熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

eーラーニング 終了

2007-02-28 00:50:18 | Weblog
新人弁理士研修eーラーニングが終了しました。
このeーラーニング研修は、大変参考になりました。個別の参考になった点は、すでにブログに書き込みましたので、それ以外の点を書いてみます。
第一点は、教材の素晴らしさです。私も企業の特許教育で講師としてeーラーニング作成に関わっていますが、弁理士研修のeーラーニングはその出来映えの良さから大変参考になりました。通常、eーラーニングは、講義をビデオ撮影してそれを教材としていますが(私の特許教育も同じ教材です)、弁理士研修のeーラーニング教材は、それ用に作成してあり、大変見やすい構成になっています。早速、企業のeーラーニング教材作成の参考にします。
第二点目は、その内容です。eーラーニング研修では、ほとんど全員の講師の方が裁判例分析の重要性を強調していました。特に、契約基礎、ライセンス契約の講師の弁護士は、当然ですが、裁判例の分析の重要性を強調し、判決文だけでなく、個々の事案の分析が重要であると指摘していました。この点は、私の考えと全く同じで、自信を深めました。
ライセンス契約の講師を務められた弁護士の方は、裁判での「秘密管理」の解釈について、多くの裁判例を分析して、認められた事例と認められなかった事例を纏めて表にしていました。この方法は、私が大学院で二人の教授から徹底的に指導され、現在実務に応用している方法です。実務に役立つ分析法で、この分析なしで事案の解決を図ることは難しいと思います。
私は、実務において、裁判例の分析、それも事案をよく吟味した分析が重要であると考えていましたが、今回の研修でその正しさが証明され自信が確信に変わりました(どこかで聞いたフレーズ)。
これからも、地道に裁判例の分析を行っていきます。
コメント (2)
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身長計

2007-02-25 18:27:28 | Weblog



童謡「背くらべ」で、「柱のきずはおととしの五月五日の背くらべ・・・」と歌われていますが、我が家でも柱で2人の子供の身長を測っていました。この身長計は、子供が成人してから使用していませんでしたが、先日、息子夫婦と孫が遊びにきたときに、孫の身長を久々に測りました。7年振りに復活です。
これから孫が成人するまで身長系として活躍するのでしょうか(それまで家自体がもつかどうか)。
自宅を建ててから27年経過しました。外壁の吹きつけ、内装リフォームを行っていますので、27年経過した割には比較的きれいな家ですが、それでもそろそろ立替の時期です。
家も27年住み続けると、家自体が思い出でいっぱいになり、まるで生きているみたいです。この家から何か一つ残すとしたら、この柱(身長計)ですかね。思い出がいっぱい詰まっていますから。
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公然実施

2007-02-24 01:41:23 | Weblog
私の業務の一つにライセンス交渉があり、このライセンス交渉で警告を受けた際に、特許無効の抗弁がしばしばなされます。特許無効の抗弁は、大半が刊行物公知または公知刊行物から進歩性なし、すなわち、29条1項3号または29条2項です。この抗弁が成功しない場合に、しばしば公然実施(29条1項2号)が主張されます。私が経験したライセンス交渉でも、約半数は公然実施が主張されました。刊行物公知で無効化できない場合に、その公知刊行物から進歩性なしの理由で特許無効を主張して、相手に納得させることは困難です。実務でも進歩性の判断は難しく、進歩性で相手を説得するのは得策ではありません。
そこで、公然実施が主張されることになります。
しかし、この公然実施も、何を、どのような証拠で、どのように立証するかは、かなり難しい作業です。
そこで、公然実施主張の説得性を増すために、裁判例を分析することにしました。
裁判例データベースから、公然実施が主張された侵害訴訟、審決取消訴訟の裁判例を収集しましたが、これが以外に多く、400件程度になりました。
この裁判例を公然実施対象技術で層別し(ハードウエア、ソフトウエア、材料)、公然実施日、対象製品と特許発明の同一性を主要観点として分析しました。この他に材料、ソフト特有の分析項目がいくつかあります。
裁判例の分析はかなり慣れている方ですが、それでもかなり時間を要しました。
この分析を通じて、裁判で認められるポイントが明確になりました。
特許権者の立場で公然実施を主張する際に、収集しておかなければならない証拠は、日常収集するシステムを構築していくことにしました。
公然実施が主張された場合は、主張の弱点がどこにあるのかがある程度分かりますので、反論のポイントが明確になります。
この分析結果は、機会があればいつか発表したいと考えています。
裁判例の分析は時間がかかりますが、実務に役立つことは間違いなく、地道にコツコツ実施することが重要です。
役に立つ情報は、転がっているものではなく、自分で作り出すものですね。
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e-learning 続き

