gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

私の今年の10大ニュース

2013-12-31 11:29:00 | ノンジャンル
 私事ながら、今年も私個人の10大ニュースを書き残しておきたいと思います。
 第1位「1年のうち3ヶ月半しか働かず」 4月の途中で3年5ヶ月勤めた職場を辞め、それ以降、図書館司書の資格を活かした仕事に就きたいと思いながらも、読みたい本や見たい映画に時間を費やし、終わってみればプー太郎を8ヶ月半分もしてしまいました。宝くじでも当たらない限り、来年は働かないと‥‥。
 第2位「木住野佳子さんと一緒に写真に収まる」 5月26日に河口湖畔でのコンサートに母と行き、木住野さんと母のツーショットの写真を撮らせてもらおうと思ったら、私まで写真に写されることに。できた写真の私は緊張にひきつった酷い表情の写真となっていました。(トホホ)
 第3位「愛川自然観察会のイベントへの参加」 愛川自然観察会のメンバーとして、様々なイベントに参加しました。特に印象的だったのは、6月22日のゲンジボタルの観察と12月22日の野鳥観察でした。
 第4位「映画『悪太郎』との再会」 鈴木清順監督の『悪太郎』は内容をほとんど忘れていましたが、WOWOWシネマで再見して、その素晴らしさに感動しました。
 第5位「増村保造監督映画の発見」 今年は増村保造監督の映画を今までで一番多く見た年でした。『巨人と玩具』『最高殊勲夫人』『黒の超特急』『女体』『好色一代男』『妻は告白する』『濡れた二人』を見て、増村監督作品の凄さに触れた1年でした。
 第6位「ジェフリー・ディーヴァーの復活」 このところ無理などんでん返しが続いていたディーヴァーが『007/白紙委任状』と『バーニング・ワイヤー』で見事に復活を遂げた年でした。『シャドウ・ストーカー』も期待です。
 第7位「東京工芸祭のジャズ研究会の演奏」 毎年楽しみにしているイベントですが、ピアノの岩田くんが3年になる来年は増々楽しませてくれるのではないか、と期待しています。
 第8位「映画『侵入者』」 リンチをリアルに描いた映画として万人の記憶に残る、ロジャー・コーマン監督の素晴らしい映画だと思いました。
 第9位「田植えを初体験」 日本野鳥の会の主催したイベントで、小田原の沼代で田植えを生まれて初めて体験させてもらいました。秋の刈り入れは体調不良で参加できなかったのが悔やまれます。
 第10位「女子カーリング五輪決定」 これだけは私的な出来事ではないのですが、女子カーリングの大ファンとして、どうしても10位以内に入れておきたかったものです。ちなみに私はセカンドの小野寺さんのファンでもあったりします。
 これ以外にも、体験系では、テニスやサッカー観戦をできる仲間ができたり、死刑反対集会に参加したり、高校の同級生の大野和士のコンサートに行って40年ぶりに会ったり、厚木混声合唱団の定期演奏会を聞いて、ソロの方の美しい声に魅せられたり、ヒッポ・ファミリークラブの存在を知ったり、生まれて初めての演劇として『アトムへの伝言』を見たり、念願の大山登山をしたり、母と大分~熊本~鹿児島の旅をしたり、ポール・マッカートニーの最終日の東京ドーム公演を聞いたり、フォレスト・アドベンチャー小田原を体験したりしました。映画では上記以外で『ロング・グッドバイ』、『ロベレ将軍』、ポール・マッカートニーのドキュメンタリー『The Love We Make』、ジャック・リヴェット監督の『ジェーン・バーキンのサーカス・ストーリー』が印象に残り、この1年間で読んだ本106册の中で、特に印象に残った上記以外の本は、川上未映子さんの本、キングの『ビッグ・ドライバー』と『アンダー・ザ・ドーム』、瀬尾まいこさんの『運命の人はどこですか?』に収録されている短編、天童荒太さんの『歓喜の仔』、三崎亜記さんの『逆回りのお散歩』と『玉磨き』、谷川直子さんの『おしかくさま』でした。
 今年は今一つ、読む本に恵まれなかったかなと思います。来年はより充実した1年になることを祈っています。こちらを見ていただいている皆さん、今年もお付き合いいただき、ありがとうございました。

