堅曹さんを追いかけて

2002年(平成14年)9月から先祖調べをはじめた速水家の嫁は、高祖父速水堅曹(はやみけんそう)に恋をしてしまったのです

つくば 蚕影神社と宮本家住宅

2010-02-25 23:53:17 | 日記・エッセイ・コラム

さて、日曜日、真壁・登録有形文化財を完全制覇したところで、

まだ、明るいからと、自動車で20分ほどのつくば市の蚕影(こかげ)神社へ向かいました。

実は3年ほど前、筑波山のほうから1人で行ってみたのですが、道に迷って断念したことがありました。

それからいつかもう一度、とおもっていました。



この蚕影神社というのは、蚕影山神社ともよばれています。

各地にある蚕影神社はすべてここの御分霊で、ここが本社のようなもの。

だから「日本一社」と拝記されています。

それはここが古から伝えられているお姫様が蚕となった「金色姫伝説」の地であり、

故に養蚕の発祥の地といわれているからです。



筑波山の麓にある田井小学校横の道の突き当たったところに神社はありました。

Cimg2412 蚕影神社入り口

案内の看板にはすでに万葉集にこの地の繭の句があると記されています。

Cimg2399 看板

道からすぐに急な石段になっていて、かなり上のほうに社殿はありそうです。

どこまで続くか先が見えない、手すりもない古い石段の下に立って、

なんかやばいな、と。


Sさん、トントントンと登っていきます。

最初の鳥居までは何とか。

でも足が上がらない。

真壁でさんざん5時間も歩き回っているから、私にとってはすでにオーバーウォーキング。


Sさんに

「どんどん先に行ってください。あとから行きますから」と言うのが精一杯。

2番目の鳥居の所までくると、息も上がってきた。

Cimg2411_3 振り返るとこんな感じ

上から

「鳥居を3つくぐると神社まできました!」という声が。

Cimg2402 3の鳥居が見えてきた

そうか、まだ半分だ。

自分ひとりだったら多分ここで戻っている。

Cimg2410 もう一息、拝殿が見えてきた

がんばって、やっとこさ到着。

あとで調べたら205段あるのだそうです。(ふぅ~)


山の上の神社です。

拝殿はそれほど傷んでいないが、だ~れもいない。

Cimg2408 拝殿 屋根の鬼瓦には「蚕」の文字が

寂れています。

すぐ下の休憩所は家屋が壊れている。

拝殿の隣の額堂には奉納された立派な額が中にも外にも飾られている。

Cimg2409 額堂

昭和50年代までのものが確認できた。

ここは特に養蚕、蚕種業の人々に信奉されていたので、長野や栃木あたりからのものもある。

一気に衰退した養蚕業とおなじように、あっという間に参拝者が途絶えた感じがした。


養蚕の本山ともいえるこの神社の拝殿に手をあわせました。

  「富岡製糸場が世界遺産になりますように。・・・」



下りは足元にもっと気をつけて、慎重に降りました。

入り口にあるお土産屋さんでは、土産物以外に御札も売っていて、

名物の蚕影羊羹を買いました。

Cimg2439_2 Cimg2440 蚕影羊羹 「養蠶大當利」が時代を感じさせる




さて、この近くの北条という地区に登録有形文化財が1ヶ所あるというので、

そこにも行ってみることにしました。


「宮本家住宅」です。

江戸時代からの醤油醸造の店蔵で全部で8棟が登録されています。

Cimg2413 店蔵

Cimg2414


外観を写真に収めてから、建物に近づいてみると、中に入れそうです。

すぐに家人の方が出てこられて、いろいろと説明をしてくださった。

奥のほうに蔵がいくつもあり、一つは一昨年音楽演奏ができるホールに替えて

ウイーンフィルのコンサートもしたという。


ご主人も出てこられて、奥までどうぞ、ということで登録されている物件をすべてみせてくださった。

Cimg2421 穀蔵(この中が音楽ホール)

穀蔵だったものを、音蔵(音楽ホール)にかえた中も案内された。

普段は特大のスクリーンを備えた、ご主人のAVルームとなっています。

Cimg2428 音蔵のなか

すばらしい!

しばしサラ・ブライトマンの歌声に酔いしれる。


店蔵へ戻って、江戸時代から使っていた銭函や秤などの商売道具や

Cimg2433 銭函

当時のシャッターといえる揚戸(あげど)をおろしてみせて下さったり、

最後は祖母の嫁入りの品という風呂敷に包まれた明治42年刊の『婦人宝典』を拝見。

まあ、本当に貴重なものを次から次へと見せていただき、とても楽しかった。

ご主人ありがとうございました。(ご主人のブログにはこの家のことが書いてあります)



外にでると、とっぷりと日は暮れて暗くなり、大急ぎで家路につきました。

ご一緒させていただいたSさん、本当にありがとうございました。

一日をフルに活動して、たくさんの文化財を見ることができ、とても勉強になりました。


真壁の登録有形文化財100ヶ所制覇!

