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ジョエル・コーエン監督『バートン・フィンク』

2009-05-13 16:05:00 | ノンジャンル
 WOWOWで、ジョエル・コーエン監督、イーサン・コーエン製作、コーエン兄弟脚本の'91年作品「バートン・フィンク」を見ました。
 「ニューヨーク 1941年」の字幕。劇作家のバートン・フィンクはブロードウェイで成功を納め、エージェントに金儲けのためにハリウッド行きを勧めれます。巨大で古く迷宮的なロスのホテルに宿を取り、映画会社の社長に会いに行くと、社長は芝居がかった歓迎をして、レスリング物の脚本を書くように言います。ホテルで隣の部屋の音が気になりフロントに電話すると、すぐに隣の保険外交員のチャーリーがやってきて、二人は意気投合します。バートンは大衆を描くことの意義を力説しますが、チャーリーが去った後、壁の女性の絵を見ていると、壁紙が剥がれ出します。プロデューサーに原稿が進まないと訴えると、同業者に聞けと言われ、その帰りトイレで偶然に尊敬する作家ビルに出会います。彼の仕事場を訪ねると、ビルの秘書で恋人のオードリーが出て来て、奥では泥酔して暴れるビルの声がします。部屋に帰ると、壁紙を貼るための画鋲がフトントから届いていて、チャーリーと反対側の部屋からは女のあえぎ声が聞こえます。ビルとオードリーと食事をした際、ビルは酔ってオードリーに暴力を振るい、バートンは憤慨しますが、ビルには心を病む妻がいるので理解してあげないととオードリーは言います。プロデューサーが明日社長にアウトラインを話すように言ってきますが筆が進まず、深夜にオードリーに部屋に来てもらうと、彼女がビルのゴーストライターであることが分かります。その夜二人は一夜を共にしますが、翌朝オードリーは血まみれの死体となってベッドに横たわっていました。チャーリーに助けを求めると、死体を運び出してくれ、数日後に小包を一つバートンに預けて、ニューヨークに出張していきます。やがてホテルに刑事が現れ、チャーリーが殺人鬼であることを知らせます。部屋に戻ってタイプライターに向かうと、瞬く間に大部の脚本「大男」が完成します。生涯最高の作品と確信したバートンはダンスホールで踊り狂い、部屋に帰ると、ベッドにおびただしい血痕がついているのを発見していた刑事はバートンをチャーリーの共犯者として逮捕し、ビルも殺されたことを知らせます。そこへ炎を背景にチャーリーが現れ、刑事をライフルで射殺すると、小包をバートンに残して立ち去ります。チャーリーに教えていたニューヨークの叔父の家の電話はつながらず、脚本は不採用になります。そして小包だけを持って砂浜を歩いていると、美女が声をかけてきて、彼女が座ると、ホテルの部屋にあった絵と同じ風景になるのでした。
 古いホテルの絨毯、地下から現れるフロント係、何度も剥がれる壁紙、そして最後の炎に包まれるホテルなど、夢魔的なイメージにあふれた映画です。主人公のキャラクターがステロタイプすぎて感情移入しにくいのが難点でしょうか。ちょっと不思議な感覚を味わってみたい方にはオススメです。