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斎藤寅次郎監督『金語楼の子宝騒動』その1

2020-11-30 01:15:00 | ノンジャンル
 DVDで、斎藤寅次郎監督の1949年作品『金語楼の子宝騒動』を観ました。

 配膳をする娘たち。金太郎(柳家金語楼)「ご飯だぞ!」。大勢の子供たちが階段で降りてくる。「まだ来てない子がいるな。トミコは?」トミコ(美空ひばり)「いるわ」「末子は?」「いるわ」妻(浦辺粂子)「~ちゃんと~ちゃんと~ちゃんよ」。金太郎は食べようとするが、その度に「お代わり!」と子供たちが言ってきて、なかなか食事にありつけない。妻が「代わってあげますからお食べなさい」と言うと、「お父さんは盛りが少ないからだ」と子供たちは言う。遅れて降りてきた娘は「ご飯、もうこれしかないの?」と言い、言葉遣いを金太郎に叱られると、「衣食足りて礼節を知る、よ」と言われてしまう。弟の字引を栄(久我美子)が持っていこうとすると、弟は「勝手に持っていくなよ」と言う。「私以外の人は皆持っているのに。お父さん、買って」と言われ、金太郎は「買ってやる」と言う。 
 銀行の清掃員をやっている金太郎に息子の次郎が近づき、今日は親孝行をしに来たと言い、わんさと金を運んでいるんだろう?とも言う。
 字引を万引きする栄。(中略)
 隣人(花菱アチャコ)「あんたのところの子がうちのキュウリを食べた!」妻「すみません」。帰ってきた金太郎に妻は「子供たちがお腹をすかせています」と訴える。
 トミコの家庭訪問「学校でこんな歌を歌うんですよ。こ~んな~女に~だ~れ~が~した~♪」。トミコ「だって兄弟も大人も歌ってるんですもの」。
金太郎「俺は退職金で商売を始めようと思ってる。人手は十分ある。薬屋はどうだ?」妻「毛生え薬は売らないほうがいいわね。信用の問題があるし」「好きで禿げてるわけじゃない!」「こんにちは」「おじいちゃん、おばあちゃん、こんにちは」「子供を3人も抱えているので、文房具屋を始めようと思うのよ。資金提供をお願いしたいんですけど」。そこへ現れた四郎「今日はお父さんにお小遣いを渡そうと思って」「ありがたくもらっておくよ」。包みを開けると、紙幣が1枚だけ出てくる。「1枚だけか」とがっかりする金太郎。「物騒な世の中で、僕が宿直をしてた時、学校のガラスが割られた。賠償しなきゃいけない」。新たに現れた留子は腕を包帯で吊っていて「会社の自動車の弁償に3万円必要なの」。金太郎「30年間汗水たらして稼いだ金なのに、皆持っていく気か!」
 アイスキャンデーを売り歩いている金太郎。一郎(田中春男)は子供に混ざって野球をしている。「1ヶ月前に会社が閉鎖されたんです。扶養家族6人もいると再就職が難しくて」「これやるから、元気だせよ」と、アイスキャンデーを一郎に渡す金太郎。(中略)
“表彰状 泉山金太郎 十五人の子宝~”。家族が全員収まった記念写真。町会長「産めよ増やせよの精神で、町会全体の名誉だよ」。
 金太郎「おだてに乗って子供をこしらえてきた」。記念写真を額ごと投げ捨てると、隣人の頭にぶつかる。隣人が投げ返すと、金太郎の頭にぶつかる。喧嘩になる2人。
 氷嚢を頭に吊られて寝込む金太郎。起きると薬屋に行き、避妊薬を買おうとするが、隣人に見とがめられ、買わずに帰る。
“集団見合会場”“見合のニュールック、お互いの健康美を認め合うため、必ず水着を着用のこと”という張り紙。
 隣人、かわいい娘を見つけると「うちの子は大学を一位で卒業し、野球選手で、大きな会社で働いている」と声をかけるが、すぐ目移りして、別の女性を追いかける。憤慨する娘。
 金太郎「たのもしい男が一人もいない」隣に座った老女「私もさみしい身の上。あなたが救いの神に見える」。金太郎が逃れようとすると、老女の口から入れ歯が飛び出す。(中略)
 隣人「本人同士が好き合ったんだから仕方がない。が子供はそろばんをはじいてから。だからうちは子供は2人だけ。やたらに作ると貧乏と競争することになる」と言い、金太郎を怒らせる。
 妻「日暮里のお姉さんが」金太郎「とうとう来たか」日暮里の姉さん(飯田蝶子)「トミコはもらわれた方が幸せ」。
 金太郎、トミコに「堪忍してくれ」トミコ「ユキちゃん、手紙ちょうだいね。今日誰と日暮里に行くの?」「父さんとだよ」「輪タクに乗りたい」「どうせ目と鼻の先だ」。泣く兄弟の前で歌うトミコ。(中略)
 妻「操がヒステリーを起こしてる」操「これを見てください」。一郎に解雇を告げる紙。「帰って来たらかみついてやる」。帰ってきた一郎「北海道土産だぞ。これから親子6人。北海道で新しい生活だ」。
妻、玄関先で倒れる。