→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

青山真治監督『Helpless』

2013-12-30 12:18:00 | ノンジャンル
 青山真治監督・脚本・音楽の'96年作品『Helpless』をWOWOWシネマで見ました。
 ヘリコプターによる空撮。“September 10, 1989”の字幕。駅に到着する列車と、終点を告げる駅員の声。“9 am”の字幕。空ビンを床に落とすヤスオ。列車に平行してバイクに乗って走るケンジ(浅野忠信)。駅から出てきたヤスオを2人の男が迎えます。一方、精神病院で拘束服を着て看護士と廊下を歩いている男。仮出所したヤスオは、2人からオヤジが死んで組もつぶれたと聞いて、傷害致死で4年も刑務所に入っていた自分がそれで納得するか? と2人に迫ります。ファミレスに入った3人でしたが、1人がヤスオに現金を渡そうとすると、ヤスオはその男をその場で射殺します。“10 am”の字幕。父を病院に見舞いに行ったケンジは、工場で働いていると父に言いますが、父は拘束服とはどういうものかをケンジに説明します。インターナショナルを小声で歌う父。“11 am”の字幕。虫の音がし、ケンジはアパートの窓から工場の4つのタンクを見、やはり小声でインターナショナルを歌います。ヤスオから電話が入るケンジ。“0 pm”の字幕。山中の神社に行くと、ヤスオの妹のユリがいます。ヤスオの左肩を何度も叩くユリ。ヤスオは駅に迎えに来ていたもう1人も勝手に死んだと言い、遺体を埋めます。ケンジはヤスオからカバンを預かり、そのおかげで右腕を失ったと語ります。“1 pm”の字幕。インターナショナルを小声で歌うケンジ。何の歌?と問うユリに知らないと答えるケンジ。ケンジはバイクの後ろにユリを乗せて出発します。公衆電話から父に電話し、取次いでもらえないと怒るケンジ。運河沿いに走るケンジのバイクを横移動で写すカメラ。“2 pm”の字幕。スクラップ置き場にいた男は訪れたヤスオに「親爺はどこにいった?」と尋ねられ、死んだと答えると、腕を折られます。やがて銃声がし、バイクの2人は山中の喫茶店に向かいます。「ここにいやぁ、お兄ちゃんおらんなくなる」と言うケンジ。ユリはバスケットからうさぎを出し、Qちゃんと名付けていると言います。電話はトンネルの近くまで行かないとないと言われたケンジは、そこへ向かいますが、トンネル内で閃光が走り、やがて知人のアキヒコが現れ、ポラロイドカメラのフラッシュでケンジを驚かせていたことが分かります。病院に電話がかかり、ケンジの父の部屋へ看護士が行くと、父は首を吊っていました。“3 pm”の字幕。検問にぶつかったヤスオは、警官を拳銃で脅してパトカーの鍵を遠くへ投げさせ、逃げ出そうとしますが、警官が自分のことをチンピラと呼んだことで、その警官も射殺してしまいます。一方、喫茶店ではアキヒコがユリに話しかけています。テレビの時間を忘れていたと言ったユリは、テレビ番組を見ますが、テレビが壊れていて音が出ないにもかかわらず、熱心にドラマを見ます。店主はユリが暴力団の若い者の妹であることを見抜き、何か悪いことをたくらんでいると見て、ケンジのカバンの中を見ようとしますが、アキヒコが椅子を店主の頭に叩きつけます。怒った店主はアキヒコに掴み掛かろうとしますが、窓の外からケンジが椅子を投げ入れ、ケンカは一旦収まります。ドラマの話をするケンジとアキヒコ。店主はユリのことをアホの子と言い、ケンジと乱闘となります。“4 pm”の字幕。店主とその妻は縛られ椅子に座らされていて、店主は「痛い」という言葉を連発します。アキヒコはパンツ事件の復讐をするため、同窓会で毒を盛ると言うので、ケンジはアキヒコを殴り続けます。店主の妻も「だらしない」と言って夫に腹を立て始め、2人で喧嘩を始めたためケンジは2人の頭をフライパンで殴って殺します。2人の間にアキヒコを立たせて記念撮影をするケンジ。そこへヤスオが現れ、店主夫婦に1発ずつ弾丸を見舞うと、アキヒコを置いて、3人で出かけようとします。ユリに発砲し外すヤスオ。ケンジはユリをバイクに乗せて出発します。“5 pm”の字幕。自殺するヤスオ。“9 pm”の字幕。ファミレスで夜明けを迎えたケンジとユリ。トイレでカバンを開けると、ヤクとヤスオのひからびた右手が出てきました。ヤクをトイレに流すケンジ。席に戻るとユリは消えていて、店を出てユリを見つけたケンジは、Qちゃんが見つかったから一緒に行こうとユリをバイクに乗せて出発しますが、横を見ると一瞬ヤスオの車が見えるのでした。

