道彦の散歩道

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ
毎日の事件事故の記録

09/30 スープ料理⑥

2013年09月30日 | 食・レシピ

【ヴィシソワーズ】

「ヴィシソワーズ」は、冷たいポロネギ風味のジャガイモのポタージュ。

バターでポロネギとジャガイモを炒めてからブイヨンを加えて煮、裏漉しして生クリームで伸ばし、冷やす。フランス語の名称は「ヴィシー風冷製クリームスープ」の意。このスープを考案したのはニューヨークのザ・リッツ・カールトンのシェフであったルイ・ディアで、フランスのヴィシーの出身だったためにこの名を付けた。

ルイ・ディアは自署において、母が作ったジャガイモとポロネギのスープ「ポタージュ・ボンヌ・ファム」に夏の暑い日、冷たい牛乳を入れてもらった記憶から「ヴィシソワーズ」の発想を得たと書いている。1917年6月、ザ・リッツ・カールトンの屋上レストラン「ルーフ・ガーデン」のオープンに合わせて導入したメニューだという。

1941年、親ナチス・ドイツであったフランスのヴィシー政権に反対するアメリカ人のシェフたちが、ヴィシソワーズを「クレーム・ゴロワース」に改名したが、アメリカ国内では「ヴィシソワーズ」として既によく知られていたため、この名称は定着しなかった。

20世紀のアメリカ合衆国で創られたスープの中では、最も有名なものの一つである。

Img_1825

Img_1826

【ソパ・デ・アホ】

「ソパ・デ・アホ」は、スペイン・カスティーリャ地方でポピュラーなスープの一つ。「アホ」はスペイン語でニンニクの意。「カスティーリャのスープ」とも呼ばれている。

スペインの羊飼いの間でポピュラーだったもので、羊飼いは貧乏だったため二日ほど経ったフランスパンを使ったレシピポピュラーになった。
カスティーリャのスープはこのベーシックなレシピから進化したもので、ハモン・セラーノとチョリソを使う他は基本的な作り方が同じである。

『作り方』

1.まるごとのニンニク一個の皮をむく。
2.フライパンに大さじ一杯のオリーブオイルをひいてニンニクを炒める。
3.ニンニクを炒め終わったら水に入れる。
4.フランスパンを切って、フライパンで炒める。
5.卵を割る。卵は沸騰してから入れる。
6.水と他の材料を全てフライパンに入れ、沸騰させる。

Img_1960

Img_1961


09/28 スープ料理⑤

2013年09月28日 | 食・レシピ

【ポタージュ】
「ポタージュ」は、フランス語でフランス料理が確立する過程で洗練されたスープ全般を指す語であり、古くからの郷土料理の色彩の濃いものとは区別される。日本ではスープ類のうち、とろみのついたものはポタージュ、、澄んだものはコンソメと呼ばれる。

『概要』
18世紀以降にスープの中でブイヨンの部分が重視され、その部分が主体となっていったものをこの語で指すようになった。従って「ポタージュスープ」は「スープスープ」ということになり、そもそも両者はフランス料理においてスープ類の中の分類が異なるので誤用である。
potageとはフランス語で鍋を意味する「ポ」(pot)が語原てあり、鍋で素材を煮込んでブイヨンを作る事に由来する。

『分類』
とみのついたものを「ポタージュ・リエ」、澄んだものは「ポタージュ・クレール」と呼ぶ。
「ポタージュ・クレール」には、ショー(温かいもの)、フロア(冷たいもの)、ジュレ(ゼリー状のもの)がある。

「ポタージュ・リエ」には、ピュレ(ジャガイモやトウモロコシやカボチャなど、澱粉質を含む野菜をブイヨンで煮込んだ後、裏漉しまたはミキサーでピューレ状にし生クリームや牛乳を加えたもの)、クレーム(小麦粉をバターで炒めたルーを使ってとろみをつけたもの。仕上げに生クリームを使う。澱粉質の少ない野菜に用いる)、ヴルーテ(卵黄や生クリームを使ってとろみをつけたもの)、スープ(元々は肉や野菜のごった煮に入れて食べる、パンのこと、現在では田舎風の素朴なスープを指して言う)、ビスク(エビやカニなど甲殻類から出汁をとり、これをベースにしたもの)、タイエ(野菜の形を切り揃えて煮込み、漉さずにそのまま食する)。

上記の分類は絶対的なものではなく、調理法、材料、地方などによって様々に異なる。
例えば、ミネストローネ、クラムチャウダー、ボルシチ、ガスパチョ、味噌汁などを「外国のスープ」として「ポタージュ」の範囲内に分類することもある。

Img_1980

Img_1984

【フォンデュ】
「フォンデュ」または「フォンジュ」とは、スイス・サヴォアなどフランスの一部・イタリアの北部のピエモンテとヴァッレ・ダオスタなど、フランス語圏を主とするアルプス地方とその周辺地域を発祥とする、チーズフォンデュなどの鍋料理や、それらに類似する料理の総称。

「フォンデュ」の語源は、フランス語で「溶ける・溶かす」の意の動詞の過去分詞に由来する。フォンデュは女性名詞のため語末に「e」がついている。

フォンデュの種類には、チーズフォンデュのほか、オイルフォンデュなどがある。ヨーロッパでフォンデュはフランス語圏が主であるため、北米などヨーロッパ以外では、カナダ・ケベック州でフォンデュを供するレストランが比較的多い。

『各種のフォンデュ』

「チーズフォンデュ」
最も代表的なフォンデュで、単に「フォンデュ」といえば、多くの場合この料理を指す。
土鍋などの鍋の内側にニンニクを擦り付け、細かく切ったチーズを白ワインに溶かし、一口大に切ったパン、時には温野菜をフォークか串に刺して、溶かしたチーズを絡め取って食べる。元々は硬くなったパンを柔らかく戻して美味しく食べるために考え出された。

材料のチーズは、エメンタールチーズとグリュエールチーズが最も一般的であるが、どのチーズをどのくらい混ぜるといった使う種類の数や配合比は店や家庭ごとに違っており、部外秘であるとともにそれぞれ伝統の味を守っている。酒類は白ワインのほか、キルシュを加えることが多い。

チーズに野菜等の具を加えないチーズフォンデュが多い。エメンタールチーズ・グリュイエールチーズに白ワインとキルシュを加えて野菜等の具を加えない、最も一般的なチーズフォンデュをフォンデュ・ヌシャテロワーズという。しかし、トマトまたはキノコ類をチーズ等に加えて調理することもある。

