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温室ガス排出の犯人は?

2007-11-30 15:56:03 | ノンジャンル
 11月8日の朝日新聞の朝刊に、都内での業務部門CO2排出量上位10位が発表されていました。
 1位はなんと東大本郷キャンパスで92711トン、2位は日本空港ビルディングで79555トン、3位はサンシャインシティで66927トン、以下4位恵比寿ガーデンプレイス62223トン、5位六本木ヒルズ森タワー60597トン、6位防衛庁市ヶ谷庁舎52629トン、7位ホテルニューオータニ49247トン、8位東京ドーム48158トン、9位日本放送協会47251トン、10位品川プリンスホテル39857トン、とのことです。
 工場などは除外しているとのことですが、本郷キャンパスが1位というのには驚きました。緑も多く、芝生もあって、日曜日には近所の家族がピクニックにくるようなところなのですが、理科系の実験の結果でしょうか、こんなに二酸化炭素を排出しているとは知りませんでした。
 とりあえず、東大ではCO2の排出量を削減するために、電力の4割を占める大学病院で、照明の間引き。他の校舎でもエレベーター休止、冷温水ポンプ効率化などを進めるというのですが、もっと根本的な解決が必要であるような気がします。環境問題のエリートとして本来なら産業界をリードしなければいけない大学、それも東大が一番温室ガスを排出しているという状態を早くなくしてほしいと思いました。
 また2位のオフィスビル、3位、4位、5位、8位の娯楽商業施設も節電や太陽光発電を取り入れるなど、やればできることがたくさんあるはずです。同じ事は7位と10位の巨大ホテルにも言える事です。屋上を緑化するとか、そんなに金銭的な負担をかけずにできることはあるのですから、すぐに実行してほしいと思います。
 そして許せないのは9位のNHK。マスコミが温室ガス排出量の上位に入っていてはダメでしょう。これじゃあ他の悪質な温室ガス排出企業の批判などできなくなってしまいます。すぐに対策チームを作って、温室ガスの排出量を減らしていただきたいと思います。
 ということで、都の方では各企業に働きかけても、なかなか色好い返事は返ってこないようです。これは新たに温室ガスの排出量を減らすためのシステムに投資するだけの余裕が企業側にないことが考えられます。もしそうならば、税金を集めている都自身がお金を出して、企業に投資するべきだと思いますが、皆さんはどうお考えでしょうか?

増村保造監督『やくざ絶唱』

2007-11-29 19:58:45 | ノンジャンル
 WOWOWで増村保造監督の'70年作品「やくざ絶唱」を見ました。
 妾の母を早く亡くした兄(勝新太郎)が父違いの妹(大谷直子)を育て、彼女が大人になっても言い寄る男をことごとく撃退します。妹はそんな兄に反発し、好きでもない男と寝て、自分は兄とは結婚できないことを兄に思い出させ、好きな男と結婚することを宣言します。兄は妹の言い分を認め、生きがいを失った人生に別れを告げるため、自分の属する暴力団を対立する暴力団のボスを死を覚悟で単身殺しに行き息果てる、という物語です。
 増村監督独特の暗く激しい情念が兄と妹の間に燃え盛り、悲劇的な兄の生涯が叩き付けるような勝新太郎の演技とともに浮き彫りにされます。まさに正面から人間を描いた傑作と言えると思います。照明が暗く、私の好きは大谷直子の顔がはっきりと見えなかったことは悔やまれますが、彼女独特の柔らかい声が聞こえただけでも良しとしなければならないのでしょう。また見ていない方には、オススメです。
 以下、少し長くなりますが、詳細なあらすじを載せておきましたので、興味のある方はご覧ください。