2010-02-22 23:55:21 | 日記・エッセイ・コラム

ひなまつりで有名な茨城県の真壁にいってきました。


今「登録有形文化財めぐり」がマイブームだというSさんに誘われて、

雛人形ではなく、真壁の文化財を見にいきました。

Sさんによると、真壁は登録有形文化財の日本一の密集地だそうで、

48の場所に104棟の登録物件(←クリックすると地図が見れます)があります。

(1ヵ所に一つではなく、複数の登録があるので)



久しぶりに晴れて気温があがり、行楽日和となった日曜日です。

ぞくぞくと真壁の町に人が集まってきます。


この日午前10時半より

ボランティアガイドさんによる有形登録文化財を中心とした街中案内(ひなまつりではなく)があり、

最初はそれに参加しました。

町の中心部をぐるっと1時間半ほどかけて、44の登録文化財を見ました。

ひなまつりを見にきている人で町の中はごった返しています。

昨年は1ヶ月で10万人も来場したとか。

天気もいいし、風もないし、歩いて見てまわるには絶好でしょう。


その人込みの間を私達は建物をメインに見て、中に飾ってあるお雛様をちょこちょこっと見て、という感じで、

ガイドさんとはぐれない様にとたいへんでした。

なにもこの混雑する時期に建物を見にいかなくても、といわれそうですが、

Sさんによると、

ひなまつりの時だからこそ、普段は入れない登録文化財の建物も開放されていることが多いし、

中まで入れるチャンスもある、ということらしい。


ボランティアガイドの案内で見学した有形登録文化財をいくつか・・・。

Cimg2136 旧真壁郵便局

Cimg2128 三輪家住宅

Cimg2271 潮田家住宅

Cimg2257 村井醸造

Cimg2239 猪瀬家住宅 

Cimg2249 塚本家住宅

Cimg2200 橋本旅館

Cimg2195 雛人形

Cimg2182 雛人形

Cimg2189 中村家住宅

Cimg2285 木村家住宅

等々、見世蔵や旅館、土蔵、小学校などもあり、

薬医門もたくさん残っており、門ですらこれなら、主屋はどれほどだったか、とおもうばかりです。


ガイドさんによる見学がおわり、さあ、後は二人で残りを全部見ようと決めました。



まずは、中心地よりすこし離れた場所にありますが、

製糸関係の建物だというので、ちょっと期待していきました。


それは「谷口(やぐち)家住宅」といい、

真壁の近代化を支えた谷口製糸所建物群と旧家住宅建物です。

江戸時代から続く旧家で、明治期になって座繰り製糸をはじめ、

明治14年に蒸気をつかった器械製糸所をつくったという。

Cimg2322 谷口家住宅

Cimg2314 門と店舗

Cimg2315


ちょうど地元の方がいらしたので、この製糸所の話しを聞くことができた。

県内有数の製糸所として発展し、昭和40年代まで操業していたという。

真壁には他にも大きな製糸所がいくつかあり、横浜へ糸を運ぶため、鉄道までつくったという。

それがいまは廃線となった筑波鉄道(土浦~真壁)。

製糸所の敷地は2万坪!で、工場はもうないが、蔵は残っており、

工女達の寮はいまはアパートとして使われているという。

Cimg2321 製糸所 蔵


裏に回ってみると、そのアパートがあり、製糸所の一部ではないかとおもわれる建物や、

井戸、煉瓦に囲われた何かの機械、などを見ることができた。

Cimg2329 工女の寮跡

Cimg2323 谷口製糸所の碑

そして、そばには製糸所の碑や谷口氏の顕彰碑もあった。

主屋のほうは実にしっかりと残っており、歴史を感じさせる風格がある。


Sさんと二人で、

群馬にこのくらいしっかりと残った製糸関連の建物があったら、

絶対世界遺産のリストにはいっているね、と話した。

しばし明治期の製糸所跡に感動していた。



さて、有形文化財の旅館のなかで昼食をとり、

腹ごしらえも済んだところで、あとは残り全部を見るために精力的に回ります。

離れたところが多いので、結構歩きました。

Cimg2308 町の通り

鋳造所の建物や醸造所、旧家の長屋門などが多い。

いくつか紹介します。

Cimg2373 市塚政一家住宅

Cimg2386 小林商店

Cimg2359 北岡家住宅

Cimg2374_2 市川章一家住宅

Cimg2365 西岡本店

Cimg2338 鈴木醸造

Cimg2341 鈴木醸造

場所によっては武家屋敷のような雰囲気である。

そうやって終に午後4時前には104ヶ所全部の有形登録文化財を見ることができました。

完全制覇です。

すごい!