「オイルフォンデュ」
鍋に油を満たして熱し、串に刺したさいの目に切った肉などの食材を揚げて食べるフォンデュ。スイス料理の一つである。
数種のソースを用意し、食べる際に各自が好みのソースを揚げた食材につける。
本場のスイスでは、揚げる食材は肉のみの場合が多い。伊豆大島では名産品の椿油を用いた「椿フォンデュ」が名物料理としてあり、オイルフォンデュを応用している。また、数種類の野菜やニンニク、アンチョビなどを混合した油に浸して食べる北イタリアのバーニャカウダーもオイルフォンデュに類似する料理である。

Img_1859

Img_2000


09/27 スープ料理④

2013年09月27日 | 食・レシピ

【チリコンカーン】

「チリコンカーン」は、代表的なテクス・メクス料理及びアメリカ料理で、アメリカ合衆国の国民食のひとつでもある。

『概要』
「チリコンカーン」は米国ではスペイン語(Chili con Carne)を英語読みしチレコンカーネと発音され、チリという総称で呼ばれるヒスパニック系アメリカ人の多い米国の南西部の地域では、非ヒスパニック系の間でも、よりスペイン語に近いチリコンカネルと呼ばれる。日本では「チリコンカーン」の他、チリコンカンとも呼ばれている。

テキサス州のメキシコに近い地域で発祥したとされ、「テキサス州の料理」に指定されている。
水に戻したインゲン豆を柔らかくなるまで煮て、そこに挽肉、タマネギ、トマト、チリパウダーなどを加えて煮込んだものが最もよく知られている。肉は牛肉であることが多いが豚肉、鶏肉、七面鳥の肉などでも作られる。マサ・アリナ(トウモロコシ粉)やオートミールでとろみをつけることが多い。

『歴史』
名称はスペイン語で「肉入りトウガラシ」を意味するが、「チリコンカーン」の起源ははっきりしない。香辛料と煮込んだテハーノの料理が起源とも、カウボーイのベミカンに似た保存食が起源とも推測されている。

チリが全米に普及したのは、1930年代の世界恐慌や、肉類が配給制になった第二次世界大戦がきっかけである。肉が手に入り難くなった時に、挽肉にインゲン豆やトマトを入れてボリューム感の汁物仕立てにしたチリは家庭で重宝された。現在、最も一般的なトマトや豆の入ったチリは中西部で生まれたもので、あまり辛くなく、香辛料の使い方も南西部のチリとは異なっている。テキサス州のチリにはインゲン豆もトマトも入っていなかったが、1920年代あたりになって中西部でチリに豆が入れられるようになり、1930年代から1940年代になってトマトが入るようになった。クラッカーやチーズを入れる食べ方も中西部で生まれた習慣である。

『バリエーション』

「テキサス風チリ」
テキサス州本来のチリには、トウガラシ以外の野菜は入らない。肉は牛肉または仔牛肉が好まれ、べカン大に切るか粗挽きにして用いる。煮込んだインゲン豆を付け合わせることはあるが、豆をチリに入れるのは邪道とされる。

「シンシナティ風チリ」
オハイオ州シンシナティの名物チリは、マケドニアからの移民が1920年代に考案したものである。
普通のチリよりも汁気が多く、シナモンで風味をつけるため味も独特である。ホットドックやスパケティの上に「チリコンカーン」をかけて食べる点が特徴で、チリとスパゲティだけの組合せを「トウウェイ」、これにおろしたチェダーチーズ、豆、刻みタマネギのどれかをトッピングすると「スリーウェイ」、どれか2つをトッピングすると「フォーウェイ」、3つ全てをトッピングると「ファイブウェイ」と呼ばれる。

「ベジタリアンチリ」
ベジタリアン・チリあるいはチリシンカーンは、肉の代わりに豆を主体としてタンパク質を補ったチリである。色々な野菜を刻んで加えたり、数種の豆を加えて味に変化をつけることが多い。

「その他」
ホットドッグに豆の入らないチリをかけた「チリドック」や、ナチョスのトッピングとしても人気がある。ルイジアナ州に近い米作の盛んなテキサス州東部では、ガンボの食べ方に似た、炊いた白飯にチリをかける食べ方がある。

Img_1836

Img_1838

【ガンボ】

「ガンボ」は、アメリカ合衆国ルイジアナ州を起源とするシチューあるいはスープ料理である。

『概要』
「ガンボ」はアメリカ合衆国南部メキシコ湾一帯に浸透している料理である。基本的には濃いスープストック、肉または甲殻類、とろみ成分、および「聖なる三位一体」と呼ばれる野菜(セロリ・ピーマン・タマネギ)で構成される。伝統的に、ガンボ・スープは、米にかける形で供される。四句節の際のガンボ・サーブというルーでとろみをつけた緑色のガンボも存在する。

ガンボは、ルイジアナ州のクレオールの人々の間で一般的であるのを始め、テキサス州南東部、ミシシッピ州南部、アラバマ州、サウスカロライナ州のチャールストン周辺のロウカントリー、ジョージア州どの地域で食されている。通常は寒い時期の料理として知られる。

スープストックは、シーフード・ガンボであれば魚介類、チキン・ガンボであれば鶏肉を使って可能な限り濃く作る。

典型的なガンボは、鶏肉類、甲殻類、豚肉の燻製のいすれかのひとつ、もしくは複数を使う。鶏肉類としては、鶏、アヒル、ウズラなとが使われるのが通常である。地元の甲殻類としては、ザリガニ、メキシコ湾産のカニ、エビなどが使われることが多い。タッソ(ケイジャン・ハム)、アンドゥイユ(燻製ソーセージ)を入れることにより、料理にスモークの香りが加わる。

ガンボはとろみをつけるのにオクラを使うか、フィレ・パウダーを使うかによって分けることができる。いずれの場合においてもルーを加えることは可能だが、近年はルー単体で使うのが通例である。ルイジアナでは、
オクラとフィレを混ぜるのは一般的てはない。

ケイジャンとクレオールのスタイルで分けることもできる。クレオールのガンボで使うルーは、通常ある程度茶色付いているものの色は浅めで、トマトを入れることもあるが、ケイジャンのガンボより濃い色のルーを使用、トマトを入れることはない。

