堅曹さんを追いかけて

2002年(平成14年)9月から先祖調べをはじめた速水家の嫁は、高祖父速水堅曹(はやみけんそう)に恋をしてしまったのです

一年を振り返って

2008-12-31 11:55:31 | あいさつ

12月31日。

とうとう今年も最後の日となりました。


Cimg6933 来年の富岡製糸場の織物カレンダー飾りました。



一年間の反省を書こうとおもいながら、今日になってしまいました。

ブログを読み返してみました。

自分で書いていながら、こんなこともあった、こういう事を学んだんだ、なんて

忘れていたこともだいぶありました。

記録に残しておくという意味ではブログはとても有効ですね。



年のはじめに、今年の抱負は実行できないと恥ずかしいから書かない、なんて

いっていますが、全体の反省としては、思ったより実りの多い一年だったようにおもいます。


  堅曹さんのモニュメントの完成にはじまり、

  それを文章にまとめることによって、堅曹さん以前の速水家の先祖のことを

  徹底的に調べることができた。それが夏の姫路の旅へとつながる。


  速水の本家の奥様からの話により、堅曹さん以後の速水家の流れがわかってきた。

  貴重な写真や文書のご提供もありがたかった。


  また、夢酔い人Kさんのご尽力で、堅曹さんの兄姉の系統の親戚の詳細や

  堅曹さんの趣味の謡曲のことがあきらかになった。


  そして、毎月の前橋と横浜の勉強会やそれに関する研修での成果も

  一年前の自分の知識と比べると、あきらかに進歩している。


  そして最後はなんといっても、想像もしていなかったフランス・リヨンへの旅。

  行きたいとも行けるとも今年はじめには考えていなかった。



  

これら挙げればきりがないほど、自分にとっては得たことが多かった一年でした。

こうしたことをやらせてもらえる自分の立場や周りの理解、協力に感謝します。

本当にありがとうございました。


そしてこんな私的なことを書いているブログを読んでくださった皆様に感謝いたします。


   どうぞよいお年をお迎えください。




横浜開港資料館

2008-12-28 03:54:30 | 資料

少し前のことになりますが、クリスマスイブの24日、横浜へ行きました。


用事は夕方からだったので、朝から出かけ、

時間まで横浜開港資料館で調べものをしました。


Cimg6920  横浜開港資料館 正門


ここは旧イギリス総領事館で、ペリーが横浜に上陸したときの錦絵に描かれている

「玉楠(たまくす)の木」が残っていることでも有名です。


Cimg6923_2  中庭にある「玉楠の木」



ここの閲覧室は地下にあるのですが、

本当に小さな、学校の図書室といった感じの部屋です。

しかし、幕末からの近代の資料はものすごいものがあります。



先祖調べを始めたばかりの頃から、何回も通っています。

堅曹さんの新聞の死亡記事はここで見つけました。

堅曹さんの長男のプロフィールもここにありました。

そして今日はリヨンの続きで、同伸会社のことを調べにきました。


リファレンスが学芸員のかたで、とても詳しく相談にのってくれます。


同伸会社の『生糸商況報告』を教えてくれて、読んでみました。

リヨンの駐在員からの情報が「佛國書信抜萃」として載っています。

当時は郵便の手紙がひと月かかっていたことがわかりました。

それでも最新の情報として、生糸業者にどんどん知らせていたのが

文面から読み取れます。



そんな資料をみながら、ふと手にとった人事録。

ぱらぱらと索引をみていると、速水○○と堅曹さんの次男の名前があります。

私の曾おじいさんです。(うちは堅曹さんの次男の系統です)

いそいで、読んでみました。

昭和12年当時の職業、経歴や住所、家族等がのっています。


昔は大衆版でもこういったものがたくさんだされていたのですね。

今では、考えられないです。

ということは、これから先百年も経って、私のように先祖のことを調べようとしても

現代の人のことは全くお手上げですね。

そんなことまで考えてしまいました。



この資料は本当にうれしかったです。

いままで次男のことも随分調べたのです。

遠く秋田にまでいったこともあります。

それでも出ないときは出ないのです。

それが、こうやってふとしたときに出てくるのです。

不思議ですね。



なんだかとてもうれしくて、

「あの世からのクリスマスプレゼントかしら」

などとおもいながら、賑やかな夕方の街に出ました。


フランスの旅 報告会&写真交換会

2008-12-21 23:46:37 | 旅行記

フランスの旅行記全部書いて、やっと一息。

もしかしたら、旅行中よりくたびれたかも。(笑)



