「秘密のケンミンSHOW」でも話題になった北海道のソウルフ-ド「中華まんじゅう」。
「中華まんじゅう」と聞くと北海道以外の人は、肉まん、あんまんを想像すると思いますが……。
北海道では、こんがり焼いた皮に小豆餡をはさんだ三日月形の焼き菓子が「中華まんじゅう」。
最近は北海道でも見かけることが少なくなりましたが、古くから法事の引き出物として使われる北海道ならでわのお菓子です。(青森県の一部にもあるようです)。
東京などで「中華まんじゅう」の話しをしても、たいていは肉まん、あんまんと勘違いされ、説明しても「何それ?知らない」と言われてしまう。そのため「中華まんじゅうは北海道のもの」と思い込んでいたが、それは大きな間違いだった。
調べてみると、長野県の須坂市には、須坂藩主の奥女中が伝えたといわれる「中華饅頭」があるし、秋田県には白餡と黒餡の2種類の「中花」がある。東北などでは「中皮」とよばれるお菓子がある。名前や形が少しずつ違うが、北海道だけのものではないのだ。
そもそも、「中華まんじゅう」の「ちゅうか」とは何かというと、これはお菓子の生地に関係している。小麦粉、砂糖、卵を基本の材料とする生地を、和菓子の世界では「中花種(ちゅうかだね)」とよび、これを焼いて作るものを総じて「中花(ちゅうか)」という。「中花」は「中華」と書くこともあり、北海道ではなぜか「中華」が定着したようだ。
書物に残る最古の「中華まんじゅう」は江戸時代の滑稽本、式亭三馬の「浮世床」に登場する。その後、「浮世床」の約40年後に書かれた菓子製造書「鼎左秘録(ていさひろく)」には、「中華饅頭」の名前で、材料と作り方がきちんと紹介されている。
これまで、「素朴な故郷のお菓子」と思っていた「中華まんじゅう」だが、その歴史は江戸時代までさかのぼり、ポルトガルから伝承されたという「カステラ」がその原型との説があることから、いつもの「中華まんじゅう」がハイカラに見える。
北海道の葬儀に、何時から「中華まんじゅう」が使われたのか。
北海道の葬儀にはいくつかの特徴がある。まず、他所と比べて通夜や告別式に参列する人が非常に多いこと。本州などでは葬儀を自宅で行うことが多いが、北海道では大きな会場で執り行う場合が多い。また、香典も、どちらかといえば少額だが、「広く浅く負担し合う」という合理的なシステムが出来ている。これは、結婚式の会費制の披露宴にもつながっている。
人が沢山集まるので、当然、引出物も沢山必要になる。そのとき、「中華まんじゅう」が比較的作りやすく、急に人数が増えても対応出来たため、重宝がられたのである。
『虎屋文庫などを参照する』
帯広でも店頭に常時「中華まんじゅう」を陳列している菓子店はなく、受注生産ですが、隣町、芽室町の「まさおか」では常時販売しています。