道彦の散歩道

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2014年11月10日 | 日記

【木彫り熊】

「木彫り熊を土産物ではなく、優れたクラフトであり北海道の文化として見てほしい」。
札幌市在住の造形作家・山里さんが、木彫り熊の写真287点を納めた「北海道 木彫り熊の考察」を出版した。ページをめくると、大正の草創以来の多彩な木彫り熊の世界が表れる。

山里さんのアトリエに入ると、無数の木彫り熊が目に飛び込んでくる。その数大小300体以上。本の資料にするため、4年前からインターネットのオークションや骨董店などで買い求めたという。

木彫り熊は、尾張徳川家の旧藩士らが開拓した渡島管内八雲町が発祥の地。徳川家19代当主の徳川義親さんが大正期、スイスを旅した際、木彫り熊などの民芸品を発見。貧しい開拓農家の副収入にるようにと推奨した。

アトリエには、ガラスが手に入らず、釘で目を表現した八雲初期の熊をはじめ、アコーデオンを弾いたり、巨大なサケを引きずる熊、熊のマスクのなどでぎっしり。

本はこれらの熊に、八雲町開拓資料館などの収蔵作品を加えて収録した。床ヌプリさん、藤戸竹喜さんら彫刻家の作品のほか、「木彫り熊の3大流派」といわれる、八雲、旭川の松井梅太郎さん、空知管内奈井江町の堀井清司さんの熊などを紹介している。

そもそも本づくりを思い立ったのは、木彫り熊が惨めな扱いを受けているのを見たから。「親が亡くなった家なんかで、木彫り熊がよく処分されていた。機械彫りより、古い一刀彫りの熊が捨てられていた」。
「木彫り熊は技がすごくて一朝一夕で彫れるものではない。彫師の気迫と愛情が伝わってくるし、毛の向きが1本1本とても繊細」と語る山里さん。

「素材の木は北海道の森から生まれるし、熊はアイヌ民族にとって位の高い「カムイ」。木彫り熊は優れたクラフトであり、和人もアイヌ民族も近代以降の歴史を越えて共通の思いを持てる北海道の文化だと思う」と。

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