20日の日曜日、神田神保町の古書会館へ行ってきました。
最近手に入れた本『「食道楽」の人村井弦斎』の著者黒岩比佐子さんの最新作
『古書の森 逍遥』の発売を記念しておこなわれたイベント展示会の初日でした。
作家・黒岩比佐子が魅せられた明治の愛しき雑書たち―日露戦争・独歩・弦斎
6月20日(日)~6月26日(土) 於:東京古書会館
イベントの詳細はこちら http://www.kousakusha.co.jp/DTL/kuroiwa.html
この黒岩比佐子さんという作家を知ったのは、ほんの数ヶ月前です。
骨折の直前、2月につくばの登録有形文化財の「宮本家住宅」を見学した時(ブログ)
最後に『婦人宝典』というその家の祖母の嫁入りのときもってきた古書を見せていただきました。
帰宅後その本のことを調べているうちに、当時のベストセラー作家で婦人の生活全般や実務書などの本も書いた
村井弦斎にたどり着きました。
そしてその村井弦斎のことを詳細に調べ上げてサントリー学芸賞も受賞した評伝
『「食道楽」の人村井弦斎』を書いた黒岩比佐子さんというノンフィクション作家のことを知りました。
彼女は「古書の森日記」というブログを書いており、
古書との巡り合いの楽しさや買い集めた古書の紹介などの記事をたくさん読ませてもらいました。
おもに明治大正あたりのものが多いので、私が調べている堅曹さんのことと分野は違うけれど、とても参考になりました。
そのブログに書かれた古書についての部分をまとめて本にしたのが『古書の森 逍遥』です。
展示会ではブログに載っている古書類が出されるというので、とても見たいなとおもったのでした。
午前中早くに会場に着くと、まだ関係者しかきていないようで、
係の人から、今日は著者の方もいらしているんですよ、と言われ、
でもまだ数ヶ月のファンではお顔も存じあげず、驚いて、どの方ですか、などとご本人の前で聞いてしまいました。
そしてにこやかにたたずんでいらっしゃる黒岩さんに大胆にも近づき、
はじめましてと挨拶をし、評伝を読み始めてとても感動していることや
古書はほしいとおもうと買っちゃうんですよね、などと舞い上がって話をしてしまいました。
展示されている古書をじっくりとみせていただき、
とても見たかった大隈邸の台所の口絵がのっている雑誌があったり、
評伝を書くためにつくったというノートも飾られていて興味深く、堪能させてもらいました。
全部見終わってまた黒岩さんの所に行き、評伝を書こうとおもったきっかけを尋ねたり、
写真を一緒に撮らせてもらったりと、お会いできた嬉しさにとんでもない行動ばかりしてしまいました。
でも、たおやかで微笑みをたやさず、私が速水堅曹という人物をしらべている話を少ししたら、
ぜひがんばってください、とこちらのほうが励まされてしまった。
ああ~、いい歳してはずかしい。
その後は千代田図書館でも黒岩さんの集めた歌舞伎座に関する古書が展示されているので、
それを見に行き、ついでにいろいろ資料となる本を読んできました。
忘れられない一日になりました。