『歴史』
ガンボはルイジアナがアメリカ料理に対して行った最大の貢献であると言われている。この料理の歴史は、複数の文化か出会った18世紀まで遡る。フランス料理のブイヤベースがその基礎とななった。チョクトー族インディアンの使用したフィレ・パウダーと地元の魚介類が加わったことにより、地方色が強まることになる。西アフリカの奴隷たちがオクラを持ち込み、これがルイジアナの台所にもたされた。ガンボの語原はオクラを意味するアフリカの言葉から来ている。ピーマン、トマト、それに調理されたタマネギは、スペインの入植者たちによってもたされた。

ガンボは、使われるとろみ成分によって分類することができる。オクラを使ったもの、フィレ・パウダーを使ったもの、およびこれらを使わずルー単体でとろみをつけたものの3タイプである。近年のレシピでは、オクラ及びフィレ使用のタイプは、更にとろみと風味を付けるために、色の濃いルーの使用を指定しているものが一般的である。伝統的にオクラとフィレ・パウダーは、同じ料理に一緒に使われることはない。しかし、甘い風味を出すために色の浅いルーと粘ったオクラとフィレを調理後に加えるケースもある。

夏にはオクラ、冬にはフィレを使う習慣があり、これがガンボのタイプによっての特定の季節を連想させる要因となっているが、これは厳密なルールではなく、どちらかと言えば一般的な慣例である。例えば、魚介類のみを使ったガンボは通常フィレでとろみを付けることはなく、一方肉のみを使用したガンボはオクラを使用しない。これは、伝統的に漁を暖かい季節に行い、狩猟は寒い季節に行っていた習慣から来てるものである。

Img_1840

Img_1841

 


09/26 スープ料理③

2013年09月26日 | 食・レシピ

【チャウダー】

「チャウダー」はアメリカ合衆国のスープの一種。

魚介類、ジャガイモ、ベーコン、クリームなどを入れて煮込んだ具だくさんのスープ。二枚貝を入れると「クラムチャウダー」、白身魚を入れると「フイッシュチャウダー」、スイートコーンを入れると「コーンチャウダー」、ベイクドビーンズを入れると「ビーンチャウダー」になる。

チャウダーという名称は、米語で食事を意味する俗語「チャウ」が元になったとする説や、フランス語で大鍋を意味する「ジョーディエール」が元になったとする説がある。いずれにしろ、チャウダーはアメリカ合衆国で生まれた料理であるとされる。カナダのケベック州マドレーヌ諸島には「チョード」というスープがあり、これもチャウダーと関係があるとされる。

合衆国は多くの移民により成立した国であるため、一口にチャウダーと言っても、移民元の国によって具材や味付けが異なる。
クラムチャウダーの例を見ると、イギリス移民が多かったボストン市などでは生クリームを多く使い(ニューインクランド風クラムチャウダー)、イタリア移民か多かったマンハッタンなどではトマトをよく使う(マンハッタン風クラムチャウダー)。

Img_1831

Img_1832

【チキンンスープ】

「チキンスープ」は、チキンブイヨンを用いて作られるスープである。鶏を使ったスープは世界各地に存在し、具は地域によって異なる。

『米国のチキンスープ』
アメリカ合衆国では一般的に鶏肉の切り身、ニンジン、タマネギ、セロリから作られ、塩とコショウで味をつける。鶏卵をつなぎとしたエッグヌードルという麺を入れると「チキンヌードルスープ」と呼ばれる。
調理しやすく、比較的安く、栄養に富み、消化しやすいため、病人食や風邪やインフルエンザの民間療法として伝統的に用いられ、俗に「ユダヤ人のペニシリン」とも呼ばれる。多くのヨーロッパ系アメリカ人のおふくろの味の一つである。

作り方は、上質な柔らかい鶏肉を選び、細部まできくれいにし、4分割して、水2800cc、米あるいは精白丸麦大さじ2杯、食塩少々とともにスープ鍋に入れる。弱火で煮込み、灰汁は取り除く。灰汁が出きったところで鶏肉を皿に取り出し、パセリ2枚分をかけ、溶かしバターをかけて食べる。スープは陶製の蓋つき深皿に入れ、温かいままテーブルへ運ぶ。

Img_1833

Img_1835


09/25 スープ料理②

2013年09月25日 | 食・レシピ

【コンソメ】
「コンソメ」は、フランス料理におけるスープのひとつで、澄んだスープでの一種。琥珀色・浅黄色である。

『概要』
もともと「コンソメ」とは、仏語で「完成された」という意味で、中世から見られるようになった。基本的な作り方は、牛肉・鶏肉・魚などからとった出汁(ブイヨン)に脂肪の少ない肉や野菜を加えて煮立てる。こういった製法ではアクが出るが、そこに卵白を加えてアクを吸着させ、さらにそれを漉した後、浮いた脂分を取り除くという徹底した調理方法がとられる。これらの手順は厳密に行われねばならず、見た目は単純だが非常に手の込んだスープである。

完成したスープの色は透き通った琥珀色である。十分煮込むことで具材から色が染み出るが、レストラン等でさらに焦がした野菜やカラメル等で着色し、綺麗な琥珀色を完成させる。

熱いまま出す場合には冷めるのが早い上にゼラチン質を含むため、注意を必要とする。また、冷やして飲む場合もある。多くの場合は様々な付け合わせとともに出され、風味豊であるわりに満腹感を与えないため、コースの始めに食欲を刺激するのに理想的なスープのひとつである。

『種類』
スープの材料、具材等を変えることでいくつかの種類が存在する。

「材料による違い」
牛のコンソメは「コンソメ・ド・ブフ」(脂肪分が少ないので、牛の場合もっとも望ましいのはスネ肉である)、鶏のコンソメは「コンソメ・ド・ボライユ」、魚のコンソメは「コンソメ・ド・ポアソン」、キジやハトなどの野鳥、猟で得られた動物類のコンソメは「コンソメ・ド・ジビエ」と呼ばれる。また風味を増すため、材料に腱や軟骨など、ゼラチン質を含むものがなければならない。

ダブルコンソメという、倍の濃いさのコンソメのレシピもあるが、作り方は様々である。また、かって腱や軟骨などゼラチン質を多量に含む部位のみを、調味料を加えずに煮込んで、果物で風味をつけたものがデザートとして出されていたが、これはゼラチンを用いたデザートの先駆けである。