(明日へ続きます……)

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斎藤寅次郎監督『憧れのハワイ航路』

2020-11-29 03:45:00 | ノンジャンル
 DVDで、斉藤寅次郎監督の1950年作品『憧れのハワイ航路』を観ました。

 ハワイの風景。ギターの弾き語りをする岡田(岡晴夫)。“公会堂設計図集募集 賞金一等30万円”の張り紙。図面に取り組んでいる山口(古川緑波)。山口は「岡田はお父さんがハワイに住んでいて、自分もハワイ生まれ。中等教育を受けるために日本に来たが、戦災でオジャンに。こっちで身を寄せていたおばさんも亡くなった」と小料理屋の夫婦に語る。「いまだ父の居場所がわからない」という岡田。叔母がなくなった後に頼みにしていた音楽の先生の春元先生も亡くなり、小料理屋の夫婦のことをおじさん、おばさんだと思っている、と山口。
 女将は「私にも生き別れの娘が2人いる。姑のいじめに耐えられず、子を残し、家を出た」と語る。
 山口、パン屋の娘に「いつもの一割引きのクズパンを」と言い、娘は「お金なんていつでもいいから」と言う。
 岡田「夜学の先生が首になった。俺の英語の授業が進みすぎるかららしい。」。
 夜。ダンスクラブ。花売りの少女・君子(美空ひばり)。店の者によって店を追い出される。山口は女店員のおかげで客の似顔絵を描かせてもらうが、特徴を強調しすぎて、客は怒り、似顔絵を破り捨てる。喧嘩になりそうな2人の仲裁をする女店員。「30万円になるかもしれない大事な体なんだから」と女店員。
 君子は縄張り荒らしをしたとして、やくざ者に追われる。君子をかばった岡田は最後にもらった月給をやくざ者にやり、君子を救う。
 連れられてきた君子は12歳だと言い、歌を歌う。君子が帰った後、君子が落とした紙を見て、それに「6年A組 川村君子」と書いてあるのを見た女将は「自分の子だ」と言う。
 翌日、君子とその姉の千恵子が小料理屋を訪ねてきて、岡田に自分の作っている人形を昨日のお礼に贈る。
 山口、岡田に「今の子に恋をしたな」。
 君子と千恵子を追ってきた女将「あなたたちは私の子どもよ」君子「おばさんはお母さんなの?」千恵子「思い違いです。別れた後、どれだけ辛い思いをしてきたか。これから人形を届けなければならないので、帰ってください」と女将を追い出す。(中略)
 旦那、女将に「時期を待たなきゃ」。
 君子「こんにちは。姉は行っちゃだめって泣いて言ってる。本当はお母さんに会いたいと思ってる。私もお母さんと呼びたい」。
 君子の歌。(中略)
 君子「岡田さんもおじさんもおばさんに会わせないようにしてる」旦那「思い違いだよ。2階に岡田くんがいるよ」。
 ハワイの絵葉書を君子に見せる岡田。ハワイの風景。君子、岡田に「お父さんがいるからいいわね。私のお母さんはどこにいるのかしら」岡田「ここのおじさんとおばさんはとても親切にしてくれてる。君ちゃんのお姉さんは?」「夜遅く帰って来る」。君子が帰ると、山口、岡田に「やっぱり千恵子さんが好きなんだろ?」。(中略)
 岡田、千恵子に「人形の底に紙が貼ってあったので、返された」。紙には「岡田秋夫さんのところは~です」と書いてある。君子「あたしが書いたの。ハワイに輸出されるって言ってたから」千恵子「それならハワイのバイヤーに聞けばすぐに分かるわ」。(中略)
 パン屋の娘、小料理屋の旦那に「恋の相談がある」「もっと親切にすればいい」。
