昨日の続きです。
「美貴にはやっと、初めて仲の良い友だちができました。大友カオル(小林由依)は同じバスケ部で、大家族のためか美貴の家で夕食を食べることが多くなっていました。他人を寄せ付けないようなふたりの態度が気に入らないのか、不良っぽい女子グループにからまれますが、美貴とカオルは怯むことなく反撃し相手を退けます。
大学生になり家を出ていた兄が夏休み、久しぶりに帰ってきました。優子からの手紙が途絶えて思い悩んだ一はサキコに相談し、バイトして自分のお金で九州へ会いにいく決意を固めていました。しかしその夜、コンビニに行くと家を出た一を悲劇が襲ったのです。
交通事故に遭ってしまった一は下半身が動かせなくなり、顔の右半分の表情を失ってしまいました。家族が沈鬱な表情になる中、なぜか美貴は子どものようにはしゃぎ一を苛立たせます。そんな折、薫は環と別れていました。環に好きな人ができたのです。
車イスで帰宅すると、玄関への長い階段が一に立ちふさがります。おしりと両手を使って一段一段登っていきますが、途中で天を仰ぎ一は泣くのでした。
それからというもの、一は暗くふさぎ込み、突然怒り出し、家の中の雰囲気は最悪でした。それでも、変わらず接してくるサクラといるときだけは穏やかでした。
美貴の卒業式の日、卒業証書を受け取ったあと、カオルがマイクを奪って大暴れし、「長谷川美貴が好きです」と宣言しました。他の人がどう思おうと、美貴だけはカオルの気持ちを否定せずに受け入れてくれた、と。そして、自分のような人間が世の中にはいる、それがおかしくない時がくる、だからその時のために努力すると話し、颯爽と席へ戻りました。その姿を見て美貴は微笑んでいました。
そんな美貴は進学せず、家で一の世話をしていました。公園で、子どもたちが自分の顔を見て逃げ出してしまったことを受け、まるで「フェラーリ」みたいだと一は話します。そして神様は、以前は気持ちいい直球を投げてきていたのに最近は打てない悪送球しか投げてこないと言って涙をこぼします。たまらず薫は「泣くな!」と叫び、ヒーローだった兄のこんな姿は見たくないと感情を爆発させますが、それを父が止めるのでした。
薫が部屋で勉強していると、赤いランドセルを持って美貴が入ってきました。それをひっくり返すと中から、きれいな色の封筒が大量に出てきました。それは優子から一への手紙でした。すべて美貴が隠していたのです。しかも一の筆跡を真似て絶縁の返事まで出していました。美貴はボロボロと涙をこぼしながら暗記しているその文面を語り続け、苦しむ優子や一の気持ちが痛いほど心に刺さった薫は、美貴を殴りつけるのでした。
一は自ら命を絶ちました。残されたメモには「この体でまた年を越すのは辛いです。ギブアップ!」と書かれていました。葬儀会場で美貴は童女のように振る舞い、参列していたサキコにそっと連れ出されます。
その後姿を消した父は、勤めていた運送会社も辞めていましたが、毎月定期的にお金を振り込んできていました。美貴は一を思い、大量の手紙に埋もれくるみを体に這わせ自らを慰めるのでした。
薫は一浪して東京の大学へ。それを見送るのは母つぼみ、妹美貴、サキコ、そしてサクラでした。
大晦日。4人揃って一の墓参りをしたあと帰宅すると、サクラの様子がおかしいことに美貴が気づきます。
こんな日にやっている動物病院があるのかわからないまま4人は車に乗り込み、あちこちの病院を訪ねますがどこも開いていません。
ずいぶん遠くまでやってきました。
車内では美貴が、「好きな人ができたら好きやって言う。子供ができたらその子に、好きな人ができたら好きって言いなさいって言う」と話しています。「お兄ちゃんみたいにどっか行ってしまうかもしれへんから」と。そして、「お兄ちゃんは死んだけど、やっぱり生まれてきてくれてありがとう、そう思ったやろ」と両親に問いかけます。
薫は、ボールを投げていたのは神様ではなく僕らだったのだと気づきます。何かあるたびにボールを投げ続け、それを兄は全部受け止めた。恥ずかしいけどそれが愛なのだと…。
そうこうするうちに車はパトカーに止められ、怪しむ警察官に「病人がいるんです」と父は訴えます。
ブウゥ~!