「具材による違い」
澄んだスープをそのまま飲むことが多いが、具材を入れることで違った風味を楽しむこともできる。

■コンソメ・コロンビーヌ
ウズラの卵、人参、丸くくりぬいたカブ、グリーンピースを具としたコンソメ

■コンソメ・ロッシーニ
フォアグラを詰めたシュー生地を浮かせたコンソメ

■パリ・ソワール
パリの夕暮れの意。ビシソワースの上から静かに冷やしたコンソメを注いだスープ。コンソメを夕焼けに、ビシソワースを雲に見立てて命名された。

『ブイヨンとの混同』
日本ではブイヨンと混同され、「西洋料理に用いる出汁」全般がコンソメと呼ばれることもある。非常に多くの材料と長い時間を要するため、家庭では肉や野菜などから作ることが少なく、固形状の「コンソメスープの素」を溶かしてコンソメ味を作ることがほとんどである。
混同の理由については、味の素の定番商品である固形ブイヨン「コンソメ」の存在が挙げられる。この1967年に発売された固形ブイヨンは、定番商品として黄色と赤のパッケージがスーパーマーケットやコンビニでも必ずといって良いほど見られるが、野菜などの煮込み料理で味付けに使ったり、そのままカップの湯に落として溶かし、コンソメ風のスープとしても飲めるものとして販売され続けている。
また、スナック菓子に「コンソメ味」というフレーバーがつけられているが、これはカルビーが1978年に発売した「カルビーポテトチップス・コンソメ」がヒットしてから一般化したもの。主にブイヨンの粉末をまぶしたものである。

Img_1977

Img_1978

【オニオンスープ】
「オニオンスープ」とは、タマネギを主な素材とした西洋料理のスープの総称である。日本では「タマネギスープ」ともいう。日本でオニオングラタンスープとも呼ばれるフランスの「スーパ・ロワニョン・グラティネ」が最も有名である。他にはドイツの「ツヴィーベルズッベ」、イタリアの「ズッパ・ディ・チポッレ・アル・フォルノ・カラパッチャ」どがある。

『フランスのオニオンスープ』

フランスのスーパ・ロワニョンは、タマネギをバターや油できつね色になるまでじっくりと炒め、ブイヨンを注いでコトコト煮込んだものである。カリッとトーストしたフランスパンの輪切りを一切れスープ皿に入れ、スープを注ぎ、おろしたエメンタールチーズ、グリュイエールチーズまたはパルメザンチーズを振りかけて食べる。家庭ではブイヨンの代わりにポトフの煮汁を転用することもある。

耐熱性の器にスープを注いでからフランスパンを浮かべ、チーズを振りかけてからオーブンに入れ、焼き色が付くまで焼くと「スーパ・ロワニョン・グラティネ」となる。フランスでは二日酔いに効くと言われる。

『ドイツのオニオンスープ』

「ツヴィーベルズッペ」は、ドイツ料理の定番スープである。
一般的な材料はタマネギ、水、調味料のみ。まずタマネギを短冊切りまたはみじん切りにし、油できつね色になるまでじっくりとひいた鍋できつね色になるまで炒める。そのまま鍋に湯を流し入れ、煮詰めて、塩、コショウで味付けする。固形コンソメなども味付けに使われる。チーズやクルトンを上に載せることもある。様々な料理と相性がいい。

南ドイツ風は、バターできつね色になるままで炒めた刻みタマネギに小麦粉を振りかけてさらに炒め、温めたブイヨンまたは牛乳を注ぎ、コトコト煮てから裏ごしし、温め直してから卵黄とクリームを溶いて加える。

『イタリアのオニオンスープ』

エミリア=ロマーニャ州のズッパ・ディ・チポッレ・アル・フォルノは、薄切りにしたタマネギを肉のブイヨンで煮てから塩・コショウで味を整え、耐熱性の器に盛り付け、炒めタマネギを薄く切ったパンに塗ってカリッと焼いたクロスティーニを作って浮かべ、おろしたパルミジャーノ・レッジャーノを振りかけて7オーブンに入れ、チーズが溶けて表面に焼き色が付くまで焼いたものである。

トスカーナ州のカラバッチャは、パンチェッタ、オリーブオイル・刻んだセロリ、人参、バジリコ、を合わせてきつね色になるまで炒めてソフリットを作り、刻みタマネギと塩を加えて弱火でじっくり炒め、、次に辛口の白ワイン、ブイヨン、グリーンピースを加えて弱火で煮込み、おろしたパルミジャーノ・レッジャーノを加えて数分置いてから、パンを一切れ入れた器に注いで供する。

イタリアでは、イタリアのタマネギのスープがカトリーヌ・ド・メディシスの奥入れに伴ってフランスに伝えられ、スーパ・ロワニョンの原型になったと言われている。

Img_1843

Img_1844


09/24 スープ料理①

2013年09月24日 | 食・レシピ

【ブイヨン】
「ブイヨン」とは、フランス料理において用いられる出汁のうち、主としてポタージュやスープの基本素材となるものを指す。
主としてソースの基本素材となるフォンと共にフランス料理の味の基本となるが、野菜から出る甘味がソースのソースの味を邪魔するのを心配する必要がないので、フォンと比べて比べて野菜の味をより強く出す。
牛・鶏・魚などの動物質と野菜などをともに長時間煮込んで作るが、この全体が「ポトフ」、汁の部分を取り出したものが「ブイヨン」である。

簡略化したものとして、挽肉と刻み野菜を比較的短時間で煮込むという手法もある。

なお、日本では商品化された固形調味料の名称としての印象が強いが、「ブイヨン」、「フォン」はそれぞれ出汁の中でも異なる概念であり、コンソメに至っては出汁の部分を徹底的に洗練させたポタージュの一ジャンルであることに注意を要する。

「ブイヨン」とは、鶏ガラを5センチサイズにコンカッセにし香味野菜を8時間ほど煮込んだスープのこと。主にコンソメスープやコーンスープのベースになる。煮込んでいる間はしっかりとエキュメすることが大切である。

『イタリアのブロード』
イタリア料理では同種のものが「ブロード」と呼ばれている。使用する材料により肉のブロード、魚介のブロード、野菜のブロードに大別される。他の料理の素材として使う他に、そのままスープとしても供される。

Img_2602

Img_2603

【フォン・ド・ヴオー】

「フォン・ド・ヴォー」は、フランス料理の基本となるフォンの一種。
フォンは大きく「茶色のフォン」と「白色系フォン」の2系統があり、主にシチューのベースになったり、ソースを作るのに用いられる。素材を焼いてから煮れば茶色、生から煮出せば白色のフォンになる。

