前回のクリスチャン・ポラック氏のカフェ・トークの後日談。
原三溪市民研究会でお世話になっているSさんから紹介していただいたⅠさんより
ポラック氏の著書『絹と光』と『筆と刀』を送っていただきました。
ポラック氏の著書『絹と光』は日仏交流史を多方面から取り上げた内容で、
タイトルからもわかるように、絹貿易によって両国の歴史がつよく結びついている軌跡がつづられています。
たいへんグラフィックな本で、図版が300枚も載っており、
しかも日本語とフランス語の対訳となっているので、とてもステキです。
しかし、もう絶版となっていて手に入れることはできませんでした。
それが今回Ⅰさんのお手元にある本を一冊譲っていただけることになったのです。
そして続編として出版された『筆と刀』も購入しました。
とてもうれしいです。
自分の先祖探しから生糸貿易のことを知りたくて、フランスのことを調べていたけれど、
日仏の交流でよくいわれるジャポニスムという芸術分野も、元はシルクの貿易があったから成り立ったので、
単に芸術だけが行き来していたわけではないということに気がつきました。
フランスは経済的な目的で生糸を求めて日本にやってきたけれど、
とても魅力的な浮世絵があり、日本古来の文化があることを知り、
ヨーロッパの経済が優越だったときにはそれらをどんどん買っていった。
そして生糸貿易がアメリカ優位になりフランスが不況になったときには、
今度は近代化を遂げた日本が印象派の絵を買い、ヨーロッパの文化が日本にはいってきた。
単純に生糸貿易のことだけ見ていないで、その影響をもっと掘り下げてかんがえることが大切で、
そうしてはじめて日仏の貿易の歴史を捉えるということになるんだとおもいました。
最近はだいぶ視野がひろがり、どんどん興味の対象がふえ、
私の好奇心は止まることを知らない勢いとなっています。