 岡田の歌。「千恵子さんは冷たい」山口「そんなことない」。
 パン屋の娘、山口に「たまには新しいパンを。私の心づくしです」。
 君子と千恵子、小料理店に「こんにちは。おばさんは?」「神経衰弱だ。いつまでおばさんと呼ぶつもりなんだ? 終いには死んでしまうぞ。心の奥の痛みに苦しんでるんだ。あいつも苦労してきた」。
 千恵子「お母さん!」と言って、女将に抱きつく。君子も。(中略)
 山口、岡田に「親子で抱き合って泣いてる。お前も千恵子さんと結婚しろ。お互い頑張ろう」。
 パンを消しゴム代わりに使う岡田。パンに塗られていたバターで図面はオジャンに。
 パン屋に行った山口、娘に「なぜバターなど塗った? 俺の仕事がダメになってしまった」と怒り心頭。「好意からしたんです」と娘。
 君子の歌とそれを聞く千恵子と小料理屋の夫婦。(中略)
 山口、岡田に「アロハ興業の支配人が岡田さんのお父さんの住所を確認したらしい。千恵子さんと君ちゃんも女将さんらと一緒に住むことにしたらしい。春元先生にさっそく知らせて来い」。
 春元の妻「夫もさぞ地下で喜んでいることでしょう。それからお願いがあります。この娘さんのことを調べてほしい。親戚の結婚相手なんです」。写真は千恵子のものだった。
山口「お父さんからの手紙が届いたぞ」。手紙には、連絡が取れてうれしいこと、こっちに来て一緒に果樹園をしようという内容が書かれていた。
 大型客船。山口「千恵子さんの本当の気持ちを聞いて、ハワイへ手紙を出す」。
 歌う岡田。手を振る人々。映画は終わる。

 美空ひばりにスポットを当てた、ありふれた音楽映画でした。

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田中登監督『実録 阿部定』

2020-11-28 00:48:00 | ノンジャンル
 DVDで、田中登監督の1975年作品『実録 阿部定』を観ました。

昭和11年、東京。待合の一室に居続けている一組の男女の客があった。男は料理店の主人・石田吉蔵(江角英明)で、連れの女はその店の女中・阿部定(宮下順子)だった。
 ふたりが知り合ったのは、定が吉蔵の店で働くようになってからで、間もなく互いに惹かれ合い、関係を持つようになった。ふたりの仲は次第に深くなっていき、やがて共に店を出ると、この部屋にやってきたのだった。それからというもの、ふたりは床を敷き放しで昼夜を問わず情事にふけり、宿代に困ると、定は面倒をみてもらっている大宮先生を訪ねて金を頂戴するのだった。
 昼間から薄暗いふたりの部屋。女中が空気の入れ換えの為に窓を開けようとすると、定は「外の光が邪魔なのよ」とぽつりと言った。そして吉蔵の匂いが逃げないようにと雨戸まで閉めさせるのだった。
 密室の中で、ふたりは飽きることなく肉欲に浸り続けた。それは次第に過激さを増し、首を絞めて快楽を得るようになった。はじめは手で絞めていたが、やがて腰紐を使うようになった。情事の果てに、危うく命を落としそうになるほどグッタリした吉蔵は、一旦店を出る。定は、そんな吉蔵を恨めしく思い、眠る彼の上に股がると紐を首に巻きつけて力一杯締めあげるのだった。心底愛する彼を誰の手にも渡さずに済むのだと思いながら…。
 気がつくと吉蔵は死んでいた。彼のものを永遠に自分のものにするために、定は吉蔵の局部を切り取り、大事そうに持ち歩く。そして部屋にやってきた刑事に名前を聞かれ「阿部定です」と答えるのだった。