12月19日午後、富岡製糸場でその旅行報告会と写真交換会が開かれました。


Cimg6894  富岡製糸場 門


Cimg6897  製糸場 繭倉庫


Cimg6895  製糸場 事務所


行って来ました。

また、みんなに会えるのかと思うと、ワクワクしました。




富岡製糸場は堅曹さんが働いて、住んでいた場所で、唯一建物が残っている場所です。

製糸場に行くと、

ここにいたんだ、ここで仕事をしていたんだ!

14年間もここに住み、この地に立ち、

この空を、山を見ていたんだ! とおもうだけで、うれしいですね。

いつもそんな感情をもってしまいます。





Cimg6898  報告会を行なった製糸場食堂入り口


参加者の8割はあつまったでしょうか。

市長さんから挨拶があり、その後、順番にひとりづつ旅行の感想を述べました。

  世界遺産についてとても勉強になった、

  交流会で知り合った人と有効な話ができた、

  パリやリヨンの町の素晴らしさに驚いた、

  お腹もこわさずおいしいものが食べられて満足、

等々みんなそれぞれにとても楽しかったようです。


わたしもとてもよかったと感想を述べ、

旅行記をブログに書いたので、良かったらブログ読んでみてください!

と話しました。

パソコンをやらない方もいるとおもい、旅行記を印刷して綴じて2冊ほどもっていきました。


Cimg6901  フランス旅行記


A4に印刷したら、なんと63ページにもなってしまいました。

ブログだとボリュームがわからなくて、ただズラズラと長~く下に伸びていくばかりですから。


すでにPCで読んでくださった方もいて、

「とてもおもしろかった」という、うれしい言葉もいただきました。


富岡市からは、集合写真3枚と写真を収めたCD、ビデオ撮影をDVDにしたものを

いただきました。


Cimg6908  集合写真やDVD


みんなとは、それぞれうつっている写真を交換。

鼻めがねかけて、メモをとったり、デジカメとってる自分の姿が多くて、

あれあれやっぱり歳ですね~、と苦笑いです。




旅行中ずっと一緒だったイングリッシュ・ティーチャーのⅠさんが仕事で欠席だったので、

桐生のSさんと、帰りに彼女の仕事場に寄りました。


また3人で懐かしく旅行のこと、これからのことたくさん話しました。

ひと月前には全く知らなかった人と、一週間共に旅をして、

こんなに仲がよくなるなんて。

お互い縁があって出会ったんだねえ、とつくづく語りました。


フランスの旅⑨ 帰国

2008-12-15 01:41:52 | 旅行記

とうとう日本へ帰る日となりました。

11月29日。

リヨンから又空路でパリに出て乗り継ぎ、日本へ一直線です。



荷物を朝7:00までに部屋のドアの前に出し、朝食をとって出発です。


Cimg6780  右の大きいほうが私のトランク


リヨンの空き時間で本屋さんにいって本を買ったり、マーケットで買った布地もありで、

そうでなくても最初から重いトランクが、MAXに重くなってしまいました。

ちょっと心配・・・。



ずっと一緒だった桐生のSさんはシルクマーケットに出品しているので、

まだリヨンに残ります。

一緒に朝食を食べながら、楽しかった旅行のこと、一人で帰ってくることの不安、

成果が出るのを祈っているからね、

と尽きない話をしました。


仕事で残られる方たちがバスを見送ってくれました。


Cimg6784  ピンボケですが


さようなら~。がんばってね~。とこちらも手をふりました。



今日は霧がでていてサン・テグジュペリ空港も来たときとは違う雰囲気です。


Cimg6789  霧にかすむ空港


エルメスで買い物した時にもらった免税書類を手にカウンターにいき手続きをしました。

次はいよいよトランクを預けます。

重さは....30kg!


