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レス・メイフィールド監督『原始のマン』

2012-08-12 10:49:00 | ノンジャンル
 WOWOWライブで「トニー・ベネット『デュエット?』ザ・パフォーマンス」を見ました。トニー・ベネットの歌声は、魂に直接響いてくる感じで、やはり文句無しに素晴らしいことを再認識しました。

 さて、レス・メイフィールド監督の'91年作品『原始のマン』をDVDで見ました。
 原始時代の夫婦が地震で洞窟の中で別れ別れになります。地震で目覚める高校生のデーヴィッド。彼は卒業までに何かしらの功績を残そうと、庭を掘ってプールを作ろうとしています。幼馴染みのロビンを卒業パーティのプロムに誘おうと夢見るデイヴィッド。同居している同級生のストーニーと登校し、クロマニヨン人の授業を受ける二人。ロビンに話しかけたデイヴィッドは、彼女と付き合っている金持ちでマッチョなマットにホチキスで壁に貼付けられます。学校から帰ると、デーヴィッドは土の中からムスティエ期の土器を発見し、その後起こった地震の後、凍った人が中にある氷を発見します。夜のうちに掘り出し、翌日氷を溶かそうとストーブを付け、二人は学校に行きますが、その間に氷は溶け、原始人が息を吹き返します。デイヴィッドらが帰宅すると、テレビの画面には土で絵が描かれ、火災報知器が鳴っています。2階では原始人が火を起こしていました。二人は彼に教育を施そうと、体を洗い服を与え、リンクという名を付け、帰宅した両親にはエストニアからの交換留学生だと言います。
 デイヴィッドはリンクを引き立て役にしようと一緒に登校します。ロビンの友人に一目惚れして駆け出すリンク。黒板に絵を描きまくる彼にロビンの友人は、今夜“ブレーズ”に来るように誘います。コンビニと遊園地をリンクに体験させるストーニー。帰って来たリンクは、ストーニーとそっくりに話し方になっていました。食事中にハエを追い、ドッグフードも食べるリンク。
 “ブレーズ”にデイヴィッドらと行ったリンクは、ケチャップとカラシでガラスの壁に絵を描き始めます。リンクでホッケーをしていたマットは、ロビンに話しかけたマットを捕まえますが、それを見たリンクが駆けつけ、マットがリンクを殴ると、そのままリンクは帰っていきます。マットに殴られて倒れなかったマットを賞賛する周囲の人々。デイヴィッドはリンクが反撃できるように、プロレスや空手、ボクシングのビデオを見せます。
 授業で「人類学博物館・先史人類」を見に行ったデイヴィッドでしたが、リンクは自分の仲間が絶滅したことでショックを受け、デイヴィッドらは慰めます。ドライヴの練習で暴走し、メキシコ人の酒場で踊りまくるリンク。やがてマットはリンクの生徒記録が嘘であることを突き止めます。酒場で移民警察官に捕まったデイヴィッドは警察からロビンをプロムに誘いますが、ロビンはリンクも一緒だったらいいと言い、デイヴィッドに電話を切られます。リンクを捨てようとするデイヴィッドでしたが、ストーニーに止められるのでした。
 プロムにリンクとロビンを送り出すデイヴィッドとストーニー。しかしマットがデイヴィッドの家に侵入し、リンクが原始人である証拠の写真を持ち出すと、それに気付いたデイヴィッドらは彼の後を追います。プロム・キングの戴冠をしようとしていたリンクの元へマットが駆けつけ、リンクが原始人であることを暴きますが、皆は信じようとせずに逆に歓声が湧き、遅れて来たデイヴィッドを殴ったマットをリンクは投げ飛ばし、音楽に合わせて踊り出します。ストーニーも加わり、デイヴィッドも加わると、皆も踊り出します。
 デイヴィッドの家の完成したプールに集まる人々。ロビンにかっこよかったと言われたデイヴィッドは彼女とキスを交わします。そこへまた地震。家の中には土の足跡や手形があり、火災報知器が鳴っています。浴室では甦ったリンクの妻が体を洗っていました。ドレスアップしたリンクの妻を迎え、リンクらはまた盛り上がるのでした。