フォン・ド・ヴォーは茶色系のフォンの一種である。仔牛の骨やスジを焼き色が付くまで炒めるかオーブンで焼いてから、ブイヨンや水に入れ、弱火でゆっくり煮込む。これにタマネギやセロリなどの香味野菜と香辛料、トマトを加えて、更に煮込んで作られる。
アクや余分な脂肪を根気よく取り除きながら、汁が濁らないように注意して煮込んでいくのが澄んだフォンを作るコツである。

仔牛の出汁は「フォン・ダニョー」、シカ、イノシシ、ウサギやウズラなど野鳥獣の出汁は「フォン・ド・ジビエ」と呼ばれ、これらはいずれも褐色系のフォン「フォン・ブラン」の一種である。フォン・ド・ヴォーを更に漉しながら煮詰めた濃厚なソースは「グラスドビアン」と呼ばれる。

一方、白色系のフォンには、鶏のフォン「フォン・ド・ヴォライユ」や魚のフォン「フュメト・ド・ポワソン」がある。

Img_1946

Img_1947


09/23 玄関置物

2013年09月23日 | 日記

季節の変わり目ということで、我が家の玄関の置物がリニューアルです。全て妻の手作りの陶芸作品です。

壺の窓から「フクロウの親子」の置物。内部に光源を置くと幻想的な雰囲気になります。

Img_0178

球形の明かり取り。同じく光源を中に入れると、図柄のトンボが壁ずたいに飛び出します。

Img_0183

小型の花瓶

Img_0184


09/21 「とんてき」と「鶏ちゃん」

2013年09月21日 | 食・レシピ

【とんてき】
「とんてき」は、三重県四日市市の名物料理である豚肉ステーキ(=とんてき)。
グローブ焼きまたはグローブという呼称を用いることもある。この「グローブ焼き」という名称は、豚肉を食べやすくするため、手のひらの形に切れ込みを入れていることに由来する。

『歴史』
発祥は四日市市内の中華料理店「来来憲」である。「とんてき」は同店の看板メニューであったが、当時は四日市名物として意識されることはなかった。2005年秋に四日市市職員の研修会で、豚肉のステーキに光りを当てようと四日市大学の小林慶太郎准教授が発案したことが、ご当地グルメとしてPRしていききっかけとなった。

2008年には「四日市とんてき協会」を設立し、とんてきマップを作成するなどして本格的な広報活動を開始した。協会の初代会長には発案者の小林准教授が就任している。また、名古屋・栄や東京・渋谷など四日市市外にもとんてきを出す店舗が進出し始めている。
2010年4月に正会員として愛Bリーグに認められ、同年9月のBーグランプリに三重県から初参加している。
同年6月には任意団体から一般社団法人として登録、法人格を取得している。

『特徴』
味付けや肉質は各店舗によって異なるが、四日市とんてき協会は「四日市とんてき」を次のように定義している。
1.黒っぽい濃い味のソース
2.厚切りの豚ロース肉を使用
3.ニンニクを添える
4.千切りキャベツを添える

なお、9月19日の「秘密のケンミンショー」で紹介されたが、これは三重県の名物料理で「名古屋めし」ではないと強く主張している。

Img_1892

Img_1893

【鶏ちゃん】

「鶏ちゃん(けいちゃん)」とは、岐阜県の郷土料理の一つで、鶏肉を使用した料理である。

元々は飛騨地方南部の下呂市や高山市南部、中津川市北部、奥美濃地方の郡上市の家庭料理である。1950年頃から食されていて、地元の精肉店や居酒屋が独自に改良したと言われる。

『起源』
北海道のジンギスカン料理が起源になっていると言われる。日本では1918年に軍隊、警察、鉄道員用制服の素材となる羊毛自給をめざす「緬羊百万頭計画」が立案された。その早期実現のために羊毛のみならず羊肉も消費させることで、農家の収入増加と、飼育頭数増加を企画した。しかし日本人は従来、羊肉を食べる習慣がほとんどなく、産業廃棄物として畑の肥料として使われるような状態だった。この状況下、北海道では羊肉の臭みを消す調理法としてジンギスカン料理が生まれた。その後ジンギスカン料理は他の地域にも広まるが、局所的なものに限られた。

岐阜県においても例外ではなく、かって羊の飼育が盛だった地域でジンギスカン料理が広まるが、一般に普及せず、牧羊が途絶えると同時に消滅した。しかしその調理法を応用して、鶏肉を同様に調理するようになった。これが「鶏ちゃん」の始まりである。羊肉か鶏肉かという違いを除けば、味のついた肉を野菜と一緒に焼いて食するという点において、ジンギスカン料理と同一である。
また「鶏ちゃん」の名称は、同じく北海道の名物料理で、魚を焼く類似の料理「ちゃんちゃん焼き」に由来すると言われる。

『レシピ』
■鶏肉を一口サイズに切り分け、味噌や醤油、塩など様々に調合したタレに漬け込んでおく。
■下味のついた鶏肉を、キャベツやタマネギ、ニンジンなどの野菜と一緒に、鉄板やフライパンで焼いて食べる。
■染み出た肉汁と野菜からの甘さが混ざったタレに、鍋料理一般のように、最後のシメとしてうどんや焼きそばなど麺類を投入することもある。

なお、タレは各家庭、飲食店、製造業者により異なるが、郡上地区は郡上味噌味、下呂地区は醤油味が多い。鶏肉の部位も製造業者によって異なり、鶏の内臓を用いたもの、あるいは混ぜたものもあり、鶏の皮肉と内臓を混ぜたものを当地では「皮きも」と称する。タレには、ニンニクやタマネギの摺り下ろしたもの、ゴマなどを加える場合もある。

なお、9月19日の「秘密のケンミンショー」にて紹介されたが、岐阜県民は強く「名古屋めし」ではないと主張していた。

Img_1890

Img_1891


09/20 銘柄米⑧(完)

2013年09月20日 | 食・レシピ

【どまんなか】

「どまんなか」は、山形農業試験場で「中部42号」と「庄内29号」の交配によって作られた。1987年「山形35号」として系統名が付され、1992年、一般公募した名称を元に「どまんなか」と命名された。由来は、庄内平野のどまんなかにある山形県農業試験場庄内支場で生まれたため。
「ササニシキ」を越える良食味を持ち、倒伏しにくい品種である。冷害抵抗性は中程度。