どうりで重いはずです。

超過料金の説明を受けたら、え~!と思うほど高い。

どうしよう、と思ってオタオタしていたら、

隣の係りの人が、

「団体でトランクの軽い人もいるから、通してOKよ」(フランス語だから、多分そんな内容)

と私の係りの人に言ってくれて、追加料金なしで預けることができました。

ふう~。難関突破です。




国内線を一時間ちょっと乗って、パリに着きました。

Cimg6793  国内線搭乗機


シャルル・ド・ゴール空港。

乗り継ぎの時間は1時間15分あります。


添乗員のKさん、なんかピリピリしています。

私なんか、ちょっとでも時間あったらチョコレートぐらい買おうかな~、

なんて悠長にかまえていたら、トイレ終わったら、ドンドン国際線のほうに歩いていきます。


遠いのです。

広いのです。

そしてものすごく人がたくさん。

みんなはぐれないように必死でついていきます。


ふと、誰かが「○長のSさんがいない!」と言いました。

みんな見回します。

ザワザワ。

添乗員のKさん、顔がこわばります。

すぐに携帯でSさんを呼び出し、現在地にくるよう指示しています。



いつもいつも、人数かぞえて、確認していたKさん。

きっと乗り継ぎに関しては、それこそ乗り遅れたら大変なことになるので

あせっていたのだと思います。

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国際線の入り口でもう一度手荷物検査が行なわれました。

空港職員がする前に、警察官がパスポートのチェックをするという厳重さです。

検査もすごくきびしい。

ブーツや靴は必ず脱がされる。 コートもカーディガンも。

パスポートまで機械を通される。


なかなか進まない。

そして搭乗ゲートから、今度はバスで飛行機まで移動。

時間がかかるはずです。

添乗員のKさん、わかっていたからピリピリしていたんですね。



団体で添乗員さんにくっついていくだけの私たちは、のんびりしていました。

旅行中ずっと私たちのお世話をしてくださったKさん、本当にありがとうございました。


   いつも買い物で集合に遅れ気味だったのに、いやな顔ひとつせず、

   曲がり角で大きく手をふって「こっちですよ~」と待っていてくれました。


   食事中はみんなの飲み物の希望を聞いて、注文して、と

   椅子に坐っている暇もありません。

   でもサササっと、すごい勢いで食べて、

   終わり頃には飲み物代を集めて計算して支払い。


   にこやかに! スピーディーに!

   見ていてすごいな~と感心してしまいました。




そんなこんなで、Sさんもすぐに来て、飛行機にやっと乗り込み、一路成田です。



Cimg6800  AF276便


Cimg6803 遠ざかるフランスの町


また、坐りっぱなしの12時間弱。

映画をみたり、レシートの計算したりしていました。


一緒の並びのTさんが途中で軽食のカップヌードルを持ってきてくれました。

「スパイシー」と書いてあります。

日本で売られているのより小ぶりの容器。

ちょっとピリッとして本当にスパイシーなお味。

おいしかった。


Cimg6810  Cimg6811

  Tさんサンドウィッチもアイスクリームも持ってきてくれました。ありがとう。


帰国後、新聞の記事に

機内食のカップヌードルは高度の違いで沸点が80~85℃なので、

その温度で美味しく戻り、伸びにくい麺にしてあるのだと、書いてあるのを読みました。

なるほどね~。



さて夜が明け、日本の上空にやってきました。

あまり眠れず、足も行きよりバンバンになって、さすがに疲れを感じます。


成田に近づいて、ずっと窓から外をみていると、

あ!富士山!が。


Cimg6831_2  クリックするともう少しよく見えます。


いそいで隣のⅠさんに声をかけると、

「行きに見たときより裾まで真っ白になっているね~。」と。

そうだ、行きは8合目ぐらいまでの冠雪でした。


この一週間で日本も一段と冬に近づき、山には雪が降ったんだなあ、と思いました。


   「富士山、行きにお姿を拝見できて、私のジンクス通りいい旅になりました。

    ありがとう!」


って心の中でつぶやきました。



成田到着は日付が変わって

11月30日、9:05。

晴れ。

最後まで天気に恵まれた、最高のフランスの旅でした。


     Merci beaucoup, A bientot !