 女に拷問を加える男2人。そのそばでタバコを吸う黒メガネの男・立松(勝新太郎)は、拷問を止めさせ、これからは客から取ったかねは石川組にきちんと入れろと言い、女を解放する。立松は男たちに、社長に確かにヤキを入れといたと伝えとけ、と言い、去る。
 石川組の立松の子分・本田は3人の男に半殺しにされている。そこへ立松が現れ、3人を殴り倒し、3人から治療代を巻き上げようとするが、パトカーの音が聞こえると、立松と本田は逃げ出す。
 指輪を買う立松。家に帰って情婦にやると、情婦は大喜びする。18才の妹の茜(大谷直子)が帰ると、一緒に来た本田を立松はボコボコにする。立松は茜に言い寄る男は許さない。そんな兄に抵抗する茜に対して、立松はちゃぶ台をひっくり返すが、茜は暴力を振るうなら家を出ると言い、立松は謝る。
 立松は妾だった母と違って茜に身の堅い女になってほしいと言う。そこへ茜の様子を見に、養子のユウジ(田村正和)を連れて茜の父がやってくるが、立松は追い返す。
 情婦が帰って来て、抱いてくれと立松にせがむが、彼は暴力で答える。
 教師の貝塚(川津祐介)は、読書をしている茜に声をかけ、成績優秀な彼女に大学に行くことを勧めるらめに、茜の兄と会おうと言うが、茜は兄が先生を殴るだろう、と言う。
 一方、石川組の社長は、縄張りを荒らしている東風会のメンバーの写真を見せ、トップの殿山を立松が殺すことになるが、立松は妹の世話があるので、警察には別の人間を立ててもらうように頼む。
 社長からもらった金で茜に着物を買ってやるが、情婦の女は嫉妬し、茜に男を近付けないのは異常だと言うと、立松はいつものように暴力を振るい、レイプしようとするが、茜が止める。情婦の女は「夫婦気取りで楽しみな」と捨て台詞を残し、出て行く。
 茜は部屋に閉じこもる。立松はサウナに入っている殿山を殺し損なう。その留守のすきに茜は貝塚の家を訪ね、抱いてと迫り、貝塚のものになる。貝塚は責任をとって将来結婚しようと言うが、体を汚せば兄と離れられると思ってやったのだから、今後は他人になってほしい、と茜は言う。
 家に帰った茜が男に抱かれたことを話すと、立松は「相手を言え」と迫り、茜を殴る。茜はこれからは自分の思った通りに生きると宣言する。
 立松はやけ酒を飲みに行ったバーで東風会の連中とケンカになり、駆け付けた警官も殴り倒し、逮捕される。面会に来た茜に、立松は70万の入った通帳をやると言い、茜は兄が自分から離れるために刑務所に入る決心をしたことを知る。
 父が訪ねて来て、茜に一緒に住もうと言うが、茜はここで兄を待つと言う。そして父に仕事を見つけてもらう。夜にユウジが訪ねて来て、父の命がもう長くないので、見舞いに来てほしいと言い、茜は兄と似て優しいと言う。ユウジが家に電話すると、たった今父が死んだと言う。ユウジは茜を連れていくが、父の妻は茜を家に入れず、叩き帰す。
 面会で本田が立松に、石川組の連中が殺しが嫌で刑務所に入ったと立松のことを笑っていると伝えると、保釈金を払って留置所から出る。
 ユウジと茜は恋人になる。養子を脅しの種にして父の妻を立松はゆすり、14万円を手に入れる。一時はバーの社長の妾になることも考えるが、茜はユウジが忘れられず、彼を呼んで、彼の体を求める。茜はユウジと一緒になることを兄に言うと、兄はユウジを殺すと言う。茜はユウジに兄を殺してくれと言うが、ユウジが拒むと、アカネはユウジに帰れと言う。茜は兄を刺そうをする。茜は一生兄と一緒に暮らしてもいいが、兄妹だから結婚できないので死ぬしかないと言う。兄は茜を死なす訳にはいかないと言い、ユウジと結婚して幸せになってくれと言い残し、東風会の殿山を殺しに行き、殿山を殺した後、手下に殺される。

振り込め詐欺は減ってない!

2007-11-28 17:04:54 | ノンジャンル
 11月8日の朝日新聞の朝刊に振り込め詐欺の被害が18億円を突破したという記事が載っていました。あれだけマスコミでキャンペーンを張っても、被害額は減る様子がないようです。逆に一件当たりの被害額は増え続け、現在200万円に届こうとしています。
 金融機関の窓口での取材をおこなったところ、窓口の職員が不審に思って声をかけると、金を振り込もうとしていた夫婦は「息子を疑うんですか。早く振り込まなきゃいけない」と取り合わないケースもあったそうです。しかし、金融側が粘り強く確認することを勧めたところ、「そんなに言うなら」と夫が詐欺の電話にかけ直し「銀行で振り込み詐欺じゃないかって言われてるんだ」と言うと、電話は切れ、その後も不通になったそうです。息子の携帯電話に連絡し、だまされたことがようやく分かったとのことです。
 このケースでは、職員と妻はたまたま日頃から窓口で家族の話などをする仲だったそうです。職員は「お客様との日頃の会話が大事だと実感した」とのことですが、普通、銀行の窓口の職員と親しくしている客なんてほんの一握りだと思います。とにかく本人確認を徹底させることが大事でしょう。

