昨日に引き続き、今度はポール・モーリアについて調べたところ、彼はフランス人で、2006年11月3日に80歳で亡くなっていることを知りました。YouTubeで見た限り、日本には彼の熱狂的なファンがいたようで、何度か来日公演をしていたようです。改めてご冥福をお祈り申し上げます。
さて、昨日の続きです。
朝。窓辺にいた瑞希は廃墟と化した部屋に驚く。床に花の写真。2階に行くと、風が吹き、壁からハラハラと花の写真が落ちて来る。
列車に向かい合って座る優介と瑞希。
満月。
町。
餃子を作る優介。「本当に帰って来たんだな。東京では飾り職人をしてた」。陰で瑞希「飾り職人って何?」
布団を敷く2人。「初めて餃子を食べた時、とてもうまかった。金がないと言ったら働かせてくれた」「その時、警察に連れていかれてたかも」「陣内さんとハツエさんは普通の人たちだ」。
繁盛している食堂。2人も手伝う。瑞希「手がつるつるになって不思議」ハツエ「水が合うのよ」。
市場で若い坊さんに見つめられる優介。坊さんは近づいてくると「~の渡辺さんですか?」と言い、「違います」と答えると去っていく。「優介、なんかすごい。2人でここに住まない? そうなったら……」。
「久しぶりの宴会だ。ずっと景気が悪かったから」。ピアノがある。ハツエ「自分の音を聞きなさいと習いました」陣内「へえー、面白いねえ」「父と母は音楽はダメでした。随分前に亡くなりましたが」。(中略)
玉子を落とす優介。瑞希「優介君らしくないな」。
日帰り温泉からの帰りの2人。「気持ちいい」。夕方。「今が一番好き」。
宴会の準備。ピアノの上に“天使の合唱”の楽譜。瑞希は何となく、その楽譜をピアノで演奏し始める。そこへハツエが飛び込んできて「勝手に弾かないで」と怒る。「すみません」。気持ちが落ち着いたところでハツエ「ピアノ、結構やってたんだ。8歳年下の妹がいたんだけど、腸が悪くて、あっと言う間に死んで……。あの子、すっかりその曲が気に入って、何度も弾いてたので、すっかり耳にこびりついた。あんまり何回も弾くので、一度ひっぱたいたこともある。10歳の子供に。どうかしてたのね。それからすぐに死んじゃった。だから私もピアノを止めた。そして実家からピアノを引き取った。どうでもいい話ね。ピアノは私の足にからみついて、私を過去につなぎとめて。一瞬でいいから、あの頃に戻りたい。そしてマコちゃんに謝りたい。また天国で会おうね。あれから30年も経った」。マコ、姿を現す。ハツエ「マコちゃん!」マコ「いいですか? ピアノ」「いらっしゃい。座って」。マコ、ゆっくりと弾き始める。ハツエ「もう一度最初から自分のテンポで」。滑らかに弾くマコ。見守る瑞希とハツエ。マコは弾き終わると、2人に笑顔を見せてから、消える。
「どうもお世話になりました。また来ます」と言って去る優介と瑞希。
路上を走り、バスに間に合う2人。
優介のバッグの中から“松崎朋子”から優介に宛てたハガキを見つけ、「何これ?」と瑞希。「お守りだよ」「手紙出したの? この人のところにいるかもしれないと思ったの。あなたのパソコンで見つけた。結構何度も会ってたのね」「相手はどうでもいい女だった」「朋子さんの前でもそう言える? あ、降ります」「ちょっと待ってよ。終わったことなんだから」「私の中では終わってない。私は忘れない」「どこ行くの? 危ないよ」。道路の向こう側で立ち尽くす優介。
目覚める瑞希。枯れた鉢植え。雑然とした部屋。優介の口座の更新のお知らせ。
朋子(蒼井優)に会う瑞希。「その後、優介さんは?」「居所は分かった。連絡があったの。元気にしてるって。家にこれがあって、心配させたけど、もう大丈夫。ここには戻らない。薮内先生の奥さんがどんな人か知りたかったけど、想像通りだったので拍子抜けした」「私、朋子さんに励まされた。私の方が先に見つけるっていう力が湧いて来た。他の女に取られるくらいなら、死んでしまえって。私と優介はまっとうな夫婦です」「私も結婚してます。秋には出産も控えてます。病院の勤めも辞めます。平凡だけれど、これ以上何を求めればいいんでしょう?」。
枯れた鉢植えを捨てた瑞希は、急いで白玉を作る。
椅子に座り、白玉を見つめる瑞希。優介が現れ、瑞希を立たせると、抱きしめる。
森の中を進むバス。
集落で降りる2人。松崎(柄本明)「あー、来た、来た」「松崎さん、変わってないでしょ」「ノートを取ってあるよ。最初は小学生向けの塾だったんだが……。先生に教わるまでは、アインシュタインが人の名前だってことも知らなかったからね。カオル、お茶を出して差し上げて。悪い子じゃないんだけど、気がきかない。好きだけここにいてください。良太、優介先生だよ」「やった! やった! 優介先生だ」村中にふれて回る良太。(また明日へ続きます……)
