亡くなった父の姉、つまり私の伯母は90歳近い。
私は子供の頃からこの方が大の苦手だった。
マツコに似た感じで、身体は大きくて毛皮とか着ちゃう。そしてドスの効いた低い声。
バツイチでありながら恋愛のことと自慢ばっかり話すのだった。散財も大好き。
父がいなくなり付き合わなくて良くなって本当に助かったと思う。
そんな伯母から母のところに電話があった。
要件は自分の電話番号が変わったというお知らせだったが、
そんなところだけちゃんとしているのが謎。
母も「借金の申し込みかと思って電話を取るのに躊躇した」と言っていた。
私はと言えば、まだ伯母さんは生きていたんだーとはなはだ失礼な感想を持ったが
後で聞いた母との世間話はすごいものだった。
伯母さんは生活費一切を嫁に行った娘さんが見ているらしく、お金に不自由はしていないそう。
だが、なんと娘に内緒でさらに年上の方の「愛人」をやっているんだと!
その相手に「何か買ってやるから欲しいものを言え」と言われて、買ってもらったのが
ほら、たまにお年寄りが乗っている電動のカートみたいな車!あれだって!
かつてなら高級な貴金属やバックを欲しがっていたものだが、お年を召したら
欲しいものは変わるのねーどころじゃない贅沢高級品だ。
もうなんかね、世界が違い過ぎるっつーか、知りたくない世界っつーか、もう切れてー、縁。