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ヴィカス・スワラップ『ぼくと1ルピーの神様』

2009-05-24 14:50:00 | ノンジャンル
 朝日新聞の特集記事「2008年 感動と発見の一冊」の中で推薦されていた、ヴィカス・スワラップさんの「ぼくと1ルピーの神様」を読みました。今年のアカデミー賞を独占した「スラムドッグ&ミリオネア」の原作です。
 18才のウェイターである僕はクイズ番組で史上最高額の賞金を獲得しましたが、不正をしたとして警察に逮捕されます。番組のプロデューサーと懇意な警視総監の命令で僕は拷問にかけられ、無理矢理調書に署名させられそうになるところを、女性弁護士に助けられ、僕はなぜ12問の問題に答えられたかを説明します。二人の人気映画俳優が初めて共演した映画を知っていたのは、親友が男優の方のファンだったが、その男に映画館で痴漢されたから。2問目は番組を盛り上げるために司会者に教えてもらったから。太陽系で一番小さな惑星がプルート(冥王星)と知っていたのは、隣の部屋のアル中の男が娘の飼っていたプルートという名前の猫を殺したから。盲目の詩人についての質問は、以前預けられていたところで盲目の乞食になるためにその詩人の詩を教えられていたから。外交用語「ペルソナ・イン・グラータ」の意味を知っていたのは、以前雇われていた大佐がこの処置を受けていたから。パプアニューギニアの首都を知っていたのは、バーテンをやっていた時に客がハイチの首都の話をしていたから。リボルバーの発明者を知っていたのは、列車強盗を拳銃で殺したことがあったから。インドの軍隊で最も栄誉ある勲章を知っていたのは、同じアパートの住人にそれを授勲させてあげようとしたことがあったから。有名なクリケット選手の成績を知っていたのは、以前の雇い主がクリケット賭博をしていたから。ある女優が最優秀女優賞をもらった年を知っていたのは、以前にその女優に雇われていたことがあったから。そしてシェークスピアについての問題は、息子を助けてあげた英語教師へのテレフォンでクリア、その後に出された問題は正解しますが、司会者に騙されて別の問題に変えられ、休憩中に脅されると僕は逆に司会者が以前に僕が思いを寄せる女性を虐待したことから復讐するつもりであると言い返し、結局改めて出された問題にフィフティ・フィフティを使った上でコインの裏表で正解します。この話を聞いた女弁護士の活躍によって僕は無事に賞金を獲得し、司会者は自殺し、思いを寄せていた女性と結婚し、知り合いの名誉も回復されるのでした。
 よくできた物語ですが、嫌な話が延々と続き、文体もねちっこいので、途中で読むのを諦め、飛ばし読みしました。映画ではどのように処理されていたのか見てないので分かりませんが、あまり期待できないと思いました。インドの悲惨な階級社会の話を読みたい方にはオススメです。