明治乳業争議団(blog)

働くルールの確立で人間性の回復を!

明治の典型的な不当労働行為・差別事件を都労委の下で訴え!

2012年11月21日 14時50分45秒 | お知らせ
東京争議団共闘会議の「一人の首切りも差別も許さない」の一点での共同宣伝実施

 争議団と支援共闘会議は、結審以降継続している要請の中で、本件がこの種事件の判断要件に照らして、極めて典型的な不当労行為・差別事件であり、救済されるべき事案であることを明らかにしつつ、すでに11名もの申立人が亡くなっていることから、一日も早い「救済命令」の交付を求めてきました。
 しかし、同時に、異常な企業体質の(株)明治を和解解決に応じさせる為には、必要年数を遡及しての精査・判断を行い、累積格差の一括是正や不当労働行為の事実認定など、明確な「救済命令」が何よりも必要である事を訴えてきました。

明治の元人事評定者の経験を聞く

 会社は人事考課の公平性を保つために、「・・・複数の評定者間で予め打合せを行い、評定基準を揃えた上で評定を行うことにしている。これは、評定者の評定感覚の違いによって評定が左右されることのないようにするためである」と、もっともらしい主張を行った。 しかし、当時の第一次評定経験者は、「事前の打ち合わせ」と称して先輩係長から社外に呼び出され、「昇格させたいならB考課をつけろ、そうでないならC考課をつけろ」、「○○君は今回昇格させたいからB考課をつけろ」等と強制されるなどの「評定感覚すり合わせ」が行われていた実態等々、会社の主張は事実とは全く異なることを聞き、改めて都労委に向け告発してきました。

評定者の告発は会社の秘密資料を裏付ける内容

 本件申立人らは、その告白内容を裏付ける会社の秘密資料(笠原ノート)も提出して立証してきました。そこには、予備評定者(主任)や、第一次評定者(係長)が集まって、組合員を「赤組(×印)」「白組(○印)」「雑草組(△印)」と選別・分断して支部役員選挙対策を行っている記載や、申立人ら「赤組」に対しては、職場異動・転勤・賃金昇格差別などをするための具体的方策が話し合われている記載があります。要するに「評定感覚すり合わせ」は公平性の為ではなく、申立人らを嫌悪する会社が、申立人らを見せしめとして差別するための「評定感覚すり合わせ」であることを如実に物語っていることを実証することになりました。

この様に労働者の人権をないがしろにする企業には、消費者の人権も守れない 

 1972年、明治乳業が異種脂肪(ヤシ油)を牛乳に混入させていた事実が発覚し、マスコミ報道や国会での追及により社長ら役員が辞職しました。しかし、企業体質は改善されず2000年以降においても、製品回収事故や無認可の香料使用、契約違反のブレンド牛乳の製造発覚、大腸菌汚染の原料を使用、乳等省令違反での摘発など、25件もの様々な不祥事・不正行為が後を絶ちません。しかも、労働争議においては、60年代から第三者機関で争われた主な事件だけでも10件を数え、労働災害による死亡事件に至っては、2010年のリフトによる圧殺死及び昇降機の下敷きとなった死亡災害を含め7人もの従業員が犠牲となっています。まさに、物言う労働者を差別・排除し、食品企業としてのモラルや企業倫理をないがしろにした(株)明治の実態なのです。

止まない不正・不祥事、婦人団体の面会も拒否する明治

 昨年の11月に明治の牛乳・乳製品から放射性セシウムが検出されて以降、子育て中の母親を中心に食の安全・安心に対する不安や不信の声が高まっています。争議団と支援共闘会議は、セシウムの混入経路問題や製品の独自検査とその数値結果を公表して消費者の不安解消に応えるよう株主総会などでも厳しく追及してきましたが、会社は、自治体のモニタリング検査で安全性が確認されていることを理由にその必要性を否定。また、婦人団体による「放射能汚染から子供たちの健康を守る」ための面談要請に対して明治HDはそれすら拒否したのです。正に、このご時世に、全国20団体90万人の会員を反故にするほど、浅野社長体制は「太っ腹」で目出度しメデタシなのです。

そして、今年の7月には「明治ミルクプリン」の細菌汚染と言う不祥事を引き起こし、明治の原因公表は「微生物」と言い、多摩小平保健所は「一般生菌(細菌)」と見解を示し、都の安全監視課は「芽胞菌」と判断したが、明治は、今もって最終原因を消費者に明らかにせず、いつものごとくダンマリに身を隠し「隠ぺい」しています。

9月には「粉ミルク談合事件」が発覚しても、明治の営業担当社員2名も書類送検されました。取り調べでは、不正談合は5~6年前から行われ『異動の際も重要な引き継ぎ事項・・・入札参加も現場の一存では決められない』との自供もあったと言う。「(株)明治」における落札契約者は当時の浅野社長であり、食品販売部長は現在の川村社長です。このような会社ぐるみの組織的背信行為について、上層部は消費者国民に対して何らの謝罪もなく、自らの社会的責任すら果たそうとしていません。

都労委からの「救済命令」は、健全な企業に立ち戻る「道しるべ」と訴える

 消費者に背を向け、不祥事・不正行為を繰り返す会社を健全な企業活動に立ち戻らせるためには、労使の信頼関係を基軸とした企業内のチェック機能を確立させることが必要。 
 しかし、長年にわたって従業員の人権を踏みにじり、もの言う労働者を差別・排除するような行為が許されている現状のままではそれも不可能です。その意味においても、重要な役割を担っている都労委が、除斥期間の範囲を超えて継続的かつ累積的に格差が形成されるという、不当労働行為・差別事件の特質を正面から受け止め、必要年数の遡及審査を行って不当労働行為の事実認定と累積差別の将来へ向けた「一括是正」命令を交付することが、明治の半世紀におよぶ異常なまでの企業体質を根本的に改善させる「道しるべ」と訴えてきました。
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