海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「ブッシュは、ドイツの気候変動対策に頑固に反対」と題する『シュピーゲル』誌の記事。

2007年05月26日 | 環境問題
ベルリン発:ワシントンとベルリンの間の感情のこじれは、特にG8の閉会宣言を準備する際の米国の立場の記述についての要約において明らかになったと「ドイツ通信」は報道している。そこでは、「気候変動の取り扱いは、われわれの一般的な立場に反しており、われわれが単純に同意できない諸概念で『危険ライン』を越えている。」
 外交官にとっては、異常なほどはっきりと、確認されている。「われわれは注意深く前進しようと試みたが、ドイツの立場に対するわれわれの基本的な反対に関して、ある点までしか行くことができない。」気候変動と戦うための、二酸化炭素の取引についてのドイツの提案は、環境保護のための大統領の試みとは結びつかない。」
 ドイツ連邦政府は、バルト海沿岸のハイリゲンダムで開かれたG8で、ブッシュ大統領の考えを変えさせうると希望していた。その際、大統領の外交官達は、先週、閉会宣言のための草案に基づく沢山の提案を抹消した。
 その中には、今世紀の終わりまでに、摂氏2度に上昇する地球温暖化を食い止めるための要求や、2050年までに二酸化炭素ガスの排出量を半分にしよという要求、2020年までに20%多く代替エネルギーを増やすことなどが含まれていた。専門家達は、アンゲラ・メルケル連邦首相がブッシュに気候危機を避けることを認めさせるのに成功しない場合は、大騒動になると思っている。
 首相府官房長官のトーマス・ドメジールは、『ベルリン新聞』に次のように述べた。気候に関しては、一度会議を開催するように忠言する。そこではみんながもっと動くだろうと私は思っている。そのことは特にエネルギー効率というテーマについて当てはまる。そこではヨーロッパ人は米国と協調できると思っている。「米国が気候問題に関してイエスというように関わり合いになるか」という質問については、「私はまだ前もって何も言う気はない。G8サミットの義務づけが、ヨーロッパ・サミットほど具体的になるとは思わない。だが、米国を一方的に被告席にすわらせるのには反対だ。」
 これに対して、環境組織の「グリーン・ピース」は、次のように警告している。「環境保護を真剣に考えるならば、ブッシュのようなレーム・ダックをもはや待ってはいられない。ドイツのサミット草案への攻撃的反応で、米国政府は、ザイルを切断したのだ」とエネルギー問題の専門家であるトビアス・ミュンヒマイヤーは、「ドイツ通信社」に述べた。けれども、メルケルは、以下の目標を目指すべきだ。つまり、2020年までに、G8加盟国は、二酸化炭素ガスの排出量を30%減らすこと、その際、ドイツは、40%削減を義務づけられる。
[訳者の感想]気候変動問題についてもブッシュはアメリカ大企業の肩を持って、二酸化炭素ガス削減に熱心でないように見えます。
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