 宮下順子さんの代表作の一つで、全編ほとんどがセックスシーンでした。

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ミッジ・コスティン監督『ようこそ映画音響の世界へ』

2020-11-27 01:18:00 | ノンジャンル
 ミッジ・コスティン監督の2019年作品『ようこそ映画音響の世界へ』を、神奈川県厚木市のアミューあつぎにある映画館「kiki」で、一昨日観てきました。
 出演している監督、役者は、私の知っている人だと、ジョージ・ルーカス、スティーヴン・スピルバーグ、ハリソン・フォード、デヴィッド・リンチ、アン・リー、ジェームズ・キャメロン、ソフィア・コッポラ、フランシス・フォード・コッポラ、クリストファー・ノーラン、バーブラ・ストライサンド、ロバート・レッドフォード(かの美男子ぶりは今となっては見る影もありませんでしたが)、レオナルド・ディカプリオ、ジョニー・デップ、ピーター・ウィアーらでした。
 映画はリュミエール兄弟とともに誕生した時から音楽とともにあって、本格的に声を得たのが1927年のアル・ジョルスン主演『ジャズ・シンガー』であることなどについてキチンと触れられ、またステレオ録音を始めたのが『スター誕生』でのバーブラ・ストライサンドであることなど、私の知らないこともたくさん出てきました。
 映画を構成している音は、声と効果音と音楽だと語られ、声は「ライブ録音」(演技を現場で録音すること)と「ダイアログ編集」(不要な音をピックアップし、環境音に置き換えること)と「アフレコ」(聞こえにくいセリフを役者がスタジオで再録し、口の動きに合わせて編集すること)という3つの作業からなり、効果音は「特殊効果音」(より効果的にするために、実際には存在しない新な音を作ること)と「フォーリー」(場面に合わせて、より臨場感を出すために動作音を録音すること)と「環境音」(全ての背後にある音の層を集め、リアリティを出すこと)という3つから構成されていることも語られ、実際にそれらと音楽が作り出される現場のシーンが丹念に描写されていました。
 本作の監督、ミッジ・コスティンはプログラムによると「本作は、ジョニー・デップ主演『クライ・ベイビー』(90)やトム・クルーズ主演『デイズ・オブ・サンダー』(90)、ブルース・ウィリス主演『アルマゲドン』(98)など、ハリウッドに女性音響スタッフがほとんどいなかった1990年代から音響に関する技術を磨いてきたミッジ・コスティンの初監督作。男社会と言われる映画界で長年戦い続けてきた彼女は「男性だけの歴史にしたくなかった」とインタビューで答えており、『トップガン』(86)で初めて女性効果音編集者としてアカデミー賞にノミネートされたセス・ホールや『ラ・ラ・ランド』(16)、『デッドプール』(16)の効果音編集者であるアイ=リン・リーなど、あえて女性音響技術者を多く取り上げることで女性の能力と可能性を示した」と書かれていて、かなりの志をもって本作品を作った方のようでした。
 またパンフレットには「『スター・ウォーズ』(77)を手がけたベン・バート、『地獄の黙示録』(79)で知られるウォルター・マーチ、『ジュラシック・パーク』(93)に携わったゲイリー・ライドストロームといった映画音響界のレジェンドを始め、映画を裏で支えてきた音響技術者たちが明かす、実際の創作と発見。オーソン・ウェルズやアルフレッド・ヒッチコックがもたらした革新、ビートルズが映画に与えた影響、人気キャラクターたちがイキイキとして見える秘密など、映画にとって大事な要素でありながら、今まで語られることがなかった体験を明かす。映画音響とは、観客を作品世界に引き込んでいく未知なる音作り。それに挑み続ける技術者たちの飽くなき挑戦と、奥深き仕事愛を知れば、これからの映画鑑賞も違ったものになるだろう」とも記載されていました。
 パンフレットの最後には出演者たちのコメントも載っていて、そのうちからいくつか転載させていただくと、「音は感情を伝える 映画体験の半分は音だ ジョージ・ルーカス」、「瞬間が永遠になる スティーヴン・スピルバーグ」、「音が与える印象は 映像より ずっと強い だが気づいていない人が多い ウォルター・マーチ(音響デザイナー)」、「音響は水面下の仕事よ でも音の力は計り知れない すばらしい仕事よ パット・ジャクソン(音響編集主任)」、「音楽は救いになる ソフィア・コッポラ」、「人間そのもの バーブラ・ストライサンド」、「映画は映像と音の2つでできている アン・リー」というものでした。
 原題は「MAKING WAVES THE ART OF CINEMATIC SOUND」(波を作ること 映画の音の芸術)。長さも94分という見やすい長さで、とても楽しい時間を過ごさせてもらいました。これから上映する映画館もあるかもしれないので、映画好きな方は見逃せない作品だと思います。