2007-02-21 22:31:06 | Weblog
弁理士e-ラーニング研修14課目中7課目を終了しました。特許・意匠・商標の審査実務、出願実務、調査・登録実務研修が終了しましたが、とても充実した研修内容です。実務経験がある程度ある特許研修は、勉強になったという感じはあまりしませんでしたが、実務経験が少ない意匠・商標は、大変勉強になりました。特に商標出願実務について、私が完全に誤解していたことが分かりました。商標実務は、クライアントが提案してきた商標が登録可能性があるか否かを調査し、将来の使用可能性等を考慮して出願書類を作成することにあると考えていました。企業のブランド戦略に深く関わり、企業価値を高めることが商標実務であるという研修内容には感動しました。意匠もデザイン戦略に関わっていくことが重要であると強調されていました。特許の場合も、特許戦略を考慮した発明の抽出・出願活動を実践しているので、考えてみれば、意匠、商標も同様なのですが、まさに「目から鱗」です。
この研修を受けて、意匠、商標実務にも興味が涌いてきました。特許、意匠、商標実務に精通したスーパー弁理士を目指しますか。そうそう、著作権法、不正競争防止法に精通することも必要です。スーパースーパー弁理士ですね。
スーパースーパー弁理士への道は険しいですが一歩一歩進んでいきましょう。
無理せず、長く続けることは、得意中の得意ですから。
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英会話

2007-02-20 14:26:16 | Weblog
風邪でダウンして月曜日の夜に受験する予定のTOEICを受けることができませんでした。
TOEICに関連して、私の英会話に関するお話をしてみます。英会話学習歴は約30年で、この間、集中的に学習した時期、ほとんど活動していない時期があります。
英会話勉強の切っ掛けは、30年ほど前に、現在勤務している企業の研究開発部門に入社したとき、外資系企業特有の英語の論文の要約と報告を命じられたことにあります。学生時代に英語が苦手でほとんど勉強していませんでしたので、この報告には苦労しました。私の報告時間の倍以上の時間、上司の質問と訂正指示があり、毎回この報告は苦痛でした。これではいけないと英語の勉強を開始することにしました。当時、勤務場所が赤坂でしたので、近くの四谷にある英会話学校に入学しました。英語の論文翻訳の勉強であれば、英文法の勉強をするのが普通の勉強方法だと思うのですが、なぜか英会話の勉強を選択した訳です。結果的にはこの選択が正しかったことになります。
当時の英会話学院の先生は、米国人の若い金髪女性で、とても素敵な人でした。それが理由か、毎週1日ほとんど休まず1年間通い続けました。その先生から、週1日2時間程度の勉強では、それほど上達しないので、毎日勉強しなさいと言われ、NHKのラジオ英会話を勧められました。このラジオ英会話は、私の英会話勉強の中心となるもので、現在も番組は異なりましたが継続しています。
英会話学院での勉強は、勤務地が神奈川県に移動したことにともない終了しましたが、新しい勤務地でも近くにあるコミュ二テイセンターで、英会話クラブに入会して勉強を続けました。この英会話クラブでの勉強は、約25年程続き、この間多くの人と知り合いになり、親友と呼べる人との出会いもありました。
英会話の勉強は、単に英語が上手くなるだけでなく、多くの人との出会い、仕事で海外の国際会議に出席する等のメリットもありました。
現在は、NHKラジオ英会話「ビジネス英会話」と毎週木曜日の夜の英会話教室での勉強、インターネットのJapan Times Onlin 英文ニュースを読むことを実践しています。
私の勉強方法は、プロセスを楽しみながら長く継続することを重要視しています。
英会話の勉強も約30年継続し、現在では日常会話に不便は感じませんし、英文判例等の英文を読むことにもそれほど苦労はしなくなりました。
弁理士の試験勉強も同様に、プロセスを楽しみながら勉強してきたように思います。
知的財産権法の勉強も、中央大学法学部と早稲田大学大学院での勉強期間を合わせると7年間になります。この間も学生生活を楽しみながら勉強してきたように思います。
無理をしないで長く継続することが、私にとって一番合った勉強方法ではないかと思っています。何方の発言かは忘れましたが、「成功の秘訣は成功するまで継続することです。」というお話を聞いたことを思いだしました。
弁理士試験も同様で、勉強を継続していけば必ず合格する試験だと思います。短期合格に執着しないで、プロセスを楽しむ余裕を持って勉強するほうが、人生豊かになると思います。
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ダウン

