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ベルイマン監督、亡くなる

2007-07-31 15:14:59 | ノンジャンル
 今朝の朝日新聞でスウェーデンの映画監督イングマール・ベルイマンの死を報じていました。記事は「スウェーデンのTT通信によると、20世紀を代表する映画監督で演出家のイングマール・ベルイマンさんが30日、同国フォーマル島の自宅で死去した。89才だった。同国ウプサラで聖職者の家庭に生まれた。ストックホルム大で演劇を学び、第2次世界大戦直後から映画製作を始めた。57年に「第七の封印」でカンヌ国際映画祭の審査員特別賞を受賞。「野いちご」「処女の泉」などで高い評価を得た。男女の愛憎や宗教の偽善を5時間を超える大作に仕立てた『ファニーとアレクサンドル』で84年、米アカデミー賞の4部門を受賞。この作品を機に、映画監督の引退をいったんは宣言した。その後もスウェーデン国立劇場などで戯曲を精力的に演出。舞台ではシェークスピア、イプセン、ストリンドベリの作品のほか、三島由紀夫の『サド侯爵夫人』も手がけたことがある。03年、テレビ用の映像作品で自ら『遺作』と呼んだ『サラバンド』を発表。静かな作風の中に、親子の愛が転じた近親憎悪を濃密に描き、日本でも劇場公開された。私生活では5回結婚し、最後の妻とは95年に死別。『仮面/ペルソナ』で起用した女優リブ・ウルマンとは長い間親しく、『サラバンド』にも起用した。」というものでした。
 ベルイマンは私が大学に入った'80年代には既に芸術的な映画を撮る監督として有名でしたが、ヌーヴェルヴァーグや蓮實重彦氏に傾倒していた学生達からはあまり注目を受ける存在ではありませんでした。私は映画を見始めた時、キネマ旬報のベストテンの映画をすべて見てやろうと思い、その自分ベルイマンの主な映画「不良少女モニカ」「夏の夜は三たび微笑む」「第七の封印」「女はそれを待っている」「魔術師」「処女の泉」「冬の光」「沈黙」などを見て、独特の白黒の画面と魂の原罪を扱う映画に惹かれる部分もありながらも退屈していたように思います。
 蓮實重彦氏の影響を受けるようになってからは、ベルイマンを見る事もなくなりましたが、蓮實氏が「夏の遊び」を推薦しているのを知り見たことろ、生命力にあふれた輝かしい若者たちを描いたこの映画であるのを知って驚いた記憶があります。晩年の「叫びとささやき」も印象に残る映画でした。彼の死を機に、またどこかで若い頃の作品を含む特集上映をしてほしい、そんな気持ちです。

参院選が終わって

2007-07-30 15:04:14 | ノンジャンル
 参院選、終わりましたね。結果的に与党の過半数割れとなり、今後は強行採決は行えなくなり、一安心です。選挙前の、ザル法である政治資金規制法など欠陥法案が次々と強行採決で成立していくことはしばらくはなくなった訳です。
 で、今日新聞を見て気付いたこと。まず、ドクター中松が東京選挙区に立候補していたこと。「今回はドクター中松、出てないよね」「あの人は知事選だけじゃないの?」と話していたのですが、ちゃんと立候補されていました。でも、マスコミは今回ほとんど取り上げてなかったんじゃないでしょうか?
 それから、やはり東京選挙区にエイズ訴訟で有名になった川田龍平さんが立候補し、しかも当選していたこと。明日をも知れない命と言いながら、今だに活動を続ける彼には頭が下がります。
 そして一番気になったのは、投票率です。今回は上がるだろうという予測はありましたが、ふたを開けてみたら、58.6%。この投票率をマスコミが高いと評価していることには、あきれました。亥年の選挙は今までずっと投票率が低く、前回の亥年の選挙と比べると14%も高い、とのことですが、投票日前の事前投票が前回の1.5倍で1000万人を超えた、と報道されていたので、せめて60%は超えると思っていたのに、ガッカリです。
 私たちは税金を国に取られてますが、その使い道を決めるための選挙なんですよ。納めている税金何十万円の価値のある投票権だということを、投票しなかった皆さん、思い出して下さい。世界には税金の無い国だってあるのです。投票に行かないということは、税金をどう使われても構わない、ということなのです。選挙にいかなかった人は、政治に口出しする権利はない、と私は思いますが、いかがでしょうか?

