海外のニュースより

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「トルコ人の移民は、頑固に統合を拒否している」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2009年01月25日 | 政治と文化
ドイツ連邦共和国は、移民受け入れ国である。そうこうするうち、他の国の出身である人たちの数は、1500万人に達した。彼らの多くは統合融和されている。だが、ある大きな部分は、平行社会の中で漂っている。特にこの部分に当たっているのが、トルコ系の移民だ。
ここでは、移民は、平均して低い程度の教育しか受けておらず、しばしば、失業しており、土着のドイツ人よりも、公共の生活に参加することが少ない。これは、「人口と開発のためのベルリン研究所」の研究報告「利用されていない潜在能力」の成果だ。この研究報告は、「ドイツにおける統合の現状」を調査し、月曜日にベルリンで公表された。
ドイツには、他の国から来た1500万人の移民が住んでいる。それゆえ、国民の20%がいわゆる移住の背景を持っている。移住民の子供の数は、土着国民の子供の数よりも多いので、彼らの總人口に対する割合は、今後、移住者が来なかったとしても、増加する。統合の議論には、モスクの建設、外国人犯罪の増加、女性の頭巾着用を巡って、火がついた。だが、これらは、もっと大きな問題のためのスローガンに過ぎない。なぜならば、移民の重要な部分が統合融和を拒否しているからである。
元ユーゴスアビアからの移民、アフリカとトルコからの移民において、順応不足が存在している。トルコ人は、300万人いて、元のソビエト連邦からの移住者に次ぐ二番目に大きな集団を形成している。
大抵のトルコ人移民は、長らく、ドイツに生活しており、彼らの半数はドイツ生まれであるけれども、彼れらには、統合の用意はできていない。トルコ系移民のわずか32%がこれまでにドイツ国籍を取得した。
かっての外国人労働者として、彼らはしばしば、学校や職業訓練を受けないでドイツに来た。比較的若い世代もあまり教育を受けようという動機を示さない。
トルコ人およびトルコ系ドイツ人の30%は、中学校修了資格を持っていない。14%しか、大学入学資格を取得していない。これはドイツ国民の平均の半分に及ばず、他の移住民よりも遙かに少ない。それに応じて、彼らは、労働市場でも統合されていない。移住してきた世代の高い失業率は、より若い世代にも残っている。多くのトルコ人は失業者であり、家庭の主婦の割合が異常に高く、多くは生活保護を受けている。
特にこれらのグループは、一定の都市部に住んでいるので、自分たちの仲間とだけつきあっている。このことによって、移住してきた女性がドイツ語を学ぶことは、困難である。
それが原因で、子供達には、良い統合への前提が欠けている。同様に、他のグループでは進んでいる多数派国民との混合は、トルコ人では殆ど見られない。ドイツで生まれた人たちの93%は、同じ由来集団のパートナーと結婚している。生活事情の平均化の妨げとなっている平行社会は、その結果である。
[訳者の感想]ドイツでは、ことあるごとに、移民が多数派ドイツ人社会に統合融和しないという問題が大きな社会問題になっているようです。
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