Img_1877

Img_1878_2

【あさひの夢】

「あさひの夢」は、愛知県農業総合試験場で、1985年、「愛知70号(後のあいちのかおり)」に「愛知56号(後の月の光)」と「愛知65号」を掛け合わせて育成された、固定品種である。
その後、1987年に固定選抜を行い、系統選抜法に従い、良質・良食味で縞葉枯病抵抗性を持つ品種の育成を目標に選抜固定を進めてきた。
1989年、「あ系602号」の系統名を付し、生産力及び各種の特性を調査し、有望と認められたので、1992年に「愛知93号」の系統名を付した。その後、1996年4月に種苗登録申請を行った。

愛知県では、1994年から東部支場において奨励品種決定基本調査、1998年から現地展示圃場に供試し検討を続けてきた結果、早植「月の光」対照で、品質・食味などの特性が優れていると認められた。

食味は平均的コシヒカリと同等の「特A」で、どちらかというと、あっさり味で、コシヒカリほど主張しないので和洋どちらの料理で、おかずの味を引き立てることができる米である。

名前の由来は、おいしい「旭米むの性質を受け継いだ、改良した人の夢が実現した品種、である事に因んで命名された。

Img_1762

Img_1763


09/19 銘柄米⑦

2013年09月19日 | 食・レシピ

【あやひめ】

「あやひめ」は、1992年に北海道立上川農業試験場で交配した「AC90300」と「キタアケ」との雑種後代から育成され、2001年2月、北海道の奨励品種に認定され、同年10月農林水産省に「水稲農林376号」として登録された。
「あやひめ」の出穂期、成熟期は従来米の「はなぶさ」より1日程度早い「中生の早」。傷害型耐冷性は「やや強いから強」。葉いもち病圃場抵抗性は「中」。玄米収量は「はなぶさ」にやや優。玄米品質は「はなぶさ」並みで、アミローズ含有量は「彩」や「はなぶさ」よりやや低く、低温年を除き白濁し、その程度は「はなぶさ」並み。玄米・白米白度は「はなぶさ」より高い。

炊飯米の白度が高く、粘りが強く、柔らかいため食味の評価が高く、「はなぶさ」に明らかに優る。一般粳米との混合評価も同様に高い。
以上のことから「あやひめ」を「はなぶさ」に替えて普及することにより、北海道米の食味向上と安定生産、販路拡大が図れると期待されている。

米の澱粉分子にはアミローズとアミロベクチンという種類があり、アミローズが低いほど、粘りが強くなる。「あやひめ」は小粒で白度の高い米であるが、もち米ではない。もち米にはアミローズを含んでいない。
この粘りが食べる人によって長所にも短所にもなってしまうため、万人受けする品種ではない。
柔らかい品質なので、他の品質に比べ吸水時間が少なくてもフックラと炊き上がり、玄米のままでも食べやすい品種である。

『低アミローズ米』
「低アミローズ米」とは、通常のうるち米に比べてアミローズの含有量が少ない米である。粘りが強く、冷めてもあまり食味が低下しないのが特徴である。
うるち米には17~23パーセント前後のアミローズが含まれているが、低アミローズ米にはアミローズが5~15パーセント前後しか含まれない。なお、もち米のアミローズは0パーセントに近い。
米の澱粉はアミローズとアミロペクチンに分けられる。アミローズの少ない米は相対的にアミロペクチンが多くなる。アミロペクチンが多いと澱粉の粘性は高まる。

Img_1875

Img_1876

【キヌヒカリ】
「キヌヒカリ」は、1988歳に水稲農林290号「キヌヒカリ」として命名登録され、1989年に種苗法による品種登録された。農林水産省北陸農業試験場で育成された。
交配組合せは、「収2800/北陸100号」と「北陸96号」。

コシヒカリと比較すると、草丈が短く、耐倒伏性が強い。食味もコシヒカリ程度である。一方、縞葉枯病に弱く、穂発芽性もやや劣る。
関東地方で栽培する目的で採用された品種であるが、現在の主な生産地は近畿地方である。作付面積の多い県は兵庫県・滋賀県・埼玉県。2005年度の品種別作付面積では、49304ヘクタールで第五位てである。

Img_1760

Img_1761


 09/18 銘柄米⑥

2013年09月18日 | 食・レシピ

【ゆきひかり】
「ゆきひかり」は、1980年代後半に北海道の稲作の重要品種である。

『概要』
1984年に北海道立中央農業試験場で育成された品種。「空育114号」の系統番号で試験され、北海道の優良品種となった。「北海230号」、「巴まさり」、「空育99号」の3品種を交配して開発された。当時としては良食味と耐冷性を両立した品種として注目を集め、ピーク時の1989年には北海道内における作付面積が70681ヘクタールに上がるなど急速に普及した。特に北海道産米の難点とされてきた食味の点で高い評価を受け、従来は米の出品は避けるのが慣例だった東京のデパートの北海道物産展に、史上初めて出品されたほどであった。

しかし、「冷めるとぱさつく」などの難点を持ち、1988年に新たに登場した「きらら397」に味の面で劣った。そのため急速に「きらら397」に取って代わられ、作付面積を減らしていった。

『アレルギー』
ところが近年、「ゆきひかり」がアトピー性皮膚炎や米アレルギーなどの症状を持つ患者に対し症状を軽減する効果が高いという噂が広まり、それらの患者の間でじわじわと評判が高まっている。中央農試が行ったアンケート調査においても、「ゆきひかり」並びに高度精白米により症状が改善したと答える割合が他の品種に比べ高いという結果が出るなど、「ゆきひかり」がアレルギー症状改善に貢献している可能性は高いものと見られいる。

ただし、中央農試では、「ゆきひかり」の成分自体は他の品種と大差ないの調査結果も同時に明らかにしており、なぜ「ゆきひかり」がアレルギー症状の改善に効果があるのか、そのメカニズムは今のところ不明である。
一部では、「コシヒカリ等に含まれるモチ遺伝子が「ゆきひかり」に含まれていないから」といった説も唱えられているが、この説も十分な科学的検証を経たものとは言い難い。ただし、パッチテストにおける反応性は明らかに「ゆきひかり」が他のイネの品種より低いことから、今のところの原因は何らかの細胞性免疫によるものではないかと推定されている。

