今年も「明治古典会 七夕古書大入札会」に行って来ました。(昨年のはこちら)
今朝の新聞各誌に「正岡子規直筆の幻の書」発見の記事がでていたとおもいますが、
それを読んで、おっとそうだ、今日、明日が「七夕古書入札会」だとおもいだし、
いそいで行ってきました。
もちろん私に買えるような値段のものはありませんが、
実物が手にとって見れるというのが最大の楽しみで、
もしかしたら何か発見があるかもしれない、という密かな期待があるだけです。
今回は浮世絵で素晴らしいのがありました。
「東京築地舶来ぜんまい大仕かけきぬ糸を取る図」 明治5年 芳虎
これは堅曹さんが明治3年に前橋で日本最初の器械製糸所をつくったのと同じ
イタリア式の器械が描かれています。
翌年小野組によって東京築地につくられた製糸場の図です。
よく図録などで目にします。
よくよく手にとって細部まで見ました。
工女さんが高下駄をはいているのは富岡と同じだけれど、こちらは袴を着けていません。
着物の裾をちょっと端折ってます。
そして、たすきを掛けて短めの前掛けをしています。
最低入札価格がなんと68万円! 高い!
古書店の方に聞いたら、これはめったに出ないのだそうです。点数が少ないのだとか。
だからとても高い値がついているという。
次に、あっ!こんなのあるんだ、と目についたのが
「大日本内国勧業博覧会 製絲器械之図」 明治10年 国明
私ははじめて見ました。
これは年代からいって、第一回内国勧業博覧会のものです。
器械が富岡製糸場のにすごく似ていています。
フランス式の器械でしょうか。
工女さんはやはり着物でたすき掛けですが、前掛けは長いのをつけています。
履物は高下駄ではなく、ぞうりのように見えます。
見学の人がめずらしそうに見ている様子も描かれています。
こうやって実際にデモンストレーションして器械を見せていたのですね。
このときは製糸関係では27の器械が出品されたそうですが、これはその中の一台なのでしょう。
こちらは入札価格8万円から。
また古書店の方に聞いたところ、この第一回の勧業博覧会のはあまり出ないということです。
多分落札されるのは、5割増しか、倍額ぐらいになるのでないかと言っていました。
第一回内国勧業博覧会は日本で初めての博覧会だったので、繭や生糸の審査方法を誰も知らなくて、
堅曹さんがアメリカでの経験を基に、新たに審査方法をつくりだしたというエピソードがあります。
そんな関わりのあった博覧会のこの浮世絵ほしいなとおもいましたが、とても無理。
これからこんな間近で見ることはないかもしれないので、じっくりしっかり見てきました。
そうそう、新聞に出ていた
正岡子規の幻の書「なじみ集」入札価格2千万円(!)から、というのもしっかり見てきました。
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