 “ショット”の映画だと思うのですが、どこがどう面白いのか、私の感性ではよく分かりませんでした。

→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

日本・中国・韓国3国共同編集『新しい東アジアの近現代史(下)』

2013-12-29 12:09:00 | ノンジャンル
 トニー・スコット監督・共同製作の'05年作品『ドミノ』をWOWOWシネマで見ました。“これは真実の物語、おおよそは‥‥”の字幕。保釈保証人となり“賞金稼ぎ”をするドミノが、FBIの犯罪心理学者の尋問を受けています。1千万ドルの現金強奪事件に巻き込まれたドミノは、事件のあらましを語り、最終的に仲間を全て失います。ドミノの母をジャクリーン・ビセット、リアリティー番組のプロデューサーをクリストファー・ウォーケン、よく分からない役をミッキー・ロークが演じていました。いくつものグループが登場し、ストーリーは錯綜し、途中から話を追うのをあきらめて見ましたが、滲んだ画面やズームアップが多用され、ラストの壮絶な銃撃戦も見物でした。ラストに“ドミノ・ハーヴェイの思い出に捧げる”という字幕があり、冒頭の字幕と会わせて、ドミノという女性は実在したのでしょうか?

 さて、'12年に刊行された、日本・中国・韓国3国共同編集『新しい東アジアの近現代史(下)』(副題「テーマで読む人と交流 未来をひらく歴史」)を読みました。上巻のまえがきに書かれていたように、「('05年5月に刊行された) 『未来をひらく歴史』では、日中韓3国の学生と市民が近現代の歴史的事実を正確に理解し、あやまった歴史認識を直すことに焦点をおいた。そのために3国の間で争点となるトピックや事実を中心に内容を構成した。これに対して〈新書〉(本書のこと)では、東アジア近現代史の変化を世界史の流れと関連させて体系的に理解することに目標をおいた。そのため各国史を該当国の委員が執筆する方式を捨てて、章別に執筆を分担し、東アジア近現代史の構造的な変動に焦点をあてて叙述することにした。日中韓3国の国家体制と相互関係の構造的変動を東アジアの国際関係のなかでとらえること、東アジアだけでなく、東アジアを取りまく国際関係、とくに欧米との関係の中で把握することに留意した。
 しかし、構造的変動に関する叙述だけでは、そのなかで生きている民衆の具体的な姿が埋もれてしまいかねない。さらに民衆の活動と交流が近現代史の流れとどのようにかかわるのかが見えなくなるおそれもある。そこで、私たちは、3国の民衆の生活と交流を扱う本を同時につくることにした。すなわち、上巻では東アジア
3国の近現代史の構造的変動を時系列的に扱い、下巻では民衆の生活と交流を主題別に執筆することにしたのである。(後略)」
 では、実際にどういった内容が取り上げられているかというと、「1章 憲法――国の仕組みと民衆」、「2章 東アジアの都市化――上海・横浜・釜山」、「3章 鉄道――近代化と植民地支配、民衆生活」、「4章 移民と留学――人の移動と交流」、「5章 家族とジェンダ――男女の関係・親子の関係」、「6章 学校教育――国民づくり」、「7章 メディア――つくられる大衆意識と感情」、「8章 戦争と民衆――体験と記憶」、「9章 過去を克服し未来へ向かう」という章立てがなされ、アジェンダからグローバル化まで、そしてもちろん慰安婦の問題も取り上げられていました。特に興味深かったのは、戦争体験とその記憶を1つの章を立てて論じているところで、「加害者のなかの被害者民衆」、「冷戦体制下の記憶の断片と内面的な抑制」、「不徹底な過去精算のなかでの多様な集合的記憶の形象化」、「日本社会から排除された少数者の記憶と南北分断」、「侵略と抵抗に対する集合的記憶の強化」といった項目が見られ、「靖国神社式の記憶に対する訴訟と個人の記憶・追悼」と題されたコラムも掲載されていました。
 多くのことが学べる本であるとともに、政治家による靖国参拝が話題になっている今日、参拝している政治家にはもう一度こうした本によって歴史を勉強し直してほしいと切に思いました。