また、北海道大学農学部では「ゆきひかりは、腸内フローラの改変を介して免疫応答を修飾する結果、アレルギー改善作用を発揮する」と言う仮説のもと、研究を進めており、「ゆきひかり」の摂取により腸内細菌の変化を介した腸管粘膜のバリアの強化により、腸管におけるアレルゲンの透過が少ないことが関係すると推察した。
中央農試では、「ゆきひかり」による食餌療法を行う場合は、逆にアレルギー症状が悪化した例もあるので、医師の指導の元に行うことを推奨している。

Img_1757

Img_1759

【おぼろづき】

札幌市の北海道農業研究センターにより育成された品種。「北海292号」の系統番号で試験に供試され、2003年に水稲農林389号「おぼろづき」として命名登録された。交配組合せは「空育150号(あきほ)」ときらら397の培養変異「95?37」である。

平成17年に「北海道の幻の米」と北海道で話題になり、平成18年から本格的に栽培が始まった。販売元・ホクレンからは、「米」という漢字の成り立ち八十八よりひと手間かけた「八十九」というブランド名が付けられ販売され、人気のため品薄になった。

名前の由来は「米が白くかすんだ色」に見えることがあるため。「春の夜に霞んで見える朧月」にちなんでいる

当初、注目されなかったが、2004年、札幌テレビ放送のバラエティー番組の「1X8いこうよ」の食味試験結果により脚光を浴び、大ブレイク。今日の作付拡大につながった。

Img_1752_2

Img_1753

Img_1873


09/17 銘柄米⑤

2013年09月17日 | 食・レシピ

【ななつぼし】
北海道岩見沢市にある北海道立中央農業試験場が育成した品種。「空育163号」の系統番号で試験され、2001年に北海道の優良品種として採用された。北海道空知管内産の良食味米である。

長所としては「ほしのゆめ」並みの良食味で、穂ばらみ期の耐冷性が強く、収量性はやや高い。短所は耐倒伏性に劣り、割れ籾がやや多く、いもち病抵抗性が不十分である。

Img_1743

Img_1744

【ゆめぴりか】

「ゆめぴりか」は、北海道立上川農業試験場により育成された品種。きらら397の培養変異である「札系96118」と「上育427号(ほしたろう)」との交配組合せである。「上育453号」の系統名で供試された。
品種名は一般公募された(ピリカはアイヌ語で美しいの意味)。

『概要』
2008年に北海道の優良品種として採用された優良食味米で、一般栽培が開始される2009年度米より市販が開始されたが、この年の天候不順で販売数量が当初の生産・出荷見込み数量の1割弱の800トン程度しか確保できなかったのに加え、前評判の高さから品薄状態が続き、数週間で販売終了に追い込まれた。

このため、「ゆめぴりか」として出荷基準に達しなかった規格外米と、「おぼろづき」を8対2でブレンドした米を追加販売することが決まった。規格外米は一般市販される予定が無かったが、入手できなかった消費者からの要望にこたえる形で決まったものである。

「ほしのゆめ」や「ななつぼし」はおろか、道産米随一の「おぼろづき」すら凌ぐとされるその食味は、「コシヒカリ」並みとの評価もあり注目されている。また、収量面で「きらら397」を下回る「ほしのゆめ」や「おぼろづき」よりは多収である。しかし、食味に影響するアミローズ含有量は「おぼろづき」より高い。

北海道を例にとると直近100年間で平均気温が2度以上高くなるほど、水稲の栽培適地が北上しつつある現状がある。それに適応するがごとく、幾分かの耐冷性と引き換えに食味と収量が向上する「ゆめぴりか」は、次期主力銘柄として広い適地見込みもあって期待されている。なお、早晩性や分けつ性等その他の特性はおおむね現在の主力道産米に似る。

Img_1748

Img_1749

 


09/16 銘柄米④

2013年09月16日 | 食・レシピ

【きらら397】
「きらら397」は、北海道産の品種で、1990年品種登録。それまでの不味い北海道米のイメージを一新した品種である。

「育成と普及」
北海道立上川農業試験場で育成された。1980年に始まった北海道における「優良米の早期開発試験」事業の中で研究が行われた。
1980年に試験交配が着手され、1982年以降に数度の系統選抜を経て、奨励品種決定調査へと進んだ。「上育397号」の系統番号で試験され、1988年1月の会議で出席者の全員一致により北海道の奨励品種(優良品種)となった。名前の「きらら」は、きらめく様子・白い米のイメージから一般公募の中から選ばれた。

交配組合せは、母が「渡育214号(後のしまひかり)」、父が「道北36号(後のキタアケ)」である。「しまひかり」は「コシヒカリ」の血を引く良味品種であったが、北海道で栽培するには耐冷性に問題があった。他方の「キタアケ」は早生種で、耐冷性に優れて多収量だったが、食味に劣り、典型的な従来の北海道米の性格を有していた。いずれの品種も1980年当時は奨励品種決定前の開発段階であった。

完成した「きらら397」は、かって「鳥またぎ」とまで揶揄された不味い北海道米のイメージを一新する品種となった。1989年から作付けが始まった「きらら397」は、それまで北海道米のエース的存在だった「ゆきひかり」に取って代わり、道内で最大の作付面積を誇る品種に成長した。1996年の全国的な米余りに際しては一時的に販売不振となったが、ホクレン農業教組主導による外食産業向けの販路拡大などで再び活況を取り戻している。
北海道の良味品種としては、その後に開発された北海道産の良食味米「ほしのゆめ」及び「ななつぼし」の先駆けといえる。

「品種特性」
特徴としては、長所は良食味であり、初期生育が良く、穂数確保が容易であること。短所は耐倒伏性と登熱性に劣ることである。食味に関わる成分のうち、数値が低いほど米の粘り気が増すアミロース値は、奨励品種決定直前の検査では19%を記録し、北海道米としては史上初めて20%を切ることに成功した。同じく粘りなどに関わり低い方が好ましいタンパク値も6.3ー6.5で、やはり北海道産としては小さな値に収まっている。これにより、従来の北海道米に比べると、粘り気があって冷めても美味しい米となっている。

いわゆるブランド米でありながら、コシヒカリなどの他のブランド米の品種と比べて価格が安く、かつ、粒が大きく炊き増えがする事が、また、汁気の多い食材と組み合わせてもふやけないことから牛丼チェーンの松屋、吉野家など丼物を中心とした外食産業で用いられる事が多い。