さて、昨日の続きです。
朝。窓辺にいた瑞希は廃墟と化した部屋に驚く。床に花の写真。2階に行くと、風が吹き、壁からハラハラと花の写真が落ちて来る。
列車に向かい合って座る優介と瑞希。
満月。
町。
餃子を作る優介。「本当に帰って来たんだな。東京では飾り職人をしてた」。陰で瑞希「飾り職人って何?」
布団を敷く2人。「初めて餃子を食べた時、とてもうまかった。金がないと言ったら働かせてくれた」「その時、警察に連れていかれてたかも」「陣内さんとハツエさんは普通の人たちだ」。
繁盛している食堂。2人も手伝う。瑞希「手がつるつるになって不思議」ハツエ「水が合うのよ」。
市場で若い坊さんに見つめられる優介。坊さんは近づいてくると「~の渡辺さんですか?」と言い、「違います」と答えると去っていく。「優介、なんかすごい。2人でここに住まない? そうなったら……」。
「久しぶりの宴会だ。ずっと景気が悪かったから」。ピアノがある。ハツエ「自分の音を聞きなさいと習いました」陣内「へえー、面白いねえ」「父と母は音楽はダメでした。随分前に亡くなりましたが」。(中略)
玉子を落とす優介。瑞希「優介君らしくないな」。
日帰り温泉からの帰りの2人。「気持ちいい」。夕方。「今が一番好き」。
宴会の準備。ピアノの上に“天使の合唱”の楽譜。瑞希は何となく、その楽譜をピアノで演奏し始める。そこへハツエが飛び込んできて「勝手に弾かないで」と怒る。「すみません」。気持ちが落ち着いたところでハツエ「ピアノ、結構やってたんだ。8歳年下の妹がいたんだけど、腸が悪くて、あっと言う間に死んで……。あの子、すっかりその曲が気に入って、何度も弾いてたので、すっかり耳にこびりついた。あんまり何回も弾くので、一度ひっぱたいたこともある。10歳の子供に。どうかしてたのね。それからすぐに死んじゃった。だから私もピアノを止めた。そして実家からピアノを引き取った。どうでもいい話ね。ピアノは私の足にからみついて、私を過去につなぎとめて。一瞬でいいから、あの頃に戻りたい。そしてマコちゃんに謝りたい。また天国で会おうね。あれから30年も経った」。マコ、姿を現す。ハツエ「マコちゃん!」マコ「いいですか? ピアノ」「いらっしゃい。座って」。マコ、ゆっくりと弾き始める。ハツエ「もう一度最初から自分のテンポで」。滑らかに弾くマコ。見守る瑞希とハツエ。マコは弾き終わると、2人に笑顔を見せてから、消える。
「どうもお世話になりました。また来ます」と言って去る優介と瑞希。
路上を走り、バスに間に合う2人。
優介のバッグの中から“松崎朋子”から優介に宛てたハガキを見つけ、「何これ?」と瑞希。「お守りだよ」「手紙出したの? この人のところにいるかもしれないと思ったの。あなたのパソコンで見つけた。結構何度も会ってたのね」「相手はどうでもいい女だった」「朋子さんの前でもそう言える? あ、降ります」「ちょっと待ってよ。終わったことなんだから」「私の中では終わってない。私は忘れない」「どこ行くの? 危ないよ」。道路の向こう側で立ち尽くす優介。
目覚める瑞希。枯れた鉢植え。雑然とした部屋。優介の口座の更新のお知らせ。
朋子(蒼井優)に会う瑞希。「その後、優介さんは?」「居所は分かった。連絡があったの。元気にしてるって。家にこれがあって、心配させたけど、もう大丈夫。ここには戻らない。薮内先生の奥さんがどんな人か知りたかったけど、想像通りだったので拍子抜けした」「私、朋子さんに励まされた。私の方が先に見つけるっていう力が湧いて来た。他の女に取られるくらいなら、死んでしまえって。私と優介はまっとうな夫婦です」「私も結婚してます。秋には出産も控えてます。病院の勤めも辞めます。平凡だけれど、これ以上何を求めればいいんでしょう?」。
枯れた鉢植えを捨てた瑞希は、急いで白玉を作る。
椅子に座り、白玉を見つめる瑞希。優介が現れ、瑞希を立たせると、抱きしめる。
森の中を進むバス。
集落で降りる2人。松崎(柄本明)「あー、来た、来た」「松崎さん、変わってないでしょ」「ノートを取ってあるよ。最初は小学生向けの塾だったんだが……。先生に教わるまでは、アインシュタインが人の名前だってことも知らなかったからね。カオル、お茶を出して差し上げて。悪い子じゃないんだけど、気がきかない。好きだけここにいてください。良太、優介先生だよ」「やった! やった! 優介先生だ」村中にふれて回る良太。(また明日へ続きます……)