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山田宏一ほか『教養主義!』

2009-05-12 18:26:00 | ノンジャンル
 山田宏一さんほか全12人の方々が執筆した、'03年発行の「教養主義!」を読みました。12のジャンルで「教養」として知っておきたい50の作品を、その道の達人に列挙してもらおうという企画です。
 12人の執筆者は、映画が山田宏一さん、まんがが村上知彦さん、文学が中条省平さん、エンタテイメント小説が石上三登志さん、児童書・絵本が金井美恵子さん、音楽が萩原健太さん、詩歌が高橋源一郎さん、写真が飯沢耕太郎さん、グラフィック・デザインが和田誠さん、ノンフィクションが井家上隆幸さん、思想が鷲田清一さん、洋書が片岡義男さんという蒼々たるメンバーです。それぞれの執筆者によって選択する基準は異なりますが、金井さんが書かれているように「ブック・ガイド的企画の欠点は(中略)紹介されている本を実際に読むことへと、いわば、滅多に誘惑されるということがない、ということではないでしょうか。」という陥穽に落ち込むことなく、私は多くの本や映画に実際に触れたいと思いました。特にいつもながらに山田さんからは未知の映画を教えていただき、清水宏監督の「泣き濡れた春の女よ」('33)、イジ-・トルンカ監督の「天使ガブリエルと鵞鳥夫人」('64)、ブシェティスラフ・ポヤル監督の「飲みすぎた一杯」('53)、アンドレア・フォルサノ(実はジョセフ・ロージー)監督の「拳銃を売る男」('53)などは初めて聞く題名の映画でした。また、「幽霊と未亡人」のようにマイナーながら我が心の映画が取り上げられているのも嬉しく、とにかく山田さんのこうした文章は、ご本人が楽しみながら文章を書いているのが如実に分かって、読んでるこちらまでウキウキしてくるものです。
 このスペースでは到底紹介しきれない充実した内容の映画&ブック&音楽ガイドです。私はこの本のおかげで少なくとも今年一杯は楽しませてもらえそうです。暇な時間をかかえている方には文句無しにオススメです。