バイオ燃料の行方

2007-07-29 17:04:33 | ノンジャンル
 先程、参院選の投票に行って来ました。投票率は前回を上回りそうですね。どんな結果がでるか、楽しみです。
 ところで先日来、世界中でバイオ燃料の原料となるサトウキビの需要が増えたせいで、オレンジ畑からサトウキビ畑への転作が増加し、オレンジの生産量が減り、価格が高騰していることが報道されてきています。是に関しては私は仕方がないと思います。オレンジの代わりの果物はあっても、サトウキビにかわるバイオ燃料の原料がないのであれば、地球温暖化を考えた場合、当然サトウキビ栽培が優先されるべきです。
 ところが、日本ではバイオ燃料への転換がうまくいっていないようです。7月28日の朝日新聞の朝刊に「バイオ燃料 お寒い炎」と題した記事が載っていました。「トウモロコシやコメなどを原料にし、二酸化炭素を減らす切り札として注目されるバイオ燃料。(中略)政府は2010年に50万kl(原油換算)の生産・利用目標を掲げるが、現場はまったく手探り状態。補助金や権益をめぐる省庁、業界の思惑も絡んで足並みがそろわず、このままでは目標の10分の1にとどまりそうだ。(後略)」。省庁がすすめるE3という燃料の生産方法は費用がかかるとして、石油連盟はETBEという方法で独自に試験を開始。省庁はあくまでE3を推進しようとしているため、独立系の店鋪には元売り会社から役所の指導には従わないように、と圧力をかけられているところも多いとのことです。
 また原料の生産農家でも大幅な赤字になり、畜産も営んでいる農家ではバイオ燃料への供給でとうもろこしが値上がりし、飼料の値上がりも招いているといいます。
 また、これが一番驚いたのですが、バイオ燃料は生成過程において効率のいい施設を使えば最大で4割の二酸化炭素の削減を実現できるが、効率の悪い施設だと、かえって地球温暖化を招く、という事実です。バイオ燃料で地球温暖化を防ぐには、条件がつく、ということです。
 この記事には、各国のバイオ燃料の生産量と取り組みも載っていて、アメリカでは、エタノール1500万kl(日本は目標が50万kl ですよ。桁違いです。)、'12年に2800万kl普及を目指し、混合したガソリンへの免除、製造事業への補助。ブラジルでは、エタノール1670万kl(これまた、桁違い)、ガソリンへのエタノール20=25%義務づけ、適用車への税の軽減、混合経由への課税軽減。EUでは、エタノール287万kl、バイオ燃料作物栽培への補助と、混合ガソリンと混合軽油への課税の軽減、といった感じです。
 他の国にできて、日本だけできないはずはありません。とにかく待った無しの問題なのですから、真剣に取り組んでほしいと思います。

ヘルパーの将来

2007-07-28 18:24:29 | ノンジャンル
 26日の朝日新聞の夕刊に、「厚生労働省は急速な高齢化に伴い、2014年時点で必要な介護職員は、'04年より40万~60万人多い140万~160万との見通しと発表した」という記事が出ていました。記事は続きます。「一方で、介護・福祉サービス分野では低賃金や超過勤務など労働環境が厳しく離職する人が多いため、『質の高い人材を安定的に確保することが喫緊の課題』と指摘。適切な介護報酬の設定による給与水準の改善、労働時間の短縮、高齢者の活用などを提言している」とのことでした。
 実は私は先月から週2日だけデイサービスでヘルパーの仕事を始めました。デイサービスというのは、別名通所介護ともいい、家で孤独な老人を送り迎えして施設に集まってもらい、皆で楽しい時間を過ごしてもらうとともに、家で老人を介護する人にデイサービスの間休んでもらうことを目的として行われているものです。私はパートですが、夜勤はなく、残業もまずありませんが、1人ではとてもできない仕事量がふられるので、先輩に助けられながらやっています。。時給は850円で、週2日9:30~17:30の7時間勤務で月4万円にしかなりません。週5日フルに働いたとしても10万円です。これでは生活できません。
 私が行っている所は規模が結構大きく、一日に20人を超える利用者さんが来ますが、それでも施設としては赤字だそうです。ちなみにうちのデイサービスは一日につき1人につき約4000円~約7000円の収入があり、利用者はその9分の1の費用を払っています。役所は給与水準の改善を言っていますが、施設の安全な運営も考えた場合、当然それは利用者の負担増を伴うサービスに払うべき費用の引き上げになるでしょう。
 私の父介護度3で介護サービスを受ける立場ですが、介護タクシーの利用が週3回、デイサービスの利用が週1回、それにベッドの貸与で月2万2~3千円を払っています。これを高いか、安いかは人によって考えが違うと思いますが、もっと払ってもらわないと、ヘルパーの給料も上がっていかないという気はします。
 今日も一日介護の仕事で疲れました。時給850円の仕事ではないと思います。誰にでもできる仕事ではない身体や精神に問題を抱えている人に接する仕事な訳ですから、もっともらっていいと思います。ヘルパーの将来、そして私の将来はどうなっていくのでしょうか?