Sさんがどんどん効率よく道順を考えて連れて行ってくれたので、

私は付いていくだけ。

しかも全部制覇といっても、ただゲームのように回るのではなく、

住んでいる人の話を聞いたり、建物全部と登録有形文化財の証明のプレートもすべて写真に収めます。

そしてどうしてこの地にこんなに古い建物がたくさん残ったのか、

町の歴史や変遷を考えたり(というか私は教えてもらうばかりですが)、

町づくりの様子を話したりしながら、建物を見てまわりました。



さて、これで真壁の見学はおわりましたが、

まだ陽があるから、と急遽つくばにむかいました。

そう、日本の養蚕の発祥の地といわれている「蚕影(こかげ)神社」に行ってみることにしたのです。

その話しは次回に。

つづく。


男子フィギアスケートといろいろな調べもの

2010-02-20 01:38:20 | 日記・エッセイ・コラム

今日(19日)は午後からいったい何回高橋大輔のスケートの滑りを見たんだろう。


昼食後にそのまま椅子に腰かけて、男子フリーの競技を見続けてしまった。

「感動した!」ってどこかの首相みたいだけど、本当にそうおもった。


ショートプログラムの滑りもすごく良かった。

このショートの後のインタビューで

「緊張を力に変えられた」と語っていた。

それなら大丈夫だろう、と確信していた。

高橋大輔選手、本当にメダル獲得おめでとう!




さて、そんなこんなでちょっと生活のリズムがくるっていますが、

ここ数日、堅曹関連の調べものに、はまっています。


少しづつですが「速水堅曹の生涯」について書いているのですが、

気になるところは資料をひっくり返したり、

興味のある本を片っ端から読んだり、

その間に知人から新しい情報が寄せられたり、と

フラフラしてばかり。


しかし、

今日はいままで漠然としか描けなかった堅曹さんの若い頃(下級武士)の

江戸での仕事の様子が具体的にみえてきて、

ちょっとうれしいのです。

それは、高輪の川越藩下屋敷の武士長屋の詳細画を見ることができたからです。


堅曹さんは嘉永7(1854)年と安政2(1855)年に数ヶ月づつ

江戸の下屋敷へ品川台場の仕事のためにやってきます。


ここ数日でその品川台場の当時の様子や仕事の内容、住んでいた武士長屋の様子、

そして川越藩の下屋敷、中屋敷、上屋敷の場所もわかりました。

頭のなかでだんだん地図が組み立てられ、だいたいの行動範囲がつかめてきます。

もうすこし調べを詰めて、最後は実際に歩いてみれば完璧です。


ちょっと面白くなってきた。

少しあたたかくなったらやってみよう。

でもそんなことしてたら、いつまでたっても先に書き進まないですね。


原三溪市民研究会の設立総会

2010-02-15 10:40:30 | 原三溪市民研究会

寒い日が続いていますね。

先週は遠出が多く、ちょっと疲れ気味。

9日は伝道師協会の会議で高崎まで、

12日は歴史ワーキングの勉強会で前橋まで。

そして13日の土曜日は横浜で原三溪の市民研究会。


相変わらず、この勉強会の日は雨。

『原三溪翁伝』を輪読するため、この1,5キロ以上ある本をもっていかなくてはいけない。

荷物が重~い。


さて、この日は例会がはじまる前に

市民研究会のホームページを作るための打ち合わせがあった。

先月決めた役員、運営委員達があつまり、HP制作会社の方と具体的な相談。


例会は、前半に4月からの体制の設立総会をおこなった。

会則や予算も審議され、全員が承認。 成立。

着々と新しい原三溪市民研究会の準備が進んでいます。


後半は『原三溪翁伝』の輪読。

「公共貢献」というところで、

大正9年の大恐慌によって七十四銀行が破綻を迎える。

横浜の経済が大きく揺らいだこの時、原三溪が救済に奔走します。

その結果、日銀から破格扱いで特別融資を受け、整理することができ、

横浜銀行の前身である横浜興信銀行となった。

この時の苦労が三溪の命を縮めたといわれる。


こういった内容を担当者が発表して、皆で討議をします。

なかなかに充実した輪読会でした。



帰りは東京の西葛西にまわり、友人たちと新年会。

「海鮮トマト鍋」なるものを食べて、体はとっても温まり、

久しぶりの歓談で楽しかった。


佐滝さんのラジオ出演

2010-02-11 00:03:58 | 日記・エッセイ・コラム

世界遺産マイスターで、

『世界遺産の真実』や『旅する前の世界遺産』などの著書もある

NHKディレクターの佐滝剛弘さんがラジオに出演します。



2月16日 午後8:05~8:55

       NHKラジオ第一「おしゃべりクイズ!疑問の館」

          http://www.nhk.or.jp/r1/quiz/ (←クリック 番組のHPです)



クイズ形式で毎回ひとつのテーマについてタレントと共に深めていく番組で、

今回のテーマは「世界遺産」。


だから、いつもは制作するほうなのに、

ゲストで出演することになってしまったそうです。

絹産業遺産群についても言及できたら、といっています。


番組では

「あなたが興味のある世界遺産はどこですか?」

というリスナーの声を募集しているので、

たくさんのメールをおくってください、ということです。



番組のHPで過去の放送内容をみるとおもしろそうです。

必ず聴こうっと。