「ライスカレー」と「カレーライス」の区別を知らず、同じ物と思っている人が非常に多いようです。はっきりとした区別があります。
インドを植民地支配していたイギリスのカレーが日本に伝わり、さらに日本式に変化した料理である。イギリスのカレーはロ-ストビ-フを味付けするソ-スという性格が強かったが、日本のカレーは米飯にかける汁という性格が強くなっている。イギリス海軍のメニュ-に採用されたとき、揺れに対応するために小麦粉を使ってトロミを付けるようになったという説がある。
『カレーライスとライスカレー』
「カレーライス」は、かって「ライスカレー」という呼び方が優勢だった。2つはどう違ったのか。また名称がカレーライスに統一された理由について諸説ある。
■両者は元来異なるものを指すとみる説
□米飯とカレーが別々に、あるいは横長の深皿で左右に寄せて出されるハイカライメ-ジのものが「カレーライス」、ご飯の上にカレーをかけた大衆的にものが「ライスカレー」。
□和風の出汁を用いたものが「ライスカレー」、洋風のス-プを用いたものが「カレーライス」
□黄色見が強いものが「ライスカレー」、茶色っぽいものが「カレーライス」。
□とろみの強いものが「ライスカレー」、さらっとしたものが「カレーライス」。
□「ライスが多けりゃライスカレ-、カレーが多けりゃカレーライス」。(ククレカレー発売当時のCM)。
歴史的に見ると、イギリス人から「カリ-ドライス」として紹介され、明治後期から大正時代にかけ新聞や雑誌では「ライスカレー」と呼ばれる事が多かった。1872年、北海道開拓使の公文書で「タイスカリ」(ライスカレー)という語が、樺太の医師・三田村多仲の日誌『三田村多仲日誌』1875年1月3日付けの記録で「カレーライス」という語が使われており、日本では当初から2つの言葉が使われていたことが分かっている。戦前の軍隊においては、ほぼ同じ料理が陸軍では「ライスカレー」、海軍では「カレーライス」と呼ばれていた。一般市民の間では出身者の多い陸軍式の「ライスカレー」という名称が優勢であった。
敗戦によって日本軍が解体され、高度経済成長を迎えると共に「カレーライス」という呼び名が台頭してきた。高度成長期の昭和30年代以降に品質が格段に向上したカレ-ルウが市販されるようになると一般的に「カレーライス」と呼ばれるようになったと推定され、時期的には東京オリンピック開催(1964年)前辺りから「カレーライス」呼称が優勢になったとされる。
同一店舗において、「ライスカレー」と「カレーライス」を別メニュ-として掲げる例も存在した。『阪急百貨店25年史』によれば、昭和34年のメニュ-において、大食堂の「ライスカレ」が70円、グリルでは「カレーライス」が100円で供されていた。
カレーライス
ライスカレー