 ナンセンスなギャグで結構笑わせてくれました。90分に満たない長さにも好感が持てたと思います。

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蓮實重彦『映画時評 2009-2011』

2012-08-11 04:50:00 | ノンジャンル
 ジョージ・シートン監督・脚色の'70年作品『大空港』をWOWOWシネマで見ました。これまでにも何回も見ていましたが、ヒッチコックの『泥棒成金』に出演していたジェシー・ロイス・ランディスが不正な関税申告で捕まるシーンに出演していたことを忘れていました。メロドラマの部分は退屈でしたが、ジョージ・ケネディが雪に埋まる飛行機を脱出させるシーンと、爆弾犯の妻のモーリーン・ステイプルトンの熱演ぶりは楽しめました。また、アルフレッド・ニューマンによるメイン・テーマと、ディーン・マーチンとジャクリーン・ビセットがからむシーンに流れる愛のテーマの音楽で、映画のかなりの部分を支えていたようにも感じました。
 また、原田真人監督・脚色の'07年作品『魍魎の匣』をWOWOWプレミアムで見ました。複雑なストーリーの原作を映画化するのは困難なのではと思っていましたが、やはり処理しきれていないという印象を持ちました。早口で話される台詞で説明されるストーリーは理解しがたく、その割りにはストーリーに必要ないシーンが多く、また見ていて恥ずかしくなるような演出も多く見られました。

 さて、蓮實重彦先生の'12年に刊行された『映画時評 2009-2011』を読みました。月刊誌『群像』の'09年1月号から'11年12月号までに連載された映画時評のエッセイを中心にまとめられた本です。
 この本を読んで初めて知ったことは、ソクーロフの『チェチェンへ アレクサンドラの旅』の主演女優が、有名なソ連の歌姫、ガリーナ・ヴィシネフスカヤであり、彼女はソルジェニーツィン、ロストポーヴィチとともに'68年のソ連軍のチェコスロヴァキア侵攻に抗議した1人であったこと(ただし、単に忘れていただけかもしれませんが‥‥)、またこの本を読んで見てみたいと思った映画は、バス・ラーマン監督の『オーストラリア』、諏訪敦彦、イポリット・ジラルド共同監督『ユキとニナ』、ジョニー・トー監督『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』、ジェームズ・マンゴールド監督『ナイト&デイ』、アルノー・デプレシャン監督『クリスマス・ストーリー』、ウェス・アンダーソン監督『ファンタスティック Mr.FOX』、マルコ・ベロッキオ監督『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』、是枝裕和監督『奇跡』、J.J.エイブラムス監督『SUPER 8/スーパーエイト』、ヴィンセント・ミネリ監督『ボヴァリー夫人』(言及しているページはP.223)、ムルナウの『都会の女』(言及しているページはP.255~256)、高橋洋くんが歯医者を演じているという、青山真治監督の『東京公園』、ジョージ・A・ロメロの『サバイバル・オブ・ザ・デッド』(言及しているページはP.280)でした。WOWOWでは、この本で言及されている映画で、先月にはシャブロルの映画が多く放映され、今月には上記の『ファンタスティック Mr.FOX』の他、イエジー・スコリモフスキ監督の『エッセンシャル・キリング』、ジョン・カーペンター監督の『ザ・ウォード/監禁病棟』が放映されるので、ありがたいと思います。しばらくは、またこの本で紹介された映画をツタヤで借りることになりそうです。

