【フライ】
「フライ」は、英語のdeep fryを指し、おもに魚介類や野菜などの食材に卵白やパン粉をつけて、多量の食用油で揚げる料理。またはその調理法。第二次世界大戦中の日本では、「洋天」と言い換えられていた。
同じ揚げる調理法でも、食材が野菜や魚介類の場合にはフライと呼び、豚肉・鶏肉・牛肉などの場合はカツと呼び分けるのが普通である。
豚カツを代表する「カツ」の調理法と同様であり、魚のフライを「魚カツ」・「フィッシュカツ」と呼ぶ店もあるなど、関連性が見られる。
また、「ソフトクリ-ムフライ」は、ソフトクリ-ムを油で揚げたもので、衣が断熱材の役割を果たすため外側は熱々に揚がっていても中はソフトクリ-ム本来の冷たさを保っている。
(カキフライ)
(フライ盛り合わせ)
【フライ(鉄板焼き)】
「フライ」は、埼玉県北部地域のご当地料理となっている鉄板焼き料理である。住民は単に「フライ」と言うと通常はこれを指す。
行田市は「行田フライ」として商標登録し、全国ブランド化事業を展開している。
「フライ」と呼びながら油で揚げることはなく、鉄板で焼くのが特徴。お好み焼きとクレ-プの中間の食べ物と形容される事もある。
やや緩めに水で溶いた小麦粉を鉄板の上で薄く伸ばし、店舗によって異なるが豚肉や長葱、干海老、切りイカなどのお好み材料を載せて焼く。黄身を潰した目玉焼き状の玉子を入れたり、キャベツを入れる店もある。
焼き上がりに醤油もしくはウスタ-ソ-スを表面に塗り、青海苔を振りかける。生地2つ折りにして、その中にウスタ-ソ-スを浸した揚げパン粉を挟む店もある。
「フライ」の命名者は行田市天満の古沢商店の初代店主と言われている。1925年に近くの足袋工場で働く女性工員に、休憩時のおやつとして出し始めたのがきっかけとされ、当時は「フライ焼きむと呼ばれていた。手頃な値段で手軽に食べられて、なおかつ腹持ちがよいことからファストフ-ドとして親しまれ、多くはこれら工員たちの手を経て地元家庭や市内飲食店に広まって行ったとされる。
後に「フライ焼き」から「フライ」へと名前が省略された。現在では熊谷市~羽生市間の秩父鉄道沿線と鴻巣市の旧吹上地区に50軒ほどの「フライ屋」があり、地元住民には馴染みの料理である。