   

    


フランスの旅⑧ エルメス工場 市民交流会

2008-12-12 00:58:12 | 旅行記

リヨン2日目の続きです。

11月28日。


お昼を食べたあと、いよいよエルメスの工場見学に行きます。

「ブコル」(MAISON BUCOL)というエルメスグループの工場です。


Cimg6756 MAISON BUCOL


ここはデザインを主にしているところで、実際に製品を作る工場は100kmほど

離れたところにあるそうです。

まず1970年からのコレクションが15000も置いてある部屋に案内されました。


Cimg6738_2 コレクションのある部屋



この工場の200年もの歴史の話を聞きながら、19世紀の見本帳や日本風のデザイン帳、

布地のサンプルなどを見せてもらいました。


Cimg6740   Cimg6746


Cimg6751    Cimg6752


これらはただ保存しているだけではなく、

今でも「想像の源」として活用されているそうです。



次は隣の部屋に案内されました。

こちらは特に貴重なものがあるところだそうです。(ですので、写真はダメ)


18世紀にマリー・アントワネットが着ていたシルクのドレスを見せていただきました。

とても小柄な人なのがわかります。


そして、今回日本からきてくださったので、特別に

当社にある19世紀の日本の資料をお見せしましょう、といって、

奥から本を持ってきてくださいました。


『國華』です。

驚きました。


これは明治22(1889)年岡倉天心らが日本の古美術を内外に紹介しようとして

発行された美術雑誌です。

現在も1000号を越えて発行されています。


大判のハードカバーの本でした。

ただ、中身に本文はなく、たくさんの日本の植物や花鳥風月のデザイン画が入っていました。

多色刷りで、とてもきれいです。

20世紀初頭のものである、と言っていました。


その他、『美術海』という明治35(1902)年、京都発行の雑誌があります。

『LE JAPON』という1885年5月、フランス人発行の本もあります。




19世紀後半、Tomioka Silk を初めとして多くの日本の生糸がフランス・リヨンに

輸出されていたが、その糸で織られた布地を見つけることは大変に難しい。

けれど同じ時期、日本のデザインがフランスのシルク製品にこのような形で

影響を与えていたことが、これらの本が残されていることによって確認できたことは、

とてもうれしく、ちょっと興奮してしまいました。

大変に貴重なものを見せていただきました。




さて、こうやって一日シルク関係の充実した見学がおわり、

フランス最後の夜はリヨン市民との交流会が行なわれました。

添乗員さんに、

「持ってきた中で一番いい服を着てきてください。」といわれて、

皆、おめかししていざ会場へ。


会場の第3区役所には富岡製糸場のフランス語版のビデオが流され、

パネルが張られ、パンフレットが置かれています。


Cimg6768  富岡製糸場のビデオ


リヨン側から第3区区長その他の挨拶があり

日本からは富岡市長、商工会議所会頭の挨拶、


Cimg6771 ご挨拶


そして、シャンパンで乾杯!


Cimg6769 シャンパンタワー


総勢7、80人くらいはいたでしょうか。

でもフランス語が話せないのに、交流会といっても困ります・・。

見回すと、フランスに滞在している日本人の方が何人もきているようです。

そういった方達と話をしてみました。


リヨンに美術史の勉強で長く滞在し、織物やシルク関係にも詳しい女性の方、Wさんと

話が弾みました。

私が先祖調べが高じて、リヨンまできた話をすると、とても興味をもってくれ、

今回時間がなくて、同伸会社のあったあたりの写真がとれなかったことをはなすと、

後日写真を撮って送ってくれるという。


良かった~。これでこの旅の目的も達成できそうです。

最後の最後まで、とてもうれしい事が続きました。



ホテルへもどり、最後の夜を惜しむように何人かで近くのレストランへいき、

いつまでも話をしました。

つづく。