羽仁進監督『初恋・地獄篇』

2012-08-10 04:38:00 | ノンジャンル
 羽仁進監督、寺山修司・羽仁進脚本の'68年作品『初恋・地獄篇』をスカパーの日本映画専門チャンネルで見ました。
 未成年で初体験だというシュンとホテルに入ったナナミでしたが、シュンはコトに及べません。シュンのことをもっと知りたいというナナミに、7才の時に親父と死に別れ、ボクサーと再婚した母に捨てられた後、乱暴で施設に入れられますが、その後、福祉家の夫婦に引き取られ、「お父さん」「お母さん」と呼ぶようになり、お父さんから彫金を学んだと話すシュン。暗いというので「笑う会」に入れられ、休みの日には鳩に餌をやるため公園に行くシュンは、お父さんに感謝していると言います。ナナミは静岡から集団就職で東京の靴屋に勤めるようになりましたが、安い給料のためヌードシアターで働くようになったと言います。常連もつくようになり、こんなにお金がまたったと通帳をシュンに見せるナナミ。もう一度試してみる?というナナミにシュンもその気になりますが、笑い出してしまい、また出直そうと言う二人。「私のこと好き?」と言うナナミに「好きだ」と言ってキスするシュン。
 彫金するシュンに昔話をするお父さん。シュンの後ろからキスし、手をはわせるお父さん。寺の墓場で少女と遊ぶシュンは、少女が出したなぞなぞの答えが分かりません。少女の手をなでて目を閉じるシュンは、母とのキスを思い出します。その様子を墓の陰から見つめていた男は「このすけべ野郎!」と叫んでシュンを追い始め、シュンは逃げます。群衆に捕まり、平手を喰らうシュン。
 急に元気がなくなったといってお母さんと催眠療法を受けに来たシュンは、女房がいなくなったと話しかけ、パンツに手を突っ込んで来るお父さんの姿や、激昂するお母さんの姿にうなされます。東大の新入生へのインタビューをテレビで同僚と見るナナミ。指名が入り常連の安国寺と店を出たナナミは、地下のスタジオに連れていかれると、そこでSMの実演をさせられます。彼らをつけていったシュンは、その姿を見て苦しみます。
 彫金をするシュンは、少女の声が頭の中で響く中、ナナミの名前を彫ります。安国寺とナナミの前に現れたシュンでしたが、安国寺は女の愛は信じないが、自分のために背中に傷をつけるナナミの優しさは信じると言って、シュンに殴られそうになります。石焼芋を食べ、ラーメン屋に寄るシュンとナナミ。日曜日の岩場での撮影会で、ナナミは家族と海岸に遊びに来ている安国寺を見かけます。
 境内で空笑いをし、走り出すシュン。ナナミは地下のスタジオがバレエの練習に使われていて、安国寺が消息を絶ったことを知ります。寂しい人のためのレコードを売る娘。路上で全裸になり警官に捕まる男。女房が出かけたと話しかけるお父さんと、ナナミの姿を思い出して自慰をするシュン。全裸の少年だった自分を思い出すシュン。シュンを覗き見るお父さん。
 中学の同級生で唯一高校に進んだ台数君とラーメン屋に来たナナミは、シュンに彼と文化祭に行こうと誘います。そこでは台数君の作った映画「初恋の記録」が上映され、皆途中で席を立った後、二人は上映後拍手します。帰りに映画をけなすシュン。バーで酒を飲んだ二人は、少女の出したなぞなぞの答えを知り、笑い、はしゃぎ、明日の晩同じホテルでまた試そうと約束すると、シュンは「初恋だ!」と叫んで、二人は路上でキスします。
 朝ヒゲを剃るシュンに背後からキスするお父さんをシュンが突き飛ばすと、お父さんは「恩知らず!出ていけ」と叫びます。少女と再会し、旧交を暖めたシュンは、今度ナナミお姉さんを連れて来ると言います。ホテルに向かうシュンは、以前スタジオにいた男からナナミを変態ショーに出して一儲けしようと言われ、逃げだします。ホテルに先に着き、新しい花をいけ、裸になって待つナナミ。シュンは道に飛び出して車に轢かれ、その瀕死の状態をホテルの窓から見たナナミは無表情になります。無人のシャワーで映画は終わります。