→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

日本・中国・韓国3国共同編集『新しい東アジアの近現代史(上)』

2013-12-28 10:31:00 | ノンジャンル
 今日はビルとラファロが54年前に『Portrait In Jazz』をスタジオ録音した記念すべき日です。改めて、彼らの素晴らしい音楽に、感謝したいと思います。

 さて、'12年に刊行された、日本・中国・韓国3国共同編集『新しい東アジアの近現代史(上)』(副題「国際関係の変動で読む 未来をひらく歴史」)を読みました。まえがきから一部引用させいていただくと、「'05年5月に日本・中国・韓国共同編集の『未来をひらく歴史』を刊行した。それは、私たちの予想を越えて大きな反響を呼び、日中韓3国で30万部以上が発行された。(中略)しかし、『未来をひらく歴史』に対しては、その限界や問題点の指摘もあった。『共通の歴史認識』が十分にあらわれず、未来の平和よりも日本のあやまちを批判することに重点をおき過ぎたという意見、とくに、『東アジア』の観点で歴史を見ると言いながら、実際には日中韓3国の近現代史を並列することにとどまったという批判は、『未来をひらく歴史』の核心的な問題点を指摘するものだった。(中略)
 『未来をひらく歴史』では、日中韓3国の学生と市民が近現代の歴史的事実を正確に理解し、あやまった歴史認識を直すことに焦点をおいた。そのために3国の間で争点となるトピックや事実を中心に内容を構成した。これに対して〈新書〉(本書のこと)では、東アジア近現代史の変化を世界史の流れと関連させて体系的に理解することに目標をおいた。そのため各国史を該当国の委員が執筆する方式を捨てて、章別に執筆を分担し、東アジア近現代史の構造的な変動に焦点をあてて叙述することにした。日中韓3国の国家体制と相互関係の構造的変動を東アジアの国際関係のなかでとらえること、東アジアだけでなく、東アジアを取りまく国際関係、とくに欧米との関係の中で把握することに留意した。
 しかし、構造的変動に関する叙述だけでは、そのなかで生きている民衆の具体的な姿が埋もれてしまいかねない。さらに民衆の活動と交流が近現代史の流れとどのようにかかわるのかが見えなくなるおそれもなる。そこで、私たちは、3国の民衆の生活と交流を扱う本を同時につくることにした。すなわち、上巻では東アジア
3国の近現代史の構造的変動を時系列的に扱い、下巻では民衆の生活と交流を主題別に執筆することにしたのである。(後略)」
 実際、上巻は8章に分かれ、私は2章の途中までと、末章の8章を読みました。内容は詳しく、かつ分かりやすいものでしたが、上巻では特に政治的な事件の記述が多く、ページにびっしりと詰まった活字を目で追うことの負担の方が、内容の面白さを楽しむ度合いを上回ってしまい、全部を読まずに途中で投げ出してしまいました。これは本の執筆者の責任というよりも、東アジアの近現代史を担った人物たちがいかにくだらない政争に明け暮れていたか、あるいはそうしたことに私自身があまり興味を持っていないことを証明したのだと思います。ちなみに末章の「冷戦体制崩壊後の東アジア」の目次を書いてみると、「1節 冷戦体制の崩壊と東アジア」(東欧社会主義とソ連の解体による冷戦体制の崩壊/アメリカの新世界戦略と日本/日米同盟の強化と日本の右傾化/米韓同盟の変化)、「2節 東アジア地域のグローバル化と政治変動」(ソ韓、中韓の国交樹立と中ソ対立の解消/中国の改革・開放とグローバル化/韓国政治の民主化とグローバル化/北朝鮮をめぐる緊張関係の継続)、「3節 東アジアの経済協力と民間交流」(東アジア自由貿易地域の創設へ/民間交流、大衆文化交流の促進)、「4節 東アジアの平和構築への課題」(東アジアに残る冷戦の構図/東アジアの平和構築へ向けて)となっていて、冷戦後、“世界の警察”を名乗るアメリカがいかに日本を含めた周辺国を巻き込んでいったかが具体的に描かれ、また韓流ブームなどもしっかりと記述されていて、好感が持てました。昨年出版されて間もないということもあるかもしれませんが、定価税込2625円のところをアマゾンで2200円代で取引されているということは、“信頼のおける教科書”として評価されているということでしょう。全部を読んでから売るか、それとも常に身近に置いておくか、悩むところです。それほどの魅力に満ちた本であったと思います。

