海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「国際刑事裁判所、戦争犯罪容疑者に逮捕令状を執行」と題する『アルジャジーラ・ネット』の記事。

2007年05月04日 | アフリカの政治・経済・社会
 国際刑事裁判所(ICC)は、スーダンの大臣とジャンジャ・ウイード民兵の指揮官を戦争犯罪のかどで逮捕状を発行した。
 スーダンの「人道省」の長官であり、もとダルフール問題担当大臣だったアーメド・ハルーンとアリ・コシェイブに対する逮捕状は、国際刑事裁判所によって出された。
逮捕状は、51件の戦争犯罪と殺人・拷問・大量レイプを含む人道に反する犯罪に加わったと非難している。
 スーダン政府の法務大臣モハメド・アリ・アルマルディは、スーダン政府は、容疑者引き渡すつもりはないと述べた。「われわれは国際刑事裁判所を認めない。われわれは、政府に対して武器を取った反乱軍からさえいかなるスーダン人も引き渡さない」と述べた。
 「われわれの立場は明白であり、それを変えるようなことは何も起らなかった。」
アルマルディは、「自分たちはハルーンを取り調べたが、彼に不利なほんの僅かな証拠も見出さなかった」と述べた。
 スーダン政府は、コシェイブを逮捕した調査をしたが、証人達は彼が自由にダルフールの一つの町から他の町へと旅行していたと述べた。
スーダン政府は、ICCにはダルフールで行われた犯罪を裁判する権限はないと言う。しかしながら、この件は、国連の安保理決議によって裁判所に付託された。そして、安保理決議は、スーダン政府がICCに協力することを要求している。
 告訴は2003年と2004年にダルフール西部の村々に対して行われた一連の攻撃に焦点を置いている。
 裁判所は、上記の二名が戦争犯罪と人道に対する犯罪に対して「責任」があると結論する十分な根拠があると述べている。
 裁判所の検察官であるルイ・モレノ・オカンポは、「われわれは非常に困難な状況下で、ダルフールの外部から、証人を危険に曝さないで、捜査を行った。」「われわれは彼らの話を証拠に変えた。裁判官達は、この証拠の力を確信した。」
 「裁判官は、逮捕状を発行した。領土をもった国家として、スーダン政府は、アーメド
・ハルーンとアリ・コシェイブを逮捕する義務がある。」
 「これは国際刑事裁判所の決定であり、政府はそれを尊重しなければならない」と彼は言う。
 国連によると、ダルフールの紛争は、20万人の死者を出し、200万人の人間を住まいを失った。
 スーダン政府は、この数字に異議を申し立て、死んだのは9千人だけだと言っている。
[訳者の感想]ダルフール紛争については、スーダン政府は国連平和部隊の派遣にも反対で
中国はスーダンとの石油取引には熱心だが、紛争や人権問題については殆ど何も言わないようです。
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