23日は暑さはもどってきたけれど、湿度のすくないカラッとした一日でした。
大学のU先生が群馬県の島村に研究調査に行くというので、
相棒Tさんと同行させてもらった。
Tさんが運転手、わたしは資料を撮影する係りです。
訪問したお宅では、「資料はなにもないんですよ」と言いながら、
古い写真数葉を用意して待っていてくれた。
台紙は傷んでいるが、写真はきれい。
裏書で撮影年月日を確認すると、研究対象の方のご夫婦のそれぞれの写真で
お見合いのときにつかわれた写真ではないかと推察できた。
出だしから、なにかいろいろと発見できそうな予感。
こういうまだ誰も調べていないことを紐解くような調査は、わくわくしてしまう。
そうして次は、大学の先生がいらっしゃるというので30数年ぶりに蔵の中にあった桐箱を開けてみたら、
謄本が入っていた、とそれもみせてくださった。
すごい! 3通の除籍謄本です。
昔のものは一族のことが載っているので、ものすごく重要です。
順番に繰っていきながら、先生が家系を確認していく。
わたしはそれを相棒Tさんに手伝ってもらってどんどんデジカメで写していく。
謄本からは新たな事実が次々にわかってきて、
それはそれはエキサイティングでした。
おおよその人の名前と繋がりをそれらで確認し、話しをきかせてもらい、次に近くのお墓にいく。
本家とその家代々のお墓がずらっと並んでいる。
墓地は整理されたというが、個人の墓がそのまま残されているので、
それをひとつづつお参りさせていただき、拝見する。
すると、今度は墓石に墓誌として文章が彫り込まれているものがあった。
そこに重要な内容が書かれているのがわかり、それを一生懸命読み取ったり、
撮影したりした。
胸が熱くなるような文章だった。
すごいな、とおもう。
墓石に刻字するというのは、残された人々が本当に故人のことを偲び、伝えたいことがあって、
一心でおこなうのだと知る。
おいしい昼食をいただき、その後も話しは尽きず、
例の30数年ぶりにあけた桐箱のなかには「証書だかなんだかも入っている」と言われたので
「それも見せてください、もしかしたら、何かあるかもしれないから」と頼んでみせていただいた。
ご本人たちはたいしたものではない、と言われていたが、
一点一点確認していくと、アッとおもうものがあった。
貴重な資料だった。
やはりこれも撮影をし、やっと全部の調査がおわった。
5時間近くいてお暇した。
次に話しの中にでてきた渡船に乗ろうということで、利根川にいった。
ここは県道のかわりの渡船ということで、無料でいつでも乗れるという。
川風が心地よく、上毛の山々が見渡せ、とても気持ちのいいものでした。
先生が調べている対象の人も昔この船に乗っていたのだろう、
この景色をいつも見ていてのだろう、とおもった。
こうやって現地調査することは、その人の原風景を知ることになり、
それがその人物を解明するのにとても重要で大切なことになるのだとおもう。
島村の養蚕農家や教会も見学し、相棒Tさんに駅までおくってもらい、家路についた。
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