海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「中国は、ボーイングとエアバスに対抗する」と題する『ヴェルト』紙の記事。

2007年03月20日 | 中国の政治・経済・社会
 専門家の意見聴取には、3年かかった。ある人は、費用が高すぎる、プロジェクトが来るのが遅すぎた、ボーイングとエアバスは、強すぎると言った。他の人たちは、中国の経済力は、エアバスとボーイングを相手にするのに十分強いと言う。その上、中国は、大型旅客機を必要としている。2020年までに中国は、1500機の新しい航空機を入手しなければならない。ボーイングは、2026年までの中国の航空機需要を2900機と見積もっている。この費用は、2千8百億ドル(33兆400億円)に達する。それなら自分で航空機を建造するほうがいいではないか?
 旅客機製造支持者の意見が通った。2月26日、中国の国務院は、プロジェクトに着手することを決議した。実行可能性についての評価は肯定的だった。野心的な計画への細部が現在初めて明らかになった。中国が軍事的に利用可能な航空機を計画するということを経済週刊誌『チャイジン』が暴露した。
 国家のインノベーション計画は、16の高度技術プロジェクトを数えている。その中には、宇宙旅行計画やトランスラピッドにとって代わる磁力軌道開発が含まれている。体面に関わる企ての上の方に大型旅客機の建造が挙げられている。中国はボーイングやエアバスと競争するつもりである。それには50億から60億ユーロ(9000億円)の開発費が見込まれる。10年間に150座席以上の航空機の原型ができる予定だ。この航空機は旅客だけでなく、部隊輸送としても使われる。
 その後、航空機プロジェクトのためのプロジェクト会社が創設される。この航空機の民間仕様は、上海で製造される。軍用機は西安で作られる。
 航空機プロジェクトが推進される会合で、温家宝首相は、この企てはこれまでの技術計画とは別のやり方で進められることを希望した。グローバル化の時代には、すべての自前では製造することは、非効率である。例えば、推進技術は、今日国際的に提供されるだろうと述べた。
 1970年から1985年まで、上海で、極秘の状態で、Yun10型の旅客機が開発された。三つのバリアントが存在した。1980年にはモデル02が飛行可能だった。130回の離陸が試され、試験的にチベットのラサまで飛んだ。だが、飛行時間は、170時間を超えなかった。 1985年に、中国は、米国のマクダネル・ダグラス社との協力を始めた。だが、12年後、ボーイング社がダグラス社を併合したので協力は終わった。MD82型機とMD90型機が上海で37機、製造された。
 AE100型機を製造するためのエアバス社との協力も、1997年に停止された。その理由は、エアバス社が技術移転に対して法外な価格を要求したからであり、その中心的技術を引き渡すことに不安に思ったからである。(以下省略)
[訳者の感想]中国はとうとう自前の技術で旅客機を開発することに決定しました。その意気を壮とすべきでしょう。
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