グーグルにあって日本企業になかったのは何か。
画期的なヒット商品で世界を席巻したソニー(現ソニーグループ)がインターネットの到来とともに輝きを失った頃、グーグルに移籍し、のちに日本法人社長を務めた辻野晃一郎氏がグーグルで感じたのは、日本企業が失ってしまった「目線の高さ」だったそうです。
日本企業はなぜ競争力を失ったのか?
辻野さんは、「ソニーを2006年に辞めた際、自分なりに深く考えたテーマでもあります。グーグルに入って、その理由がはっきりと分かりました。
ソニーはもともとインターネットとは関係のない会社であり、電子機器や家電を作り、全ての価値は手元のデバイス(機器)の中にあると考えた。
これに対し、グーグルをはじめ世界を席巻する「GAFAM」は、ネットの「あっち側」に価値を見いだした人たちが作った会社です。ネットを通じて人や情報をつなぐことが経済価値を生み出すという発想です。
ネットの「こっち側」、手元にあるデバイスに価値を見いだし、それにこだわってきた日本企業は、気付いたときには手元に価値が残っていなかった。僕はそういう感覚を持っています。」と述べています。
日本企業はなぜ「あっち側」の価値に気づかなかったのでしょうか?
「いま世界で勝っている連中は「生態系を作る」という視点を持っています。日本は目に見える携帯電話などのデバイスばかり見て、生態系を作るのに失敗しました」
ネットの「こっち側」と「あっち側」という表現が面白かったですね。
私も企業勤務時代によく似た経験をしています。
特許の社内データべースを活用しているソフトウエア―技術者と話をしているときに、その人が「知財部門の人、特に管理者の人たちはソフトを必要以上に怖がっているので活用しにくい」と言っていました。
良く聞いてみると、「ソフトウエア―は実態が見えないのでハードウエア―の仕事をしていた人たちは、何が起こっているのか理解できずに怖がっているのでは?」と言うことらしい。
私は好奇心旺盛なので、ソフトを活用することばかり考えていました。
ネットの「こちら側」の人は、目に見えるハードウエアは理解できるが、「あちら側」の世界は目に見えないソフトの活用なので理解できず、したがって興味もないということでしょうね。
視点を変えることが重要なのですが、成功体験が邪魔をして視点を変えるのが怖いのでしょう。
若い人に任せるしかないのでは・・・
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