また昨日の続きです。
学生の一人、次郎に「ケンたちは小林って野郎を担ぎ出したんだぜ。競友クラブを作るんだって」「俺たちも作ろう。ブロックを」。嫌がる次郎。「やなのかよ? お前が会長で俺とシゲルが副会長。どうだい。いいだろ?」「やだよ。俺は御免だよ」「何でだよ?」「この野郎、就職組とは付き合わねえって言うんかい?」「バカ野郎。ヤクザの真似はしたくないんだ」。恵子をからかう二人の学生に、自転車で突っ込む次郎。「でけえ顔、するんじゃねえ。この野郎。やんのかよう。やるならやろうじゃねえか」。(中略)
“競輪新聞”。中華店の店主「かっ、買うよ。車券を買えばいいんだろう」「買う? 俺たちで売るんじゃないんだぜ。俺たち、お客さんに頼まれて代わりに車券を買ってくる。間違わないでもらいてえなあ」。次郎、現われる。「次、頼んだぜ」。ヤクザ、出て行く。店主「助かったよ。次郎ちゃん」和子「ねえ、あたしが言った通りでしょ? 自分より強い者には絶対に手出しできないんだ。あいつら」次郎「警察へ行ったらいいじゃないか」店主「あんなチンピラには、かまっちゃくれないよ」。窓から見てた野次馬の学生たち。店主「何だ、お前たちは!」。歌いながら去る学生たち。和子「ねえ、次郎ちゃん、少しいてよ」「だめだよ。バイトがあるんだ」「~より早いわよ。ねえ、父ちゃん」「ん? うん」「ねえ、どうすんのよう。また仕返しに来たらさあ」。店主、次郎に「はずむよ」。
恵子、中華屋の店内の様子を伺う。
“競友クラブ”の看板。小林「どうした?」「それがさっぱりなんで」「パチンコ屋は?」「それは俺の方でも…」「バカ野郎! ショーイチ、ケン」。何やら小声で相談する3人。
パチンコ屋。ヤクザたち、入ってくると破壊の限りを尽くす。店主に「じじい!」店主「やめてくれ」。「次郎、早く早く」町民「おう、ケンかだ。ケンカだ」。集まる野次馬たち。次郎、一人でヤクザ全員を倒す。「おい、ずらかれ」。「やいやいやいやい、見世物じゃねえや」。そのヤクザも逃げ出す。
パチンコ屋の店主「次郎ちゃん、感謝の気持ちだよ」「何だよ、これ」。封筒の中には紙幣。「いいからいいから」。(中略)
電気屋の前。店主「次郎ちゃん、ステレオ持ってって下さいよ。~してほしいんですよ」「おじさん、うまいね」「へへ」「中川さんのところのように、うちの女房も喜ばせて下さいよ。内緒でね」。ケガしたヤクザたち、戻ってくるが、次郎を見て逃げ出す。
微笑みながら堂々と商店街を歩く次郎。
「やあ、こんにちは」「やあ、次郎ちゃん、いいお天気で」。
「何! また次郎か」。さらしを巻いてもらっている小林。「その次郎って奴を呼んで来い」「来ますかねえ」「来ますかあ?」「連れて来るんだ。待て。俺がやる」。
恵子「私から次郎ちゃん、に頼んで、お金を取り立ててもらったこと、兄さん怒ってるらしいの。あんな兄さんじゃなかったんだけど、父さんが死んだり自分もケガしたりして、変になっちゃったのよ。ホントに御免なさい」「そんなことはいいよ」「兄さんが話がしたいって言うから聞いてやってくんない?」「うん。よっちゃんだって悪い奴じゃないんだから」「次郎ちゃん、あたし今度勤めることにしたのよ」「へ~え、どこに?」「食料品店よ」「そいつはいいや。よっちゃんのことは心配することはない。悪い奴が来たから失敬する」。次郎、去る。
次郎「どうしたんだよ。改まって」芳夫「ヤクザに盾突くの、やめた方がいいと思うんだがな」「盾突く?」「お前がいくら頑張っても勝ち目はないさ。相手は人数も多いし、新宿の野村興業っていう大きなバックがいるんだ」「何か勘違いしてるんじゃないかい? 俺は盾突くつもりでやってるんじゃねえぜ」「店から頼まれる。だから連中とケンカするって訳か?」「もちろんさ。それに俺、ヤクザが大嫌いなんだよ」「じゃあ競友クラブに入る気は全然ないんだな? お前ぐらいの腕がありゃ、すぐ勘弁してもいいって小林さん言ってたんだぜ」「小林さん? お前、小林に頼まれたのか?」「お前が言ってるほど悪い人じゃねえよ」「あいつはヤクザなんだぞ。あいつらは金を巻き上げるのが目的で、よっちゃんを沼へ引きずりこんだんだよ」「お前だって金がほしかったんじゃないのかい。仲間になった方が得なんじゃないのか。結局は…」「バカ!」。次郎、芳夫を殴る。芳夫は殴り返し、ケンカに。次郎「よっちゃん」。倒され、棒を手に持つ芳夫。次郎「ごめん、俺はよっちゃんとケンカする気はねえよ」。芳夫、棒を投げ捨てる。ビッコを引き、去る芳夫。困る次郎。
派手な音楽。ステレオ。初子の許嫁が店に入ってくる。母「いらっしゃい」初子「こんちは。あら、いらっしゃい」。次郎の背広のポケットに大金を見つけ、とまどう母。
(また明日へ続きます……)
