員等は第三者に対しても連帯して損害賠償の責任を負うと定めている(429条1項)。

それでは、名目取締役、表見取締役についても429条1項の責任を問うことができるのかが、問題となります。

名目取締役とは、適正な選任手続きを経ているが、業務に一切関知しない取締役をいう。いわゆる、「名前だけ貸して下さい。お礼はしますから」と言われて、名前を貸すケースです。
表見取締役とは、適正な選任手続きを欠いており、登記のみされている取締役をいう。
何れの場合も、429条1項の責任を負うというのが、判例・多数説の見解です。

何年か前に、有名人(芸能人・政治家等)が名目上の取締役になっていた会社が偽装倒産して、有名人が責任を問われたことがありました。
これは、会社法上の責任が問われたケースです。

さすがに、最近は、名目取締役に就任するケースは少ないのですが、「アドバイザー・推薦者等」の名目で、会社のパンフレット・ホームページに写真付で推薦の言葉を載せている有名人がいます(かなりの報酬を得ていると思われます)。

このような場合に、会社が倒産して債権者が責任追及するときに、かの有名人への責任追及はどのようになされるのでしょうか。
有名人が推薦する会社であれば間違いないと信用して取引する人は多いので、当該有名人の責任は大きいと思われます。

道義的責任があるのは間違いないのですが、会社法上の責任を追及するのは難しそうです。
結局、民放709条に基づいて損害賠償を請求することになるのでしょうか。

商法上の責任追及ができれば、適用要件が民放より緩和されるので、被害者保護になると思われるのですが、難しいですかね。





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