7月にはいって、気温が高くなってきましたね。
31度にもなった4日、東京神田小川町の古書会館で行なわれている
「明治古典会 七夕古書大入札会2008」
というのに行ってきました。
古書の入札なんて、なんだか素人のやれるものでもない気がするのですが、
昨年ふとしたことから誰でも入れて入札できると知り、行ってみました。
明治古典会が主催で、主に江戸期初期から現代にいたる古書や史料が中心です。
昨年初めていったときに、これはすごい!とおもって来年も絶対行こうと決めていました。
とにかく本物を間近で、手にとって見ることができる。
手紙、書籍、原稿、浮世絵、写真、書画等々、どれもが納得いくまでページを繰ってみても構わない。
美術館や博物館に並べられれば、ガラスケースの向こう側に飾られ、触ることさえできないものがです。
興味のある方は http://www.meijikotenkai.com/2008/index.php をご覧ください。
今年どうしても見てみたかったものに、「上州富岡製絲場之図」の浮世絵があります。
3枚で一枚の構図になり、並べて飾ると大きいものでした。繰糸場のなかで工女さんが仕事をしている絵柄でちょっと愛らしい人物の描き方です。
状態はいいです。最低入札価格は10万円から。
他に「明治 開化 製絲場の図」という浮世絵もありました。
明治初期の製糸場ですが、どこかはわかりません。目を皿のようにして、みましたが、文字からもわかりません。これは10万からだったかな。
文献では「福島県富国館製絲所」の資料一式というのがありました。
冊子や帳簿の束が一くくりになっているのを、紐をほどいて見てみました。
工女たちとの契約書、現金帳簿や会社の決算書、生糸相場表、そして、海外の取引先に配ったとおもわれる国内の製糸場の英文のガイドブック。これは立派なものでした。
これも10万円から入札でした。
中浜万次郎(ジョン万次郎)の筆の扇面というのも、興味深く見ました。日本にたどり着いて直ぐの頃、世話になった人に扇に英文を書いてさしあげたものだそうです。
これは50万以上の入札でした。
どれもこれも書ききれないほど本物はすごい!と思うのです。
ゆっくりと気の済むまでおよそ2000点の文献をみて目の肥やしです。
万が一、自分の探している堅曹さんに関連するものに出会えれば、という気持ちもほんの片隅に抱えています。
専門家やプロの人たちの間で、こそっと本物を見せてもらい、ああいい勉強になった、と帰路につきました。