海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「日本のインターネットの大物、懲役刑」と題する『ガーディアン』紙の記事。

2007年03月18日 | 犯罪
彼の「すぐ金持ちになれる」という呪文で日本のビジネス体制で人気を得たインターネットの大物、堀江貴文は、昨日、株式詐欺で2年6ヶ月の懲役を宣告された。
堀江(34)は、東京地方裁判所の裁判長が判決文を読み上げている間、何の感情も示さなかった。これで「日本のエンロン」と呼ばれた事件の最終段階が終わった。法廷は、彼の弁護士が控訴をしている間、堀江の保釈を認めた。
東京大学中退の堀江は、十年間にインターネットのポータル・サイトであった「ライブドア」を7千億円の価値がある帝国に仕立てたが、ライブドアの損失を隠し、株価をつり上げようとして虚偽の財務報告をしたという罪について抗弁していた。
六ヶ月かかった訴訟の間、彼は会社の攻撃的なバイアウトで冨を努力なしに手に入れたのにぞっとした伝統的ビジネスの利害によって目の敵にされたと主張した。
小坂トシユキ裁判長は、堀江が「法を回避する目的で」ダミーの投資組合の設立をたくらんだと述べた。
「この点では、起訴された件は立証された。」検察は、ライブドア社が3億1千万の損失を隠すために50億円の利益を報告することによって、意図的に2004年度に投資家を誤り導いたと述べた。小坂裁判長は、「このようなファンドは、ライブドア社の主要事業とは無関係であり、その目的は、ライブドアの会計を操作することであった」と述べた。
Tシャツの代わりに濃紺の背広姿の堀江は、裁判長が判決を読み上げている間、文書を熱心に読んでいた。
堀江が日本に与えたインパクトの証拠として、小坂裁判長は、彼に励ましの言葉を述べるという普通でないステップを取った。
堀江に示唆されて、仕事を見つけ、彼女の儲けのいくらかでライブドアの株式を購入したある障害者の女性の両親から受け取った手紙を引用することによって、「有罪であることが判明したが、それはあなたについてすべてが断罪されたということを意味しない」と裁判長は述べた。
「私は、あなたがあなたのしたことに対して償いをし、あなたの生活を新たに始めるよう希望する。」
だが、堀江の弁護人である高井ヤスユキは、規制が若い企業家達が日本のビジネスの殻を破ることを止めさせるのではないかと恐れると述べた。「何故懲役刑が宣告されたのか理解できない。日本の刑事裁判制度に対する私の幻滅が悪くなっただけだ。」
検事は、堀江に対して懲役4年を要求していた。彼は間違ったことをしたということを繰り返し否認した。また検事に対する言葉の攻撃が彼に執行猶予を認めないという決定に影響を与えた。
堀江の劇的な失墜は、彼をより精力的でリスキーなビジネス・スタイルに対する開拓者だと見なしていた人たちには打撃だった。ドット・コム時代の可能性に対する心からの信念をもったオタクとして、堀江は、職業野球団とテレビネットワークを手にれようと努力して不成功に終わったことで有名になった。
2005年9月には小泉首相の祝福を受けて無所属で選挙に出馬した。彼に対するメディアの賞賛は、彼の逮捕後、軽蔑に転じた。持ち株の下落を見た何人かの投資家は、寛大な判決を期待していた。
「私は裁定が思っていたより厳しかったので驚いた」と清水一郎は、テレビのインタービューで述べた。「裁判所は、どれほど多くの損害が株主に加えられたかを注意深く公平に判断したと思う。」
ライブドア社の市場価値は、堀江の逮捕後、5千億円下がった。手入れの前に700円だった株価は、昨年4月にライブドア社が東証の上場リストからはずされた時点では、94円になっていた。
[訳者の感想]日本に関する記事としては『ガーディアン』紙の扱いは大きかったと思います。書き手は、東京駐在のジャスティン・マッカリー特派員です。
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