森林浴の数字的裏付け

2007-11-27 16:23:54 | ノンジャンル
 月刊誌「ソトコト」の12月号に「森林セラピー基地ガイド」という記事が載っていて、そこに実際森林の中を歩くとどういった生体上の変化が起きるかが調べられていました。
 比較されたのは、信州・信濃町の森林と都市(これは具体的にどこなのか明示されていない)。調べたのは睡液濃度の変化、脈拍数の変化、血圧の変化の3つ。
 結果は、睡液濃度は森林と都会では歩行前も歩行後も森林の方が半分以下の濃度になっていました。また都会では歩行後の方が濃度が低くなるのに反し、森林では歩行後の方が濃度が高くなっていました。これが何を意味するのかは、記事を読んでも全然分かりませんでした。
 次に脈拍数。これも森林の方が都市よりも歩行前も歩行後も少ない脈拍数を示していました。脈拍数は少ない方が心臓にかかる負担が少なくて済むので、森林の中の方が健康的であると言えます。また、これは森林にも都市にも言えるのですが、歩行前より歩行後の方が脈拍数が減っていました。これは歩くことによって心臓に負荷がかかり、心臓が元気になるためでしょうか? 原因はよく分かりません。
 最後に血圧。これも森林の方が都市よりも歩行前も歩行後も低い血圧を示していました。そして脈拍数と同じく、森林も都市も歩く前より歩いた後の方が血圧が低くなっていました。これも歩くことが体にいい影響を与えている証拠と言えるでしょう。
 こうしたことから、歩くこと、それも森林の中を歩くことが体にいいことが分かりました。近くに散歩道のある森林がない方は、一週間に一回でもいいですから、どこかに森林ウォーキング(「ソトコト」では森林セラピーと呼んでいましたが)をしに出かけたらいかがでしょうか?