→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

ロバート・シオドマク監督『らせん階段』

2013-12-27 12:03:00 | ノンジャンル
 今日は『スターダスト』を作曲したホーギー・カーマイケルの33回忌です。美しい音楽を与えたくれた彼に改めて感謝したいと思います。

 さて、ロバート・シオドマク監督の'45年作品『らせん階段』をDVDで見ました。
 “ビレッジ・ホテル”の1階にある映画館では『接吻』という題の映画が上映され、子供たちだけでなく、従業員もカーテンの隙間から覗いて見ています。ある部屋で男の目に脅される女性。客として来ていた唖(おし)のヘレン(ドロシー・マクガイア)は、映画が終ると天井で物音がするのが聞こえ、他の客と2階のある部屋へ行くと、若い女性が絞殺されていました。そこから3キロも離れたウォーレン家の家政婦として働くヘレンは、医師のパリーに馬車で送っていってもらうことにします。
 家族のいない君は本来家政婦などではなく、看護婦や教師として働くべきだと言うパリーは、そのうちヘレンが声を取戻すかもしれないと励まします。以前に医者にかかってダメだったと伝えるヘレンに、それは大分前の話だし、医学は進歩していると答えるパリーは、ボストンの専門医に是非診せたいと言います。そこへ少年のフレディが現れ、父の具合が悪いので来てほしいと言い、ヘレンは馬車を降り、フレデイと交替します。
 林の中を進むヘレンと、それを木の陰から狙う黒い人影。警戒したヘレンはそれが兎だと知って安心し、突風に吹かれ、急な豪雨に襲われます。泥の中に鍵を落としてしまうヘレンと、彼女に近づく男。ヘレンはやっと鍵を見つけ、男は襲う機会を失います。寝たきりのウォーレン夫人(エセル・バリモア)は、このところ起こっている連続殺人事件の被害者で、最初に襲われたのが顔に傷のある女、2番目が精神薄弱の娘、今回が足の悪い娘と、障害をもつ若い女性ばかりが狙われているので、ヘレンにも気をつけるようにいいます。閉めたはずの窓が開いているのに気付く家政婦のエマ。
 やがて刑事がウォーレン家の主人の教授に会いたいと訪ねてきます。教授の弟スティーヴは欧州を一周して帰ってきます。夫人はヘレンに今晩のうちに家を出なさいと言い、パリー先生に会いたいとも言い、スティーヴは刑事に今晩は外出していないと言っていたのに、靴が泥だらけなのを教授に見つけられます。
 夫人に呼ばれ、パリーがやってきます。今晩ヘレンをこの家から連れ出してほしい、とパリーに頼む夫人。夫人の治療に必要な薬が無くなっているのに気付いたパリーは小使のオーツに遠くへ買いに行かせます。エマとパリーは一緒に地下室へブランデーを取りに行きますが、エマはわざとロウソクの炎を消し、ブランデーを1本くすねます。パリーは夫人や教授に「ヘレンは今晩連れ出し、しばらく母の家に預ける」と言います。
 そしてパリーはヘレンが幼い頃両親を火事で亡くし、それがショックで口が利けなくなったことを話します。パリーには急患の知らせが届き、ウォーレン家を出ますが、出かけにパリーはヘレンにキスします。パリーとの結婚式を夢見るヘレンでしたが、結婚式での宣誓の声を出せず、現実に戻されます。
 ブランチはスティーヴに以前の教授との仲を追及されて怒り、ヘレンと一緒に家を出ることにします。スーツケースを取りに地下室に行ったブランチは男の目に脅かされ、絞殺されます。看護婦も今日で辞めると言い出し、夫人は以前ここで女の子が井戸に落ちて死んだことがあったと話します。ヘレンはブランチの死体を発見し、そこに現れたスティーヴを犯人だと思って部屋に閉じ込めます。ヘレンはパリーからもらっいた電話先に電話しようとしますが、声がでません。それを聞いた教授は「つながらなくてよかった」と言い、「障害のある者はこの世に居場所はない」と言って、ヘレンに迫ります。警官がやってきて「バリー先生は今夜はこれない」と伝言して帰りますが、ヘレンが警官に助けを求めても、嵐の音で消されてしまいます。ついにヘレンが教授に追いつめられると、夫人が拳銃を持って階段の手すりにもたれて立ち、教授を射殺します。そしてパリー先生へ電話するヘレンは、声が出るようになっていたのでした。

 特に地下室の無気味な影や嵐や落雷の音、被害者に迫るドアップの目などが印象に残る映画でした。

→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/