海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「欧州議会議員、イスラエルとの対話を停止すると脅す」と題する『シュピーゲル』の記事。

2010年02月23日 | 犯罪
ベルリン発:この出迎えを、イスラエル外相のアヴィグドール・リーバーマンは、違ったふうに想像していたに違いない。月曜日にブリュッセルで、通常の歓迎の決り文句の代わりに、彼を待ち受けていたのは、ヨーロッパ外相達の憤激だった。「あれはわれわれの世紀にふさわしいやり方ではない」とルクセンブルグ外相ジャン・アッセルボルンは、言った。「われわれは非常に憂慮している」とスペイン外相ミグエル・アンヘル・モラティーノが続けた。スエーデン外相カール・ビルトは、「勿論、われわれには欧州諸国が発行したパスポートの偽造は受け入れられない。」
彼らが示唆しているのは、1月末に起こったドバイでのハマスの党員であるマームード・アル・マブフーフの謎めいた暗殺である。イスラエル政府は、これまでいかなる関与も否定しているけれども、この間に、ドバイ警察以外に、ドイツ当局も出動した。11人で編成された殺人部隊が、イスラエルとヨーロッパ国民の身分証明を使用したという容疑が固まった。欧州連合発行の旅券を借りた6人の英国籍を持った偽のパスポートが利用された。六人はアイルランドのパスポートで、一人がフランス、もう一人がドイツの偽造パスポートを使用した。
数日来、ロンドン、ダブリン、パリ、ベルリンの政府は、イスラエル政府に事件を説明するように迫った。月曜日には、彼らは、「欧州連合は、犯行に参加した者たちがヨーロッパ市民の身分証明を盗むことによって可能となったパスポートやクレジット・カードを使用したという事情を厳しく断罪する」という共同宣言を公表した。
声明文の中には、イスラエルという国名は、はっきりとは言及されていないが、ブリュッセルでは、殺人に対する責任がイスラエル政府にあることは疑いがない。英国とアイルランドとは、リーバーマン外相と締め切られた部屋の中で話し合いをすることを望んだ。英国は、回答を期待し、「最高位のイスラエル政府当局者が英国捜査陣と完全に協力すること」を要求した。
リーバーマンは、ブリュッセルに到着後、新たに一切の責任がないと述べた。秘密機関モサドに対する非難は根拠がないと彼は断言した。
にもかかわらず、ドバイ事件は、イスラエル政府にとって不愉快な政治的帰結を持つかもしれない。数年前から、イスラエルは、欧州連合との友好関係のアップグレードを求めて努力してきた。欧州連合との一致は、2009年春のガザ地帯におけるイスラエルの攻勢以来、冷却している。
「関係をアップグレードしたいというイスラエル政府の願いは、ドバイの殺人事件で、後退せざるをえない」とヨーロッパ社会民主党の党首マルチン・シュルツは述べた。(以下省略)
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