 フランスで5月革命が起こっていた68年の映画というのが感慨深い、そんな映画でした。

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飴村行『粘膜兄弟』その3

2012-08-09 03:30:00 | ノンジャンル
 またまた昨日の続きです。
 二人の戦死の知らせを受けていたゆず子は、二人の姿を見て驚きますが、麿太吉の生還を心の底より喜びます。ゆず子は麿太吉にほれていることを矢太吉に告白しますが、矢太吉はショックのあまりその場を立ち去ります。麿太吉とゆず子は結婚し、二人で暮らし始めます。ゆず子は麿太吉に、以前金持ちと結婚したものの、夫の浮気のために離婚し、その子供も闇医者に堕ろさせたために子供ができない体になってしまったことを告白しますが、麿太吉は全てを受け入れます。
 結婚して一カ月後、矢太吉が旅から帰ってきます。彼は旅先で知り合った帝大生から、いずれ巨万の富を得て絶世の美女と結婚できると断言されたと誇らしく言い、一人暮らしをする家が見つかるまで、しばらくはヘモやんの部屋で寝起きすることになります。
 翌日、戦地で命拾いをしたポン太がやって来ます。彼は寅之助と針市を双子が殺したことを推理していて、双子を殺して組の盃をもらうつもりであることを述べ、二人に決闘を迫り、それを受けないなら脱走兵として憲兵に通報すると言い、双子は決闘の申し出を受けます。二人は念のため、ヘモやんも秘かに連れていくことにしますが、亀吉も一緒に行きたいと言い出し、彼も連れていくことにします。
 決闘の場である吉太郎神社前の広場に着いた二人は、既にそこで待っていたポン太の前に進むと、落とし穴に落ちてしまいます。ポン太の背後から近づいたヘモやんは、持っていた巨大な金槌を振り上げるとバランスを崩してポン太の知れるところとなり、やはり穴に落とされます。やがて城田組の者たちがやって来るとポン太は言いますが、そこに現れた亀吉はポン太の股間を喰い破り、穴から出た矢太吉は金槌でポン太の頭を砕き、殺します。
 翌日、矢太吉は旅先で知り合った帝大生が詐欺師として捕まったという新聞記事を読み、怒りに震えます。その直後、矢太吉は黒助の襲撃を受けますが、亀吉はその正体を知っているそぶりを見せます。そこへゆず子があわててやって来て、双子の父の仇である村木がカフェーに現れたことを麿太吉に告げます。村木が現れたことを知った矢太吉はすぐに復讐に出かけようと言いますが、ゆず子との今の生活を続けたい麿太吉は矢太吉に、復讐すれば顔が割れ、脱走兵として銃殺されてしまうと言って矢太吉に復讐を思いとどまるように説得します。
 翌日の早朝、ヘモやんが麿太吉を起こします。ヘモやんは前の晩に酔っ払って矢太吉につい村木の居所を言ってしまい、朝目覚めると鞄に入った村木の生首が置いてあったと話し、顔を見られたので逃げると書かれた手紙も添えられていました。新聞には事件が矢太吉の似顔絵とともに大々的に報じられていました。
 翌朝麿太吉が起きると、自分もゆず子も縛られていて、目の前には矢太吉が立っていました。矢太吉はせっぱつまったのでもう死ぬと言い、その前に本当にやりたかったゆず子とのセックスをすると言います。結局矢太吉はゆず子を犯し、殺意を抱いた麿太吉は親指がないことを利用して手首の緊縛を解き、矢太吉の残った目をつぶします。目が見えなくなり激昂した矢太吉は持っていた牛刀を振り回し、それは麿太吉の胸に刺さります。
 闇に包まれた中で目を覚ました麿太吉は、自分が死んだことを悟ります。そこに現れた吉太郎様は輪廻の可能性を述べますが、麿太吉は矢太吉への恨みがまだ解消されていないので、輪廻できないと訴えます。吉太郎様は麿太吉を黒助の姿に変え、それ以来麿太吉は矢太吉への暴行を続けるようになるのでした。

 矢太吉の目が摘出される拷問のシーンは、読んでいて気分が悪くなるほどの迫力でした。飴村さんの小説は読んでいて、どんな残虐な展開が待っているか、どうしても期待してしまうところがあります。そういった点でスリリングな小説だと思いました。

