リヨン2日目の続きです。
11月28日。
お昼を食べたあと、いよいよエルメスの工場見学に行きます。
「ブコル」(MAISON BUCOL)というエルメスグループの工場です。
ここはデザインを主にしているところで、実際に製品を作る工場は100kmほど
離れたところにあるそうです。
まず1970年からのコレクションが15000も置いてある部屋に案内されました。
この工場の200年もの歴史の話を聞きながら、19世紀の見本帳や日本風のデザイン帳、
布地のサンプルなどを見せてもらいました。
これらはただ保存しているだけではなく、
今でも「想像の源」として活用されているそうです。
次は隣の部屋に案内されました。
こちらは特に貴重なものがあるところだそうです。(ですので、写真はダメ)
18世紀にマリー・アントワネットが着ていたシルクのドレスを見せていただきました。
とても小柄な人なのがわかります。
そして、今回日本からきてくださったので、特別に
当社にある19世紀の日本の資料をお見せしましょう、といって、
奥から本を持ってきてくださいました。
『國華』です。
驚きました。
これは明治22(1889)年岡倉天心らが日本の古美術を内外に紹介しようとして
発行された美術雑誌です。
現在も1000号を越えて発行されています。
大判のハードカバーの本でした。
ただ、中身に本文はなく、たくさんの日本の植物や花鳥風月のデザイン画が入っていました。
多色刷りで、とてもきれいです。
20世紀初頭のものである、と言っていました。
その他、『美術海』という明治35(1902)年、京都発行の雑誌があります。
『LE JAPON』という1885年5月、フランス人発行の本もあります。
19世紀後半、Tomioka Silk を初めとして多くの日本の生糸がフランス・リヨンに
輸出されていたが、その糸で織られた布地を見つけることは大変に難しい。
けれど同じ時期、日本のデザインがフランスのシルク製品にこのような形で
影響を与えていたことが、これらの本が残されていることによって確認できたことは、
とてもうれしく、ちょっと興奮してしまいました。
大変に貴重なものを見せていただきました。
さて、こうやって一日シルク関係の充実した見学がおわり、
フランス最後の夜はリヨン市民との交流会が行なわれました。
添乗員さんに、
「持ってきた中で一番いい服を着てきてください。」といわれて、
皆、おめかししていざ会場へ。
会場の第3区役所には富岡製糸場のフランス語版のビデオが流され、
パネルが張られ、パンフレットが置かれています。
リヨン側から第3区区長その他の挨拶があり
日本からは富岡市長、商工会議所会頭の挨拶、
そして、シャンパンで乾杯!
総勢7、80人くらいはいたでしょうか。
でもフランス語が話せないのに、交流会といっても困ります・・。
見回すと、フランスに滞在している日本人の方が何人もきているようです。
そういった方達と話をしてみました。
リヨンに美術史の勉強で長く滞在し、織物やシルク関係にも詳しい女性の方、Wさんと
話が弾みました。
私が先祖調べが高じて、リヨンまできた話をすると、とても興味をもってくれ、
今回時間がなくて、同伸会社のあったあたりの写真がとれなかったことをはなすと、
後日写真を撮って送ってくれるという。
良かった~。これでこの旅の目的も達成できそうです。
最後の最後まで、とてもうれしい事が続きました。
ホテルへもどり、最後の夜を惜しむように何人かで近くのレストランへいき、
いつまでも話をしました。
つづく。
コメントありがとうございます。
たぶんフランスのテレビに出ていたきれいな女性タレントに似ていた方ですね!
お世話になりました。
一緒に行かれた方に読んでいただけて、とてもうれしいです。
充実した内容の旅行で本当に参加できて良かったと思っています。
またどこかでお会いしましょう。