2007-02-19 23:54:34 | Weblog
風邪のため、日曜日から月曜日まで寝込みました。何とか熱も下がりましたので、ブログを更新します。
私が風邪を引くのは、不思議と大事なイベントが終了した後です。弁理士試験、大学院の修士論文、学会発表、講演等が終了した後にダウンするケースが多いようです。今回も、弁理士研修課題を全て終了した後に風邪でダウンしました。
大事なイベントが終了してホットすることが原因と思われます。
それから、がんばり過ぎたときに体が悲鳴を上げ、強制的にダウンするケースもあります。大学院1年生の後期、少し欲張り過ぎて週に4日間(平日の夜3日と土曜日)授業を受けるために高田馬場まで通学していました。その日も川崎でライセンス交渉を行い、その後大学院の授業を受けるために電車に乗ろうとしたところ、猛烈な寒気がしてきました。体が震えてとても授業を受けるどころではありませんでしたので、自宅に帰り熱さましを飲み布団に入り込みました。結局、3日間寝込みましたが、よい休養になりました。
矛盾するようですが、無理をしないでがんばることが重要です。人生経験が長くなるとこのあたりの感覚は何となく分かってきます。
無理をしないで長く続ける、これが目標達成の秘訣ですかね。
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意匠、商標

2007-02-16 20:42:51 | Weblog
新人研修の最後の課題である、意匠と商標の審査実務演習、出願実務演習が終了しました。発信主義が適用されれば、納期内提出なのですが、納期に遅れても採点してくれることを願いつつ郵送しました。
特許の課題は実務で行っている内容なので、それほど難しくなかったのですが、意匠、商標は全く実務経験がありませんので、自分の提出した回答がどこまで正しいのか全く分かりません。
弁理士試験に合格して弁理士登録すると、経験の有無を問わず、クライアントから依頼されて仕事ができます。もしも私が独立してクライアントから意匠または商標の出願依頼があったとしたら、困るでしょうね(引き受けませんね)。
仕事を依頼するのは、やはり経験豊富な弁理士の方にお願いするのが無難でしょう。知財担当者がいる企業は、仕事を依頼する前にテストをするので、大きな失敗はありませんが、知財担当者がいない企業、個人は、弁理士を信頼して仕事を依頼することになります。この信頼に応えられるだけの知識・実務スキルを獲得してからでないと独立すべきではありません。
私の経験では、実務経験5~7年である程度仕事ができるようになりましたが、それは一定のレベルで仕事ができるというだけで、実務経験15年の今でもまだまだ満足な明細書、意見書、補正書等を作成することはできません。それだけ奥が深いということです。
経験を積み、知識を得るにしたがい、新たな課題が現れてきます。「坂の上の雲」と同じで、一生勉強です。
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人生百二十歳説

