2月最初の日曜日、
町田市民文学館ことばらんどで催されている
常盤新平 -遠いアメリカ-展
1月17日(土)~3月22日(日)
を見てきた。
詳細は町田市のHPを
町田市民文学館入口
展覧会会場入口
会場
わたしにとって常盤新平さんは好きな作家のひとりだが、
かつてのご近所さんでもある。
15年以上前に住んでいた東京の下町のマンションでご一緒だった。
同じころに入居し、10年間ほどである。
娘さんがうちの娘と同級生だった。
展覧会をみていて、
ちょうど初めての小説『遠いアメリカ』で
直木賞をとられたころだったとおもいだした。
よく編集者がマンションを訪ねてきたり、
戸外で取材を受けたりしているのをお見かけした。
きっとお忙しい時期だったのだろう。
こちらは乳飲み子を抱えた育児真っ最中で、
公園で遊んだり、保育園の送り迎えのときなどにお会いし、
挨拶を交わしたりした。
常盤さんは翻訳者から出発して、作家になり、エッセイなどもよく書かれていた。
2年前に亡くなられたあと刊行された『東京の片隅』を読んでいたら、
「いまも「わが町」」というタイトルで、あのマンションのある町のことを綴っていた。
暮らしが楽しかったこと、近所の人たちと親しく付き合ったこと、
明るく活気のある町だったこと、歩く楽しさを知ったこと等々、
それらを好ましく思い出して、
「私はいまだにあの町を「わが町」だとおもっている。」と結んでいた。
エッセイにでてくる町の様子や小さなできごとの描写は頷くことばかりだ。
読んでいて懐かしさに満たされた。
同じ時間、同じ空気を共有していたんだと感じる。
当時忙しくて読み損なった『遠いアメリカ』を
今、読んでみようとおもう。