ジェフリー・ディーヴァー『死の開幕』

2007-07-27 18:36:44 | ノンジャンル
 以前読んだ「魔術師」が面白かったので、ジェフリー・ディーヴァーの別の本「死の開幕」を読みました。
 映画作家志望のルーンは、ポルノ映画館の爆発に通りかかります。そして「イエスの剣」を名乗る者の犯行声明が発見されます。彼女はポルノ女優を主題にドキュメンタリーを撮ることにしますが、爆発当時上映されていた映画の主演女優で舞台女優志望のシェリーにインタビューした後、彼女は彼女が所属する事務所ごと爆死してしまいます。ルーンの連続爆破事件の犯人探しが始まり、シェリーの同僚ニコールや、生前の恋人アンディー、元の恋人トミー、演技指導者のタッカー、所属事務所の社長ダニー、元恋人のセイヴォーンに次々に会い、それぞれにシェリーに弱味を握られていることが分かります。ルーンは爆発物処理班のヒーリーと恋仲になり、彼からも情報を得ます。トミーの家のそばから爆弾が盗まれ、トミーも爆弾の知識を持っていることが分かり、今日トミーが訪ねると言っていたニコールの家にルーンとヒーリーは急行しますが、最近殺人の実写映画を撮ることをビジネスをしていたトミーによって、ニコールは既にバラバラ死体になっていました。ルーンは自宅でトミーに襲われ、今にも殺されそうなところをヒーリーに助けられます。ケントという町では「イエスの剣」を名乗る3人のグループが次の計画を練っています。トミーが真犯人だと思ってやっと平和を取り戻したと思っているルーンは自らを「聖ガブリエル」と名乗る会計士のハサウェイに襲われ、島の小屋に爆弾とともに閉じ込められます。引きちぎられていた電話線を何とかつなぎ、ヒーリーに助けを求めますが、ヒーリーは囮の爆弾に時間を取られ、ルーンのそばにある爆弾処理をする時間がなくなります。ヒーリーに電話で爆発を止める手順を聞き、何とか時間を延ばすことに成功します。不審に思ったハサウェイは小屋に入りますが、いきなりルーンの一撃をくらい、小屋を逃げ出したルーンが投げた棒が爆弾に当たり、ハサウェイもろとも小屋は爆発します。3日後「イエスの剣」の3人が逮捕され、シェリー作の台本を流用していたタッカーとはお互い訴訟しないことで合意し、元の職場のラリーからドキュメンタリーを1万ドルで買ってくれる人を紹介してもらいます。ヒーリーとの仲も良好で、彼の息子アダムとも親友になります。そして、彼女はある新聞記事を読み、シカゴに飛びます。そこの劇場で主役を張る女優を楽屋に訪ねると、それはシェリーでした。タッカーはポルノ女優というハンディを乗り越えるには一度死ぬしかないと言われ、狂言爆死をした、というのです。タッカーはシェリーの名前では売れないだろう脚本を自分の名前で劇場に売り込み、主演女優も推薦してくれていたのでした。シェリーのドキュメンタリーが全国放送されると聞くと、頼むから止めてほしいとシェリーに泣いて頼まれます。数日後、放送されたドキュメンタリーはニコールを主題にしたものになっていました。うまいナレーションはシェリーがしてくれたものでした。
 多種歳々の人物が登場しますが、ルーンとヒーリーとの関係の進行と、爆弾犯人探しの進行が平行して進んで行きます。トミーの逮捕で一旦解決かと思いきや、実は真犯人が別にいた、というのも意外な展開で(ただ本を読んでると、トミーの逮捕の後にまだかなりのページ数が残っているので、まだ何かあるな、と分かっちゃうんですが‥‥)、とても面白かったです。終わり方も温かくていいですよね。本の題名には似合わない心なごむ作品でした。