2007-02-16 00:06:03 | Weblog
日経新聞夕刊の特集記事「健やかさとは」に、薬師寺安田管主の人生百二十歳説が紹介されていました。六十歳の還暦で人生ひと巡りし、それを二回繰り返すのが人間本来の寿命という説です。この説によると、私はちょうど折り返し点に差し掛かるところです。生きる勇気を与えてくれる説です。
この記事で印象に残った部分を紹介します。
「二十五歳までが春で、六十五歳までが夏、九十歳までが秋、それ以降やっと冬を迎えます。人生で肝心なのは秋なんです。仕事でも家庭でも禁欲的なくさびをある程度外して自由になれる。現実に七十代が最も充実していたと語られる宗教家、芸術家、政治家も多い。七十代をいかに生きるかが人生の成否をわけます。」
七十代を充実して過ごすために六十代で準備することが必要になるということですね。なるほど。
「地位と権力とは無縁だが、識見があり存在感がある。人の喜びを我が喜びとして、世の中のためを思う。それが人生の秋なんです。九十歳を過ぎたら、自分で食べられ、排泄でき、読み、話すことができれば、もう何もしないで感謝と笑顔でいればいい。」その通りです。
「健やかに生きるには五つの心が大切です。感謝の心、思いやりの心、敬う心、赦す心、詫びる心の五つの心です。」
これ以外にも心に残る言葉がたくさんありましたが、時間の関係でこのくらいにします。興味がある方は、日経の記事をお読み下さい。
コメント (3)
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コラボレーション

2007-02-14 20:58:15 | Weblog
日本弁理士会と日本公認会計士協会との合同研修に参加してきました。知的資産・財産の価値評価に関する講演が3テーマありました。
最近、専門分野の異なる人達によるコラボレーションが盛んに行われています。今回参加した合同研修もその一つです。弁理士と弁護士、税理士、企業家、大学教授、地方公共団体等とのコラボレーション、著作権を対象とすると音楽家、作家、映画関係者等とのコラボレーションも考えられます。
このコラボレーションで大事なことは、自分の専門分野で高い専門知識と経験を持つことです。今回の合同研修でも公認会計士の方が強調していたのは、弁理士の高い専門知識で、例えば、知的財産の価値(特許権の価値)を算出しようとすると、発明の価値をどう評価するのかが問題となります。DCF法等の計算方式の提案はできるが、結局特許権の価値(特許権の有効性、権利範囲の広さ、将来のビジネス動向等を総合的に判断して価値を算出する)を判断するには、弁理士の高い専門的スキルが必要になります。コラボレーションは相互にGive and Takeを行い、シナジー効果を出していくことが重要です。つまり、弁理士の専門的スキルが低く、何もGiveできなければTakeも期待できず、コラボレーションは不調に終わります。
地に足をつけて専門的スキルを磨いていくことが重要であることを再確認した合同研修でした。
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先生

2007-02-13 23:31:17 | Weblog
先日、ある会合に出席し、受付の方に私の名前を告げたところ、名簿を確認して○○先生ですねと一言。弁理士会に電話したときも○○先生と呼ばれました。弁理士は、学校で授業をしている訳ではないので、先生と呼ばれるのは違和感があります。そういえば、私が知財部門へ異動した15年前、その当時の先輩達は弁理士を先生と呼んでおり、私が弁理士を○○さんと呼んだときに思いっきり注意されました。何でも先生と呼ばれないと気分を悪くする弁理士がいるとのことでした。今でも、先生と呼んでいるのでしょうか。
 以前どなたかがお話していましたが、弁理士試験に合格して弁理士登録すると、途端に偉そうな態度をとる人がいるそうです。先生と呼ばれることもその原因の一つではと思われますが、どうでしょうか。○○先生ではなく、○○さんと呼ぶようにしてはいかがでしょうか。
 私も○○先生と呼ばれると違和感がありますので、○○さんと呼んで下さいとお願いしていますが、そのうち、先生の呼称にも慣れて、先生と呼ばれないと気分を悪くするようになったりして。
ああ、恐ろしい。人の振り見て我が振り直せ。注意しよう。
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