学生の一人、次郎に「ケンたちは小林って野郎を担ぎ出したんだぜ。競友クラブを作るんだって」「俺たちも作ろう。ブロックを」。嫌がる次郎。「やなのかよ? お前が会長で俺とシゲルが副会長。どうだい。いいだろ?」「やだよ。俺は御免だよ」「何でだよ?」「この野郎、就職組とは付き合わねえって言うんかい?」「バカ野郎。ヤクザの真似はしたくないんだ」。恵子をからかう二人の学生に、自転車で突っ込む次郎。「でけえ顔、するんじゃねえ。この野郎。やんのかよう。やるならやろうじゃねえか」。(中略)
“競輪新聞”。中華店の店主「かっ、買うよ。車券を買えばいいんだろう」「買う? 俺たちで売るんじゃないんだぜ。俺たち、お客さんに頼まれて代わりに車券を買ってくる。間違わないでもらいてえなあ」。次郎、現われる。「次、頼んだぜ」。ヤクザ、出て行く。店主「助かったよ。次郎ちゃん」和子「ねえ、あたしが言った通りでしょ? 自分より強い者には絶対に手出しできないんだ。あいつら」次郎「警察へ行ったらいいじゃないか」店主「あんなチンピラには、かまっちゃくれないよ」。窓から見てた野次馬の学生たち。店主「何だ、お前たちは!」。歌いながら去る学生たち。和子「ねえ、次郎ちゃん、少しいてよ」「だめだよ。バイトがあるんだ」「~より早いわよ。ねえ、父ちゃん」「ん? うん」「ねえ、どうすんのよう。また仕返しに来たらさあ」。店主、次郎に「はずむよ」。
恵子、中華屋の店内の様子を伺う。
“競友クラブ”の看板。小林「どうした?」「それがさっぱりなんで」「パチンコ屋は?」「それは俺の方でも…」「バカ野郎! ショーイチ、ケン」。何やら小声で相談する3人。
パチンコ屋。ヤクザたち、入ってくると破壊の限りを尽くす。店主に「じじい!」店主「やめてくれ」。「次郎、早く早く」町民「おう、ケンかだ。ケンカだ」。集まる野次馬たち。次郎、一人でヤクザ全員を倒す。「おい、ずらかれ」。「やいやいやいやい、見世物じゃねえや」。そのヤクザも逃げ出す。
パチンコ屋の店主「次郎ちゃん、感謝の気持ちだよ」「何だよ、これ」。封筒の中には紙幣。「いいからいいから」。(中略)
電気屋の前。店主「次郎ちゃん、ステレオ持ってって下さいよ。~してほしいんですよ」「おじさん、うまいね」「へへ」「中川さんのところのように、うちの女房も喜ばせて下さいよ。内緒でね」。ケガしたヤクザたち、戻ってくるが、次郎を見て逃げ出す。
微笑みながら堂々と商店街を歩く次郎。
「やあ、こんにちは」「やあ、次郎ちゃん、いいお天気で」。
「何! また次郎か」。さらしを巻いてもらっている小林。「その次郎って奴を呼んで来い」「来ますかねえ」「来ますかあ?」「連れて来るんだ。待て。俺がやる」。
恵子「私から次郎ちゃん、に頼んで、お金を取り立ててもらったこと、兄さん怒ってるらしいの。あんな兄さんじゃなかったんだけど、父さんが死んだり自分もケガしたりして、変になっちゃったのよ。ホントに御免なさい」「そんなことはいいよ」「兄さんが話がしたいって言うから聞いてやってくんない?」「うん。よっちゃんだって悪い奴じゃないんだから」「次郎ちゃん、あたし今度勤めることにしたのよ」「へ~え、どこに?」「食料品店よ」「そいつはいいや。よっちゃんのことは心配することはない。悪い奴が来たから失敬する」。次郎、去る。
次郎「どうしたんだよ。改まって」芳夫「ヤクザに盾突くの、やめた方がいいと思うんだがな」「盾突く?」「お前がいくら頑張っても勝ち目はないさ。相手は人数も多いし、新宿の野村興業っていう大きなバックがいるんだ」「何か勘違いしてるんじゃないかい? 俺は盾突くつもりでやってるんじゃねえぜ」「店から頼まれる。だから連中とケンカするって訳か?」「もちろんさ。それに俺、ヤクザが大嫌いなんだよ」「じゃあ競友クラブに入る気は全然ないんだな? お前ぐらいの腕がありゃ、すぐ勘弁してもいいって小林さん言ってたんだぜ」「小林さん? お前、小林に頼まれたのか?」「お前が言ってるほど悪い人じゃねえよ」「あいつはヤクザなんだぞ。あいつらは金を巻き上げるのが目的で、よっちゃんを沼へ引きずりこんだんだよ」「お前だって金がほしかったんじゃないのかい。仲間になった方が得なんじゃないのか。結局は…」「バカ!」。次郎、芳夫を殴る。芳夫は殴り返し、ケンカに。次郎「よっちゃん」。倒され、棒を手に持つ芳夫。次郎「ごめん、俺はよっちゃんとケンカする気はねえよ」。芳夫、棒を投げ捨てる。ビッコを引き、去る芳夫。困る次郎。
派手な音楽。ステレオ。初子の許嫁が店に入ってくる。母「いらっしゃい」初子「こんちは。あら、いらっしゃい」。次郎の背広のポケットに大金を見つけ、とまどう母。
(また明日へ続きます……)