すごいおならの音とともにサクラは美貴の手のひらに脱糞しました。サクラは元気になり、薫たちはパトカーで送ってもらうことに。するといつの間にか年は明け、窓の外には美しい初日の出が見えていました。
新年を迎えた長谷川家では楽しそうに餃子を食べています。
そして薫は思うのです。世界中のあらゆる場所にボールを待っている誰かがいる。どんな悪送球でも受け止めてしまう、そんなあなたの愛は僕を世界の高みに連れていってくれるのだと。」
ナレーションが多用されていました。この映画も主人公は前作と同じく若い男性でした。
「美貴にはやっと、初めて仲の良い友だちができました。大友カオル(小林由依)は同じバスケ部で、大家族のためか美貴の家で夕食を食べることが多くなっていました。他人を寄せ付けないようなふたりの態度が気に入らないのか、不良っぽい女子グループにからまれますが、美貴とカオルは怯むことなく反撃し相手を退けます。
大学生になり家を出ていた兄が夏休み、久しぶりに帰ってきました。優子からの手紙が途絶えて思い悩んだ一はサキコに相談し、バイトして自分のお金で九州へ会いにいく決意を固めていました。しかしその夜、コンビニに行くと家を出た一を悲劇が襲ったのです。
交通事故に遭ってしまった一は下半身が動かせなくなり、顔の右半分の表情を失ってしまいました。家族が沈鬱な表情になる中、なぜか美貴は子どものようにはしゃぎ一を苛立たせます。そんな折、薫は環と別れていました。環に好きな人ができたのです。
車イスで帰宅すると、玄関への長い階段が一に立ちふさがります。おしりと両手を使って一段一段登っていきますが、途中で天を仰ぎ一は泣くのでした。
それからというもの、一は暗くふさぎ込み、突然怒り出し、家の中の雰囲気は最悪でした。それでも、変わらず接してくるサクラといるときだけは穏やかでした。
美貴の卒業式の日、卒業証書を受け取ったあと、カオルがマイクを奪って大暴れし、「長谷川美貴が好きです」と宣言しました。他の人がどう思おうと、美貴だけはカオルの気持ちを否定せずに受け入れてくれた、と。そして、自分のような人間が世の中にはいる、それがおかしくない時がくる、だからその時のために努力すると話し、颯爽と席へ戻りました。その姿を見て美貴は微笑んでいました。
そんな美貴は進学せず、家で一の世話をしていました。公園で、子どもたちが自分の顔を見て逃げ出してしまったことを受け、まるで「フェラーリ」みたいだと一は話します。そして神様は、以前は気持ちいい直球を投げてきていたのに最近は打てない悪送球しか投げてこないと言って涙をこぼします。たまらず薫は「泣くな!」と叫び、ヒーローだった兄のこんな姿は見たくないと感情を爆発させますが、それを父が止めるのでした。
薫が部屋で勉強していると、赤いランドセルを持って美貴が入ってきました。それをひっくり返すと中から、きれいな色の封筒が大量に出てきました。それは優子から一への手紙でした。すべて美貴が隠していたのです。しかも一の筆跡を真似て絶縁の返事まで出していました。美貴はボロボロと涙をこぼしながら暗記しているその文面を語り続け、苦しむ優子や一の気持ちが痛いほど心に刺さった薫は、美貴を殴りつけるのでした。
一は自ら命を絶ちました。残されたメモには「この体でまた年を越すのは辛いです。ギブアップ!」と書かれていました。葬儀会場で美貴は童女のように振る舞い、参列していたサキコにそっと連れ出されます。
その後姿を消した父は、勤めていた運送会社も辞めていましたが、毎月定期的にお金を振り込んできていました。美貴は一を思い、大量の手紙に埋もれくるみを体に這わせ自らを慰めるのでした。
薫は一浪して東京の大学へ。それを見送るのは母つぼみ、妹美貴、サキコ、そしてサクラでした。
大晦日。4人揃って一の墓参りをしたあと帰宅すると、サクラの様子がおかしいことに美貴が気づきます。
こんな日にやっている動物病院があるのかわからないまま4人は車に乗り込み、あちこちの病院を訪ねますがどこも開いていません。
ずいぶん遠くまでやってきました。
車内では美貴が、「好きな人ができたら好きやって言う。子供ができたらその子に、好きな人ができたら好きって言いなさいって言う」と話しています。「お兄ちゃんみたいにどっか行ってしまうかもしれへんから」と。そして、「お兄ちゃんは死んだけど、やっぱり生まれてきてくれてありがとう、そう思ったやろ」と両親に問いかけます。
薫は、ボールを投げていたのは神様ではなく僕らだったのだと気づきます。何かあるたびにボールを投げ続け、それを兄は全部受け止めた。恥ずかしいけどそれが愛なのだと…。
そうこうするうちに車はパトカーに止められ、怪しむ警察官に「病人がいるんです」と父は訴えます。
ブウゥ~!
すごいおならの音とともにサクラは美貴の手のひらに脱糞しました。サクラは元気になり、薫たちはパトカーで送ってもらうことに。するといつの間にか年は明け、窓の外には美しい初日の出が見えていました。
新年を迎えた長谷川家では楽しそうに餃子を食べています。
そして薫は思うのです。世界中のあらゆる場所にボールを待っている誰かがいる。どんな悪送球でも受け止めてしまう、そんなあなたの愛は僕を世界の高みに連れていってくれるのだと。」
ナレーションが多用されていました。この映画も主人公は前作と同じく若い男性でした。