海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「これはおれのことだ。都会人が好きなこと」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2008年08月05日 | 政治と文化
白人は、ここ数十年来、新聞紙上では批判の的だ。彼は他の民族を抑圧し、いくつもの戦争を始め、パキスタンの棉花取りを搾取し、かなり人種主義的で帝国主義的で人種中心主義的な態度を示した。彼は他人に何を期待したいのか。彼は自分のイメージに手を加えた。世の中の物事がどうならねばならないかについて、白人は、今後も決定したいと思っている。ただ、今日彼はそのことに良心の呵責を感じている。
白人についての研究は、まだ、始まったばかりだ。イスラム社会の陰核切除やパプア・ニューギニアの北西部に住むワンパー族が結婚や性行動と結びつける態度は、知ることができるのに、白人は「未知の領域」である。「白人達は彼らが白いことは目に見えないと思っている。彼らは自分たちの観察する主体の位置を自明だと思っている。」
カナダ人のクリスチャン・ランダーは、この痛ましい研究の空白を埋めた。彼は”stuffwhitepeoplelike.com"(白人が好きなこと)というブログの管理者である。彼は29才の白人で、彼自身がからかっている左翼リベラル派に属している。このブログは非常にはやっているので、彼は昨年も一冊、本を公刊した。『白人が好きな物:数百万人のユニークな趣味への決定的案内』(Stuff White People Like:A Definitve Guide to the Unique Taste of Millions).「ベルテルスマン社」の提携会社ランダム・ハウスは、著者に35万ドル(3,500万円)の原稿料を支払った。彼は教養ある都会に住む数百万の白人の独特の趣味を150ポイント数え上げた。ドイツ語への翻訳はまだ計画されていない。
それによると、白人は、映画祭が好きだが、主流の映画は嫌う。セルビアと北朝鮮あるいはフィンランドのパトロール隊が好き。副題の付いた映画はどれもそれだけでオーケー。なぜならば、それは「ハリウッド・システム」の外で制作されているからだ。白人は土曜日には週末マーケットに出かける。その理由は、そこでは、犬と非常に高価な乳母車に乗せた子供を見せびらかせるからだし、それでもって、地域の市場と小さな商店を支持できるからだ。
 たとえば、彼はテラスの上の日本人の所へ行くこともできただろう。なぜなら、白人はスシを食べるのが一番好きだ。「それは彼らが欲するすべてである」とランダーは書いている。「未知の文化、高価だが、健康によく、無教養な連中には嫌われている。」
ランダーの本は、滑稽で狡猾であるが、特に暴露的である。なぜならば、個人がどれほどグローバル化に批判的で自分の個性を保とうとするにせよ、かれらはそれだけ一層、グローバル化の子供だ。価値や消費の規準は、ハンブルクでもマドリッドでもサン・フランシスコでもシドニーでも同じである。彼らはみんなカフェ・ラッテを手に持ち、耳にアイポッドのイアホーンを差し込んで街頭を歩く。著者・芸術家・建築家を夢見て。彼はホメオパティーによる処置を好むが、学校医学に対しては原則的に批判的だ。(以下省略)
[訳者の感想]左翼リベラル派に属する白人の生活態度とはどういうものか、よく分かります。日本にもこれと似た行動様式をもつある階層がありそうですね。
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