オリバー・ヒルシュービーゲル監督『ヒトラー 最期の12日間』

2007-11-26 15:15:35 | ノンジャンル
 WOWOWでオリバー・ヒルシュービーゲル監督の'04年作品「ヒトラー 最期の12日間」を見ました。以前にも一度見ていた気がして、見始めると確かに見覚えのある役者が演じていたので、初めて見るのではないな、と思いましたが、細部は一部を除いて全く忘れてしまっていたので、新鮮な気持ちで見れました。ちょっと長くなりますが、あらすじを紹介すると‥‥。
 ヒトラーの秘書候補がドレスデンの総統本部に真夜中に連れて来られます。ヒトラー(ブルーノ・ガンツ)は「こんな時間に申し訳ない」と言い、1人1人に名前と出身地を聞き、ヒトラーの故郷ミュンヘン生まれの22才の娘が選ばれます。彼の部屋には愛犬がいて、彼女にもリラックスするように言います。さっそくタイプを使った口述筆記が始まります。彼女のミスにヒトラーはとても寛大でした。
 ヒトラー56才の誕生日、敵の砲撃が市の中心部を襲います。敵が12キロのところまで迫っていると聞き、怒り狂ったヒトラーは空軍司令官を全員クビにします。側近はヒトラーに首都から避難し、外交での解決を進言しますが、拒否されます。役人には全員退去の命令が下され、書類が燃やされます。内部に撤退する、しないで争いが起きます。SSはヒトラーの意思に反し、連合軍との交渉を開始します。また陥落後の首都の治安も担当しようとします。ヒトラーはこの期に及んでも戦争に勝ち、文化の華である新都市の計画を語ります。
 市街戦に備え、市民は避難し、道路には迫撃砲が備え付けられ、子供が志願して、兵隊の制服とヘルメットを身につけ集まって来ます。なお戦おうとする若い兵士に撤退を勧める上官。側近の現状報告に怒り狂って不可能な反撃命令を出すヒトラー。そして首都を前線とした特殊作戦の実行を命じます。市民の命は無視しろとも言います。ヒトラーへの忠誠をめぐって言い争う側近たち。ヒトラーはヒトラー・ユーゲントとして正式に子供の兵士を戦場に送りだします。
 ヒトラーの愛人エヴァは地下の参謀本部のホールでパーティーを催しますが、砲弾を浴び、電灯が点滅する中で、人々は逃げまどいます。地上では集中砲火を浴び、軍は既に機能していませんでした。西への撤退を命じた軍の指導者は、銃殺命令を受け、抗議のためにヒトラーのもとに出頭し、逆に首都防衛司令官に任命されます。医師が病院を訪ねると、入院患者は老人を除いて皆殺されていました。
 市街戦が始まります。手足をもがれた者、頭を撃ち抜かれた者らが路上の至るところに転がっています。相変わらず怒り狂いながら、実行不可能な作戦の実行を迫り、実行できない将校たちを侮辱するヒトラー。そして落ち着きを取り戻したヒトラーは戦争の負けをやっと認め、指揮を放棄し、秘書には1時間後の飛行機に載るよう言いますが、秘書たちは最期までヒトラーに仕えると言います。
 砲撃後の静かな市街を散歩するエヴァと秘書。市街戦が再開されます。SSは市民狩りを始めます。首都防衛司令官と医師は避難所に食料と医療品を運びますが、そこは悲惨を極めていました。ゲッペルスは市民軍を召集し、虐殺されるに任せます。自ら地下の総統本部へ家族を連れて行き、ヒトラーを慰めようとします。ヒトラーはヒムラーが置いていった自殺用の毒薬を取り出すと、秘書たちもほしがり、ヒトラーは与えます。エヴァは別れの手紙を妹に書き、宝石類を贈ります。
 市街戦で死にゆく少年兵たちと嘆き悲しむ母たち。ヒトラーはまた実行不可能な攻撃の妄想に駆られます。ゲーリングはヒトラーの死後、ヒトラーの地位を引き継ぎたいとテレックスを送ってきますが、ゲッペルスの一言で、ゲーリングは裏切り者のレッテルを貼られ、処刑命令が下されます。食事の席で、弱者への同情は自然に反すると説くヒトラー。その場でヒムラーの裏切りを知り、また怒り狂います。
 SSの医師団長は家族のことを思い、集団自決します。エヴァの懇願にもかかわらず、エヴァの妹の夫は裏切り者として処刑されます。犠牲者の多さを理由に、首都防衛司令官はじめ側近はヒトラーの首都脱出を進言しますが、ゲッペルスの助けを借りて、その進言を拒否します。ヒトラーは政治的遺言書を秘書に口述筆記させます。ヒトラーとエヴァは結婚式を行い、ヒトラーは自分とエヴァの遺体を完全に燃やすよう側近に言います。酔っぱらう将校たち。愛犬を毒殺するヒトラー。エヴァは秘書にヒトラーとの今までの関係を語り、必ず逃げ延びるように言います。エヴァは死に化粧をし、ヒトラーは「時が来た」と食卓で言い、側近やその家族たちと別れの挨拶をして、2人は個室にこもり銃で自殺します。遺体はすぐに地上に掘られた穴に運ばれ、200リットルのガソリンで焼かれます。SSは相変わらず、市民の虐殺を続けます。
 ソ連軍の代表がやってきますが、ヒトラーの側近たちは無条件降伏を拒否します。ゲッペルス夫妻は子供たちを全員毒殺し、ゲッペルスは遺書を秘書に口述筆記させます。エヴァに生きるように言われた秘書は地下壕の外に出ます。首都防衛司令官は、ソ連との合意に基づき、即時戦闘中止を呼び掛けます。ゲッペルス夫妻は地下壕を出て、銃で自殺し、遺体はやはりガソリンで燃やされます。秘書は兵隊の制服を着て、ヘルメットを被り、脱出し、兵士の集合場所に着きますが、そこは既にソ連軍に包囲されていました。降伏する者、あくまでも戦うというSSたち、その中で秘書は少年と手をつなぎ、ソ連軍の包囲を通り抜けることに成功します。結局SSも降伏を決めますが、その瞬間拳銃自殺、服毒自殺する者が出ます。秘書は少年と自転車で草原を賭け降りていくのでした、という話です。

 ヒトラーは非常に人間味のある人物に描かれ、エヴァもとても好感が持てる人物で、彼女もまたナチズムを信じたばかりにその犠牲になったことが分かります。映画自体も残酷描写がかなりあるものの、ドキュメンタリー・タッチで見ごたえがありました。ただ、惜しむらくは、映画が長過ぎるということでしょうか? 録画して見ましたが、早回しで見たところがいくつかありました。題材自体が面白いと思うので、ナチズムに興味のある方は一層楽しく見ることができると思います。