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飴村行『粘膜兄弟』その2

2012-08-08 00:37:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 自宅に死体を運んだ麿太吉は、ヘモやんの提案で死体を豚に喰わせることにします。ヘモやんはフグリ豚の睾丸の液体から作ったというフグリ汁で、矢太吉の傷も治してしまいます。そして麿太吉は二人きりになった時に、ゆず子から愛の告白を受け失神しますが、目が覚めると、矢太吉にはゆず子とのことは秘密にしておくことにします。ゆず子は麿太吉のために氷を買いに行きますが、その間に憲兵がやって来て、双子に召集令状を渡して連行していくのでした。
 二人は初年兵として召集された時に受けた暴力から、下士官や将校に対する異様な怨念を抱いていました。面会に来たゆず子は、何としても生きて帰ってくれという手紙を秘かに麿太吉に渡し、ヘモやんは二人にフグリ汁と吉太郎神社のお守りを渡します。
 南方へ向かう船の上で、ひどい船酔いに会った矢太吉は、やけになってお守りを海に捨ててしまいます。麿太吉は、将校に虐められている少年・正夫を助け、彼の部屋に匿われますが、彼の父はゲリラに拷問を加えられて正気を失っている船の厨房員でした。麿太吉はゆず子の話をすると、正夫は結婚祝いとしてシガレットケースをくれるとともに、日本は戦争に負けると断言し、またこの船が南方のナムール行きだと教えてくれます。そうして二人が話していた時、乗っていた船が魚雷攻撃を受け、正夫は死んでしまいます。麿太吉は矢太吉と将校を倒して、彼の持っていた極秘文書を手に入れ、救命艇で脱出しようとしますが、そのボートに集まってきた兵隊たちに対し、矢太吉はボートにかけられた彼らの手を全て切断し、自分たちだけが脱出することに成功します。
 ナムールに着いた二人は、飛行場での塹壕掘りに従事させられ、澤田という将校に目をつけられ、彼の当番兵となります。二人は澤田について塹壕掘りの視察に行っていた時、ゲリラの大規模な襲撃を受け、二人はトラックでそこを逃げ出します。飛行場の外に停まっていた自動車の中には中尉の死体と瀕死の状態の中尉の愛人がいました。二人は順番に愛人を犯すことにし、麿太吉は無事にセックスを終えますが、矢太吉がことに及ぼうとすると黒助が現れ、その間に愛人は死んでしまいます。二人は他人になりすまして病院船で日本に帰る計画を立て、矢太吉は中尉の服と認識票を自分のものと交換します。麿太吉の分は夜になって飛行場に戻り、「奥崎」という兵隊の死体の認識票と交換しますが、飛行場を後にしようとした時、偵察に出ていた澤田とその当番兵のポン太に見つかってしまいます。その場で殺されそうになった二人でしたが、突然現れた巨大なムカデによって澤田は殺されて、その場でムカデに食べられ、ポン太も右手首を失い、そこから逃げ出した二人は助かります。
 港を目指して歩く二人は飢えにかられ、途中で見かけた小屋に寄って食べ物を得ようとしますが、そこでゲリラに捕まってしまいます。中尉の服と認識票を持ち、極秘書類まで持っていた矢太吉は、日本の作戦に対する質問を受け、それに答えられない矢太吉は拷問を受けることになります。ゲリラはその前に麿太吉を処刑すると言いますが、処刑の直前に、麿太吉の持っていたシガレットケースが二重底で、その中に香港の反日組織からの暗号文があるのを発見し、矢太吉の拷問の後に改めて麿太吉と話し合うことにします。矢太吉は目の6つの筋肉を切られた後、眼球を摘出されるという拷問を受け、右目を失いますが、その間に麿太吉は近くにあったノコギリで自分の左手の親指を切断して手錠を外し、自動小銃でゲリラたちを倒します。
 二人はフグリ汁で傷を癒した後、再び港に向けて出発しますが、途中で蜥蜴人の子供に会い、彼の案内で港に到着します。麿太吉はその子供を亀吉と名付け、日本に連れて帰ることにします。港に着いた二人は喜びますが、麿太吉は油断して崖を落ち、意識を失います。闇の中で吉太郎様と会った彼は、死の淵から甦り、三人は無事に病院船に乗り込み、日本に帰るのでした。(またまた明日へ続きます‥‥)

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/