年頭にあたって、
104年前の明治44年(1911)1月に 速水堅曹が書き残した言葉を紹介します。
「栽者培之 傾者覆之」
「栽(た)つ者は 之を培(つちか)い 傾(かたむ)く者は 之を覆(くつがえ)す」
と読むそうです。
「青常」は堅曹の号。
これは『中庸』のなかの言葉で、天が万物の生育のことをいっている文章にでてくる言葉です。
意味は
「(苗を例にすれば)しっかり根付いているものは、さらに養って生育を助けるが、
傾いているものは、引き抜いてしまう。」
かなり厳しい言葉で、含蓄に富みます。
堅曹が最晩年に選んだ言葉だとおもうと、非常に興味深いです。
昨年出版した『速水堅曹資料集』の31ページにこの書の写真が載っています。
蚕業新報社に頼まれて堅曹が揮毫したもので、 実際の大きさがそこに書いてあります。
ブログの写真はコピー機を使って実物大に近く拡大して額にいれてみたもの。
いつも机の上に飾っている。
「道をあやまらず、しっかりやりなさい」と、いわれていると解釈し、
自分への戒めにしているが、 果たしてそうなっているだろうかと心もとない。
今年もさらに、精進しようとおもう。
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