朝日新聞で紹介されていた、スティーヴン・ジェイ・グールドの'89年作品「ワンダフル・ライフ」を読みました。
1908年、カナディアン・ロッキー山中のバージェス頁岩から5億年前の奇怪な化石動物群が発見されます。その発見者で当時のアメリカ古生物学界の権威であったC・D・ウォルコットは、このカンブリア紀の生物たちを、現生する節足動物のグループとして分類しました。しかし、約半世紀後に展開されたH・ウィッティントンら三人の学者による研究は、彼の解釈に異議を申し立て、バージェス動物群を既存の分類体系のどこにも収まらない、奇妙奇天烈、妙ちくりんな動物だったとしました。それは5つの眼が前方に突き出ていて、?ノズル?状の物が顔にくっついているオパビニア、当時としては最大の動物で円盤のようなあごを持つ恐ろしい捕食者アノマロカリス、幻覚という意味の学名にふさわしい形状をしたハルキゲニアなどでした。この本ではウォルコットの仮説、ウィッティントンの仮説がそれぞれどのような背景から生まれてきたのかを丁寧に論述していきます。
著者も古生物学者なだけに説明は専門的で最初の数十ページを読んだところで先を読むのを断念しましたが、ウィッティントンらによって再現されたカンブリア紀の動物たちの図がふんだんに掲載されているので、それを見るだけでも相当楽しめました。それらはまさに宇宙生物といった感じで、私たちが生きているこの世界とは全く相容れないものであり、それが過去に確かに実在したというのが信じられない思いでした。生物の多様性に興味のある方にはオススメです。
1908年、カナディアン・ロッキー山中のバージェス頁岩から5億年前の奇怪な化石動物群が発見されます。その発見者で当時のアメリカ古生物学界の権威であったC・D・ウォルコットは、このカンブリア紀の生物たちを、現生する節足動物のグループとして分類しました。しかし、約半世紀後に展開されたH・ウィッティントンら三人の学者による研究は、彼の解釈に異議を申し立て、バージェス動物群を既存の分類体系のどこにも収まらない、奇妙奇天烈、妙ちくりんな動物だったとしました。それは5つの眼が前方に突き出ていて、?ノズル?状の物が顔にくっついているオパビニア、当時としては最大の動物で円盤のようなあごを持つ恐ろしい捕食者アノマロカリス、幻覚という意味の学名にふさわしい形状をしたハルキゲニアなどでした。この本ではウォルコットの仮説、ウィッティントンの仮説がそれぞれどのような背景から生まれてきたのかを丁寧に論述していきます。
著者も古生物学者なだけに説明は専門的で最初の数十ページを読んだところで先を読むのを断念しましたが、ウィッティントンらによって再現されたカンブリア紀の動物たちの図がふんだんに掲載されているので、それを見るだけでも相当楽しめました。それらはまさに宇宙生物といった感じで、私たちが生きているこの世界とは全く相容れないものであり、それが過去に確かに実在したというのが信じられない思いでした。生物の多様性に興味のある方にはオススメです。