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マット・シュレーダー監督『すばらしき映画音楽たち』

2020-11-26 00:05:00 | ノンジャンル
 マット・シュレーダー監督・脚本・共同製作総指揮・共同編集・共同撮影の2016年作品『すばらしき映画音楽たち』を、神奈川県厚木市のアミューあつぎにある映画館「kiki」で昨日、観ました。
 最初に出てきた固有名詞が何とアルフレッド・ニューマン!(私は彼の音楽が大好きで、特に遺作となった『大空港』は今までで一番回数を見た映画だったりします!)この固有名詞を口にするのはアルフレッド・ニューマンの甥であり、自らやはり映画の歌曲を書くようになったランディ・ニューマンというのも、驚きました。(ランディ・ニューマンがアルフレッド・ニューマンの甥だったなんて、今までまったく知らずに両者の音楽を聴いてきたのです!)
 そこからはエンニオ・モリコーネ、バーナード・ハーマンという名前が挙げられていき、ジョン・ウィリアムスが登場すると、彼の音楽のために多くの時間が割かれ、そしてハンス・ジマーが現在の映画音楽の先鋭であることが語られていきました。
 ただ、エンニオ・モリコーネは西部劇の作曲家とでしか取り上げてられてなく、ベルトルッチと組んだ『1900年』などには一切触れていないところには限界を感じましたし、私の大好きな映画作曲家、ミッシェル・ルグランや、フェリーニ映画にはなくてはならない映画作曲家、ニーノ・ロータなど、アメリカ・イギリス映画以外の映画(英語圏ではない映画)の有名な作曲家にも一切触れていないのは、不満の残るところでした。
 しかし、音楽だけでなく、(エンニオ・モリコーネでは『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』、バーナード・ハーマンでは『めまい』と『サイコ』と『鳥』と言う風に)映画のシーンも見せてくれるし、ジョン・ウィリアムスとスピルバーグが話しているシーンや、スピルバーグのきらびやかな映画群(『ジョーズ』、『E.T.』、『プライベート・ライアン』、『ジュラシック・パーク』『シンドラーのリスト』)の数場面も見られたし、録音シーンもふんだんに見られたので、よしとしなければならないでしょう。
 原題は「SCORE A FILM MUSIC DOCUMENTARY」(楽譜 映画音楽のドキュメンタリー)というシンプルなもの。長さも93分と見やすい長さで、結構楽しませてもらいました。映画好きな方、音楽が好きな方にはおススメの一本です。

追伸 ミシェル・ルグランは昨年亡くなったので、近いうちに彼についてのドキュメンタリーを誰かが必ず撮ってくれるはずです。それを待って、この文章を終えることにします!!

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