Img_1739

Img_1740

【ほしのゆめ】
「ほしのゆめ」は、北海道上川管内比布町の北海道立上川農業試験場により育成され、1996年に水稲農林40号「ほしのゆめ」として命名登録れた良食味米品種。2000年に品種登録されている。「上育418号」の系統番号で試験され、北海道の優良品種となった。

「ほしのゆめ」という名称は一般公募され、決定された。名称の由来としては「きらきらと輝く星のイメージが艶のある美味しい米を連想させ、米作りに携わる人や食べる人の夢がかなうように」という思いによる。

「品種特性」
長所は「きらら397」を越える良食味で、傷害型耐冷性が強く、初期分藻が旺盛であること。
短所は耐倒伏性が不十分で、割れ籾が多く、いもち病抵抗性が不十分であること、などが挙げられる。

Img_1746

Img_1747


09/15 銘柄米③

2013年09月15日 | 食・レシピ

【あきたこまち】
「あきたこまち」は、秋田県が独自の良食味品種を目指して開発した品種で、1984年、秋田県の奨励品種となっている。
そもそもの由来が福井県7交配種子を用いて育成されたため、種苗法による品種登録はされていない。そのため、知的財産としての裏付けはなく、隣県の岩手県をはじめ、関東、中四国、九州地方まで広く栽培されている。1991年には作付面積10万ヘクタールを越え、以降作付面積2-4位と上位を維持している。東北地方に限れば、「ひとめぼれ」に次いで作付面積は2位である。

味の特徴は、一言で言うとモチモチとした粘りのある食感。もち米のように粘りがあるので、おにぎりなど冷めても美味しいと評価されている。

「育種目標・経緯」
コシヒカリより早熟でかつコシヒカリの食味特性を持った品種を目指して育成された品種である。地元の要望を受けて、秋田県単独予算の育種事業として品種開発が行われた。

交配組み合わせはコシヒカリ/奥羽292号であり、1975年に福井県農業試験場で交配が行われた。1977年に雑種第一代一固体分の雑種第二代種子を秋田県農業試験場が譲り受け、その年の圃場栽培から後代の育成・選抜を行った。1981年、雑種第六代の選抜終了後、有望系統の雑種第七代種子に「秋田31号」の地方番号が与えられ、1982年以降の各種試験に供された。1984年に秋田県奨励品種に採用され、秋田県湯沢市小野の小野小町生誕にちなみ「あきたこまち」と命名された。

「品種特性」
秋田県内でも冷害など回避して安全に栽培できる熟期であり、秋田県では早生の?を示す品種である。玄米外観品質は特に優れる程ではないが実用上問題はない。炊飯米は外観はササニシキ並みの光沢を持つ。食味はササニシキ・コシヒカリと比較して遜色なく、強い粘りを持っている。ちなみにいもち病に対する抵抗性には優れるものの、ササニシキ期と同じく耐倒伏性には弱い。

Img_1728

Img_1732

【はえぬき】

「はえぬき」は、山形県で作られ、1993年品種登録された。
日本穀物検定協会が認定する食味ランキングにおいて山形内陸産はえぬきが14年連続、山形庄内産はえぬきが12年連続で特Aを認定されたことから分かるように、味ではブランド米の魚沼産コシヒカリに全くひけをとらないが、山形県外での作付けがほとんど無いため、味のわりに知名度が低く比較的安価で取引されている。
冷めても味が落ちないことから、おにぎりや弁当の炊飯米として向いているため弁当業者やコンビニエンスストアからの業務用米としての需要が多く、特にセブン・イレブンのおにぎりの多くに使われているのが山形県産はえぬきであると言われている。

『品種特性』

ササニシキの後継品種を目指し、山形農業試験場庄内支場で「秋田31号(あきたこまち)」と「庄内29号」を掛け合わせ、1990年「山形45号」として誕生した。1991年、公募した名称を基に「はえぬき」と命名された。良食味を持ち、冷害と倒伏に対し強い品種であるが、いもち病耐病性は「やや弱い」。

Img_1734

Img_1736


09/14 銘柄米②

2013年09月14日 | 食・レシピ

【ヒノヒカリ】
「ヒノヒカリ(南海102号)」は、コシヒカリ(越南17号)と黄金晴(愛知40号)交配によって生まれた水稲ウルチ米である。宮崎県総合農業試験場で育成さけた。

1989年に水稲農林299号「ヒノヒカリ」として命名登録され、1990年に種苗法による品種登録された。名前の由来は、西日本(九州)を現す「日」(太陽)と、その飯米が光り輝くさまから。

多くの府県で奨励品種に指定されており、九州を中心に中国・四国地方や近畿地方など西日本で広く栽培されている。1989年に全国累計で1797ヘクタールの作付面積であったが、1999年には133248ヘクタールを記録し、以降ヒノヒカリはコシヒカリ・ひとめぼれに次いで全国第三位の作付品種である。

財団法人・穀物検定協会が毎年行う米食味ランキングにおいて、2001年、熊本県城北産がヒノヒカリで初めて最高ランクの特Aにランクされた。その後もヒノヒカリの産地銘柄が特Aにランクされる例がある。

「品種特性」
早?性は、中性に属する。いもち病、白葉枯病にやや弱く、耐倒伏性かやや弱い。穂発芽性は「難」。ヒノヒカリの収穫適期は、出穂後45日目が標準である。天候やほ場の条件にも左右されるので、籾の約90%が黄変した頃を収穫適期の判断の目安とする。
コシヒカリよりやや小粒。食味は極良であり、上の中に区分される。

Img_1726

Img_1727_2

【ひとめぼれ】
「ひとめぼれ」は、1981年宮城県古川農業試験場において、良食味と耐冷性を併せ持つ品種の育成を目的としたコシヒカリと初星との交配から育成が開始された。1991年に水稲農林313号「ひとめぼれ」として命名登録され、1992年に種苗法による品種登録がなされた。

1993年の大冷害で大きな打撃をうけたササニシキからの転換品種として作付面積を伸ばし、1994年には全国作付面積第二位となった。食味が良いことやコシヒカリより栽培が容易なこともあり、寒冷地以外でも作付けされるようになっている。

『品種特性』
傷害型冷害に対する他冷性は「極強」、食味は粘りが強く「極良」。耐倒伏性はササニシキより強いものの「やや弱」。いもち病抵抗性はササニシキと同程度で、穂いもち圃場抵抗性「中」、葉いもち圃場抵抗性「やや弱」である。
また、食味については、柔らかく冷めても美味しいのが特徴との評判がある。

Img_1723

Img_1724